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2023夏 ダイジェスト②

前回の続きはこちら

2.島根県の旅

2.1 松江城周辺の旅①

 松江市自体は初めての訪問であり、前もって下調べはしておいたのだが、松江城を中心に近代建築が並んでいるのはわかったこと。ということで、まずは松江城周辺に向かうことに。松江駅からは観光周遊バス「松江レイクラインバス」が走っているので、早速乗車することに(写真1)。

(注) 地元テレビ局の報道によると、昨今の乗務員不足の影響で今年10月から減便を行うとのこと。1時間に2本の時間帯が1本に変わるため、これから観光を訪れる方は注意が必要。

写真1 周遊バス(松江レイクラインバス)

 最初に下車したのは「国宝松江城・大手前」バス停。周辺は松江城はもちろんのこと島根県庁舎などの官庁舎が並んでおり、またこれらを設計したのは安田臣(かたし)や菊竹清訓(きよのり)と建築的には名の知れた人だ。特に前者の安田臣は私が大学院生で研究室在籍時代に後輩がそれをテーマに発表していたのを思い出す。

 というわけで、松江城に行く前に建築巡りを行うことに(写真2〜6)。当然、官庁舎が並ぶので一般の人は特別なことがない限り、早々簡単に入ることは難しいだろう(というか怪しまれるだけ)。ただ、島根県庁第三分庁舎に関しては竹島に関する資料室を兼ねているため、建物内は展示ブース以外であれば(写真4-1)くらいの程度だったら可能である。

写真2 島根県民会館(安田臣設計)
写真3 島根県庁舎(安田臣設計)
写真4 島根県庁第三分庁舎(菊竹清訓設計)
写真4-1 島根県庁第三分庁舎 内観
写真4-2 島根県庁第三分庁舎 外観
写真5 島根県武道館(菊竹清訓設計)
写真6 島根県立図書館(菊竹清訓設計)

 こうして見ると、松江城周辺に官庁舎建築が並んでいることがよく分かる。これだけ並ぶのには当時の県知事であった田部長右衛門氏の元で推進された「島根県庁舎周辺整備計画」の存在があるという。その結果、この計画に地元出身の安田や世界的に注目されていた菊竹がそれぞれ設計した建物が並ぶようになった… というわけだ。

2.2 松江城周辺の旅②

 建築周辺散策を終えて、いよいよ松江城に向かう。向かう途中にも立派な洋館が見えた(写真7〜9)。松江市内に残る数少ない明治建築「興雲閣(こううんかく)」である。見学は無料で出来るため、当初予定には無かったものの訪れることに。

写真7 全景
写真8 歴史を感じる看板
写真9 外観

 そして、ようやく松江城に入場(写真10)。近くには松江歴史館もあるのだが、運悪く休館日というのを当日になって知ることに。天守閣からは、先程の官庁舎建築はもちろん(写真11)、遠目越しに「くにびきメッセ」も見える(写真12)。今月中旬まで行われるポップサーカスの観覧場も目立つように写っていて、地上から見る景色とは違う風景が何とも良いもの。

写真10 松江城
写真11 松江城天守閣から見る島根県民会館
写真12 松江城天守閣からくにびきメッセを望む

 松江城の近くには堀川遊覧船乗り場があったので、乗船して城周りを遊覧することに(写真13)。道中、船の高さ制限に対し、遊覧船の屋根を下げて且つしゃがみ込むようにという船頭のアナウンスは衝撃的でスリリングであった。期間限定のクイズゲームも楽しいかった。

写真13 堀川遊覧船乗り場

2.3 一畑電車に乗車。出雲方面へ!

 再び「松江レイクラインバス」に乗車し、次は一畑電車の始発駅である松江しんじ湖温泉駅で下車する(写真14)。ここからは一畑電車に乗車し出雲大社へと向かう。出雲自体は3年前、コロナ禍が始まった頃に卒業旅行名目で青春18きっぷの旅で訪れて以来だから2回目にはなる。ただ、この時はJR線で山陰地方縦断していたので、一畑電車自体に乗車するのは初めてのことになる。

写真14 松江しんじ湖温泉駅 駅舎

 電車に揺られること1時間。道中の乗継を経て、出雲大社前駅に到着。日本最古級の電車「デハニ50形・52号車」がお出迎えしたような感じだった。そして、新旧車両の並びはどこ行っても映えるから良いものだと思う(写真15)。登録有形文化財に指定されている駅舎をあとにして(写真16)、出雲大社に向かうことに。

写真15 出雲大社前駅にて 一畑電車新旧車両の並び
写真16 出雲大社前駅 駅舎

 出雲大社は3年前に一度行っているため、今回は無事社会人生活を送れていることと今後の祈願を兼ねてお参りをすること(写真17、18)。今回のメインは、出雲大社の隣にある「島根県立古代出雲歴史博物館」へ行くこと(写真19)。設計者はヒルサイドテラス(東京・代官山)を設計したことでも知られる、著名な建築家槇文彦氏である。

写真17 出雲大社 勢溜
写真18 出雲大社 拝殿
写真19 島根県立古代出雲歴史博物館

 ちなみに、一畑電車の1日乗車券と博物館の入場券がセットとなった切符が売られていたので、こちらを購入した。別々に購入するよりかは断然良いと思う。
 この博物館は出雲大社の歴史はもちろんのこと、周辺の歴史・地理の展示もなされている。中でも印象的な展示が平安時代の出雲大社の本殿模型である(写真20)。展示物自体は撮影NGのものもあるが、基本は断りをいれれば撮影自体は構わないとのことだったので、思わず撮影することに。改めて思うけど、平安時代の出雲大社が、もし現代に残っていると考えるだけで… インパクトがあるなと思ってしまうけど、さすがにそれはないと思うのだが。

写真20 平安時代の出雲大社本殿

その後は、展示物を回りながら、博物館を後にする。実は気になった建築物があったのでこの機会に見ることとした。その建築物は大社文化プレイスうらら館というもので(写真21)、せんだいメディアテークを設計したことで知られる伊東豊雄が設計したことで知られる。図書館やホールなどの複合施設なっているため、一般の人は市民とか出ない限りは入りにくいとは思う。なのでここは外観だけ撮影することにして、訪問記念とした。

写真21 大社文化プレイスうらら館

ここを後にしながら、一畑電車出雲大社前駅へ移動し、再び松江方面へと戻るのであった。

2.4 再び松江、フィナーレへ。

 一畑電車で終点の松江しんじ湖温泉駅に戻り、ここから「松江レイクラインバス」に乗車。降りたのは県立美術館前バス停。夕方の時間だが、美術館でゆっくり鑑賞するのもカツカツかなと思って、外観だけ見て宍道湖の夕陽を見ることに。
 ただ、この時、台風の影響と見られる天候で厚い雲に覆われていたこともあって、これといった期待するようなものは得られることは無かった(写真22)。前倒しで現地を去り、「松江レイクラインバス」でスタート地点の松江駅に戻ることに。

写真22 宍道湖の夕陽

 再び松江駅に戻り、夕食を食べて、東京行きに夜行バスを待つことにする。この時、台風接近の並行する「サンライズ出雲号」の運休が決まっており、そのせいなのか定かではないものの、バス停には長蛇の列が並んでいた。そして、バスが到着。今回帰りに乗車したのは出雲市駅発の夜行バス「スサノオ号」だ。恐らくだけど、始発より途中の松江駅からの乗車が圧倒的に多かったのでは無かったかと思う。そして翌朝7時前に東京駅日本橋口に到着(写真23)。所要時間は、なんと11時間の長乗車にも関わらずあっという間に目的地に着く、これが夜行バスのマジックだろうか?

写真23 中国JRバス「スサノオ号」

2.5 まとめ

 今回は朝のうちは天候には恵まれていたが、途中から小雨が降るなど、台風接近の影響をもとに受けた旅であった。これが1日滞在するとなれば、交通機関はおろか、高速バスも運休していたから偶然なのかも知れなかった。
 けれども観光を楽しめた分、旅の締めの夕日が(天候の影響で)まともに見ることが出来無かったのは残念な話。岡山同様にリベンジを果たしたい。

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