生成AI時代のキャリコンの役割とリベラルアーツ思考


8月26日(土)に、年に1回のリベコの夏の大会「人生を変える!社会を変える!~これからのコンサルタントに必要な知識とスキル」がハイブリッド開催され、3名の理事が登壇されました。

今回はその中から、理事でアルスコンビネーターの矢萩邦彦さんによる基調講演「生成AI時代のキャリコンの役割とリベラルアーツ思考」についてご紹介します。

今の時代に、実際にその場にいる意味は? デジタルでできないこと何? というのが今日のお題です。

後出しじゃんけんを通じて、人間は考えるより先に感じるということが示されました。人間は最初言語を使えませんが、AIは言語から始まるのです。

このような人間とAIの違いを正確に知らないと、AIを効率的に使うことはできません。

人間は分かってからできるまでに時間がかかります。何となくわかったという状態があるのですが、AIには何となくわかったという状態はありません。

相手が何となくわかっていることをコンサルタントは評価してあげる必要があります。それが対面なら分かるのです。

蝋燭は、電球、蛍光灯、LEDとして進化して来ましたが、蝋燭はまだ存在します。本質的にLEDと違うからです。

では、カセット、CDが残っているのに、何故MDが滅びたのでしょうか?
CDには、最高20000Hzまでの音を録音できます。人が認知できるのもほぼ同じ範囲です。しかし、MDでは16000Hzはでしか録音できず、高周波の音が欠けてしまうのです。

 紫外線は目には見えませんが肌で感じることはできます。音も耳では聞こえないが、全身で感じるものがあるのです。

 このように、デジタル、オンラインでは省略されるものがあります。今ここにいる理由は、あらゆるものを全身で感じるためです。

2000年代には第3次AIブームが起こり、文字・画像・音声認識が可能になりました。GPTのパラメータ数は、2018年には1,17億個だったのが、2023年には14兆個以上と桁違いに増え、人間のシナプス数を超えています。こうなると、過学習によるAIのブラックボックス化が起こります。

AI時代の仕事の流れをまとめてみます。企画は相変わらず人間の仕事です。そして、
AIに指示するという新しい仕事(プロンプト・エンジニアリング)が出現しました。生成はAIが実施します。最後の微調整(倫理性、依拠性等)は人間が行います。企画や調整は、真・善・美に基づくもので、AIにはできません。

パーソナル生成AIの例として矢萩GPTが作成され、質問に対する回答等例が示されました。ChatGPTの回答と比較して、矢萩さんらしい回答が示されました。これは、どんなデータを学習したかによるもので、このことから、データ自体に価値があることが分かります。

これからの時代は、複雑なことを扱う専門家は必ずしも必要ではなくAIに任せて、専門家の知を結合するジェネラリストのスペシャリストが必要であるという結論で話が終わりました。

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「リベラルコンサルティング協議会」
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@liberal.consulting.association
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(仲井圭二)

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