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小さな活版印刷機 使用後の感想的な

大人の科学マガジン 2017年12月15日発売号の付録。
http://otonanokagaku.net/magazine/vol45/
「小さな活版印刷機」

2018年の年賀状の手配、というか作り方を何も考えてなかったので、時期的にギリギリだけどこれで作ろうとアレコレやってみた。以下雑感。

この器械、インキの供給機構がとにかく弱い。(本番は代用品として推奨されてる水彩絵の具を使用。表記はあえて『インキ』。許して。)
インキ台(印刷機上部のかまぼこ型の板)にセットした吸取紙上にインキを展開し、インキローラー(起毛素材が巻かれている)で拾って活版・凸版に供給するのだけれど、ローラーの圧力が不足気味でインキムラが出やすい。付属活字の半濁点とかほとんど刷れない。

当初より多色刷り・自作版使用をしたかったので、活字台以外に活版マウンターを3個作成。これにより見当合わせ(手動)が捗る。

自作版は塩ビ製ゴム版材を使用。イラレで書いたイメージをトナープリントし、版材に除光液で転写、これを手彫りした。最初は消しゴムハンコ用の版材を使ったが、塩ビ製の方が細部を彫りやすく、また用紙への転写性も良いように感じた。消しゴム版は泣く泣くボツ。

一度版を作ってしまえば、インキとローラーをセットすることで日を改めての増刷等も、見当精度などを保ったまま継続して作業を行える。この辺りは自作スタンプの手押し作業との一番の差かもしれない。それ以外については、正直手押しスタンプ作業の方が楽だと思う。インキの供給も、凸版(活版)にスタンプ台で直接塗った方がムラも少なく刷り上がりも美しい。

そもそも活版印刷機を使って楽をしよう!みたいな物ではないです、これ。自分ちで活版出来ちゃうぜイエッフー!って思えるヒトのためのおもちゃです。活字も1種1個しか付いてないので(追加購入は出来るようですが)、文字組の自由度もかなり低い。
自分の場合『「器械機構を使って多色刷り見当合わせ」が出来るもの』、ってところが琴線にビコンビコン触れたので迷わず買ったし、いまも大変満足してます。
これから買われる方、忙しくて組み立ててない方、みなさまそれぞれの楽しみ方で遊んでみてください。


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