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カラスのこと

今朝早くからスズメに起こされベランダのバードフィーダーにお米を入れておいたら、カラスが5〜6羽やって来た。

スズメが催促しカラスが食べる、いつものパターン。

こんななので両隣の方は早々にバードフィーダーを片付けたとの事。


4〜5年前までこの近辺は番いのハシボソガラスの縄張りでした。近隣住民とは適度な距離感を保ちながら、互いをご近所さんと認識仕合い、2羽のハシボソにとっては住み心地の良い環境だったのでしょう。


ですがある日の夜、多分22時くらいだったかな。数羽のカラスが騒ぎながら飛び交っている。という事がありました。

威嚇している感じもあり、こんな時間に何事かと気になりつつ、それは3日ほど続いたのでした。

そんな折、庭の植物に水やりをしていたら、とんでもない数のハシブトガラスが次々と集まってくるのです。その騒ぐ声に反応してか、どこからともなく続々と集結するハシブトガラスたち。

見上げると、大袈裟ではなく電線がカラスで真っ黒に。我が家の屋根や近隣の屋根にもズラリとハシブトガラスが。

ハシブトガラスたちは電線を大きく揺らしながらうるさく叫び、遂にその中の10羽ほどがハシボソガラスに襲いかかったのでした。

ハシボソガラスの番いは反撃しようにも圧倒的多数のハシブトガラスから縄張り内を逃げるしかないという情況に。

両者は庭の樹木と樹木の隙間を抜けると素早くガクンと低空へ滑るように移動し、真横でしゅんしゅんと鳴る風切り羽の音には迫力があり、威嚇攻撃を交わすハシボソガラスの必死さが伝わってくるのでした。

数日前までの平和な暮らしが崩れようとしている、その瞬間を目の当たりにした日となりました。

その時期はちょうどハシボソガラスが営巣を始めた頃でした。途中まで出来ていた巣は壊され残ったハシブトガラスたちは勝利の雄叫びを上げ、戦いの幕は下りたのでした


ハシボソに代わりハシブトガラスがここを縄張りとした当初、周辺から一気に野鳥の姿が消えてしまい、雀の鳴かない朝と言うのがこんなにも殺風景で、カーテンを開ける動作でさえも、つまらないものとなってしまうとは思いもしませんでした。

ですが野鳥たちは戻って来ました。

あの日集結したカラスも単に応援要員に過ぎず、今ここに定住しているハシブトガラスは5~6羽くらいでしょうか。

後になり、深夜の襲撃はハシボソガラスの心身へのダメージを狙ったものではなかろうかと感じたのですが、もしそうであったなら、ちゃんと戦略を立てていたことになりますね。本当のところは分かりませんけども。


さて、ここからは去ったハシボソガラスの話になります。

ここにいたハシボソガラスは大人しく静かで滅多に鳴くことはありませんでした。いるのかいないのか分からないほどでした。

一方ハシブトガラスはしょっちゅう鳴き声を出していて、今は慣れましたが当初はそれを五月蠅く感じていました。瞬間瞬間鳴いているのです。

襲撃を受けた時、ハシボソガラスには数羽の応援(多分過去に巣立った子どもたち?)しか来なかった事を思うと、鳴き交わす相手がこの近辺にはいなかったので静かだったのかもしれません。

そんな事が関係してなのか、ハシボソガラスはわりと友好的と言いますか、人に対して警戒心が薄かったように思います。ベランダの手すりから部屋を覗いていたり、草花の手入れで庭にいる時はその傍で石ころや土を掘り返し虫を啄んだり、樹木の剪定時には大抵やって来て、涼む場所確保の為なのか、枝を短く伐りすぎようものなら抗議の一鳴きをする。といった具合でした。

更に後日ハシボソガラスを身近に思えた一件がありそれは、

ある日玄関を開けるとそこに一本の細い小枝が落ちていて、その時は風で飛ばされたのだろうとその辺に放った小枝の事は忘れていました。

しかし暫く経つと、また玄関に小枝、その次の日も小枝、その次の日も小枝が落ちており、さすがにこれは変だと思いつつ、原因不明のまま数日が過ぎて行きました。


そうしたら遂に、ハシボソガラスが小枝を咥え飛んで来るのを二階窓から目撃。急いで玄関に向かうとそこには小枝かひとつ、ありました。

小枝を置いた現場は見ていなかったけれど、これはハシボソで間違いないと、この時確信したのでした。

このカラスの謎行動について、庭での自分の行動を思い返してみたら…

これかも?と思い当たる節が。。。

ハシボソたちは剪定時その様子を眺めている事が多々ありました。剪定した枝は植物の支柱や花壇の枠など用途があったので捨てる事は無く一か所に纏め、残してあります。この行動を長年見続けた彼らは、枝が私にとって、宝物の様に感じていたのではなかろうか?「それならば沢山持って来てあげるよ」なのかもしれない。


落ちていた枝たち

本当のところは分かりません。気紛れかもしれません。

でもこれを、カラスからの贈物と思う事にしました。そちらの方が断然楽しいですからね。


ところで、追われたハシボソガラスはどうなったか?ですが、

時折り戻ってきますよ。

庭に来る事もあり、または近所の公園で黒猫と追いかけっこしているのを見かけたこともありました。

とりあえず、元気そうです。

元の縄張りからあまり遠くへの移動はしないらしいので、
これからも見かけることはあるでしょう。


会えば「元気?」と声をかけ通り過ぎる今の関係も案外楽しい


そんなカラスについての雑談でした。









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