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最近の記事

製版における出力見本考(2022年現在)

入稿の際、出力見本を添付してくださる皆様。いつもありがとうございます。 PDF入稿が当たり前になって久しい昨今、出力見本のおかげで救われた事故未遂がどれだけあったのか。 全てを数えることなどできませんが、出力見本は本当に大事です。 そもそも、出力見本を何に使っているのか、詳しくご存知でない方もいらっしゃるでしょう。 出力見本は、検版において大変重要な役割を担います。 読み方は完全な個人的解釈ですが、出力見本とは読んで字の如く「出力の見本となるもの」です。そうやってつけられて

    • ラスターイメージ化の理解(中1)

      ムスメ氏(中1)の夏休みの宿題、「親の仕事」について取材の上新聞作成とのこと。 モリオ、オフセット印刷・DTP・製版・RIPと順に説明していく。 ムスメ氏、若干表情を曇らせながらもメモする。 ・RIPについて『ラスター・イメージ・プロセッサー』の略称であること。 ・印刷用(DTP)データがざっくり分けると『ラスターイメージ』と『ベクターイメージ』でできていること。 ・ベクターイメージとは、座標と方向でできていること、解像度に依存しないこと。 などを説明しながら、徐々に早口に

      • センターを外した大きめアートボードデータへの恨みがたくさん積もってるので少しまとめてみた。

        アートボードのセンター外したデータがどれほどめんどくさいかに関しては、過去に書いたエントリーをご参照、体験していただければ。 印刷用のイラレデータは、せめてアートボードのセンターにページのセンターが合ってる状態でデータ作ってください。どうか平に。

        • Adobe CC で DTP環境・直近2バージョンしばりとどう付き合うか、っていう話

          Adobe Creative Cloud のサポートポリシーでは、インストール可能・サポート対象のバージョンとして「最新バージョン(N)」と「前のバージョン(N-1)」が案内されています。 (2021年4月現在/契約形態によって差異があるが、おおよそこの範疇と思って差し支えなし。) つまるところインストールできるのは、今でいうと「2021」と「2020」の二つのメジャーバージョン。「2021」については随時アップデートがかかっており(アジャイル開発っていうの?)、なかなか安

        製版における出力見本考(2022年現在)

        • ラスターイメージ化の理解(中1)

        • センターを外した大きめアートボードデータへの恨みがたくさん積もってるので少しまとめてみた。

        • Adobe CC で DTP環境・直近2バージョンしばりとどう付き合うか、っていう話

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        • DTP・印刷関連
          23本
        • モリオの工作
          9本
        • 2015のラクガキ
          3本
        • 2016のラクガキ
          3本

        記事

          DTP的・手段別PDFトリミングについて

          PDFをトリミングしたい場合。 なんのためにトリミングする?【目的】 どうやってトリミングする?【手段】 トリミングした結果どうなる?【結果】 トリミングしたPDFをどう使う?【用途】 トリミングしたPDFをリンクする際の選択肢【Aiでリンク/Idでリンク】 を列挙してみる。 まずおさらい。 PDF上の各種ボックス名について。 Acrobat日本語訳:英語表記 ページサイズ:MediaBox トリミングサイズ:CropBox アートサイズ:ArtBox 仕上がりサイズ:T

          DTP的・手段別PDFトリミングについて

          PDF入稿のPDF、製版・出力ではどの辺をチェックしてるのかっていう話

          PDF入稿のPDF、製版・出力ではどの辺をチェックしてるのかっていう話

          印刷屋製版・出力がCMYKプロファイルを軽んじる(無視する)のは、どうして?

          DTPのCMYK値(指定)にはふた通りの文脈があります。 プリプレスにおける色指定は、かつては文字通りの「アミ指定」でした。 版下の上にかけたトレペに墨藍朱黄(CMYK)の%を書き込んで色指定(アミ指定)し、製版への指示としていました。製版はその指定を金科玉条として厳守するのが原則。 藍100って書かれてたら、藍はベタ・墨朱黄に何か入ったらアウト。 オフセット印刷の網点(スクリーニング)という中間調表現手法を鑑みて、「色指定」がされておりました。 この流れから、DTP作業で

          印刷屋製版・出力がCMYKプロファイルを軽んじる(無視する)のは、どうして?

          「RIP済みデータ」って何だ?

          数多くの機能を持っている現在のワークフローRIPには、多種のファイルをアウトプットする機能が備わっています。 弊社使用のRIPでいうと、ざっくりと大別してアウトプットできるのは以下の三種ほど。 PDFインプットしたデータにRIPで加工して、PDFを書き出せます。 ページ順の制御などを行い一度PDFに書き出す、といった用途に使用します。 8bitTIFF(8bitPDF)分版済みの、画像データ/またはその画像を包んだPDFです。 PODやレーザープリンターにこのPDFを渡し

          「RIP済みデータ」って何だ?

          イラレとカラープロファイル ※CMYKの場合

          新規ドキュメントを作成した場合 作業用スペースのカラープロファイルが埋め込まれる ドキュメントを開く際プロファイルが不一致だった場合※プロファイルが不一致:ドキュメントに埋め込まれたプロファイルと作業用スペースのプロファイルが一致しない状態を指す 処理方法を聞いてくる(三択)  ・作業用スペースの代わりに埋め込みプロファイルを使用する  ・ドキュメントのカラーを現在の作業用スペースに変換  ・埋め込まれたプロファイルを破棄(カラーマネジメントしない) (説明)  ・作業

          イラレとカラープロファイル ※CMYKの場合

          「バージョン落として入稿してください」がダメな理由

          ‪入稿データが印刷会社(等)で対応できないバージョンだった。こんな時「バージョンを落として入稿してください」って言ってしまうことの問題点について書いておきます。 問題点一つ目、バージョンまたぎのリスクと責任の全てをデータ入稿元(データ製作者)に背負わせること。 ‪問題点二つ目、入稿元・印刷会社側ともにチェックの機会を作ろうとしていないこと。 問題点はこの二点です。 バージョンまたぎによるDTP的リスクについてはここでは説明を省きますが、その内容は一言で説明できないほどに

          「バージョン落として入稿してください」がダメな理由

          「抱かせて焼く」

          こんな印刷物を作りまして、製版フィルム(在版)もありました。 これをCMYKに分版することこうなってます。 加えて、ネームを追い刷り(刷り込み)した別の版がありました。 これがネーム版。 増刷依頼があって、追い刷りまで含めて印刷になります。 こんな時は二つのK版を、 重ねてこうじゃよ。 これが「抱かせて焼く」。 製版フィルムは透過なので、重ねて露光すると一枚のK版(刷版)ができます。 こうして、お安く増刷ができましたとさ。 めでたしめでたし。 以上が、モリオの知

          「抱かせて焼く」

          活版印刷をもう一回遊び直すの巻

          上記ツイート、一部訂正。基本90秒くらい当ててもいい感じ。 広範囲でライトが斜めから当たってそうなところは30秒程度追加で照射。 照射不足だと水洗い時に凸部分保たない。

          活版印刷をもう一回遊び直すの巻

          AdobeDTPにおけるオーバープリント処理のルールについて

          オーバープリントの基本的な処理オーバープリントでは、オブジェクトの上下関係が結果に大きく作用します。 重ね順が上になる色をA、 重ね順が下になる色をB、 としてAにオーバープリントの属性を付与した場合、 オブジェクトが重複する部分でC / M / Y / K (/ Spot)それぞれで、  A=0%の場合、Bの濃度。  A≠0%の場合、Aの濃度。 という処理を行います。 このサンプルの場合、 なので、 となります。 CMYK(+特色)の各色で処理を行うため、プレビューを

          AdobeDTPにおけるオーバープリント処理のルールについて

          noteから、こんなメールもろたよ。

          noteから、こんなメールもろたよ。

          「PDFは何が良い?」「X-4でお願いします」について

          印刷用データのPDF入稿について「X-4で」っていうと、 結構な頻度で「RGB含めて良いの?」って聞かれる。 いやいやそうじゃ無い。 印刷用データを入稿するのにはこれだけの前提があってね、っていうエントリーです。 ※注:弊社の基準なので、他所のお仕事とそぐわない部分があるかもしれません、ご容赦ください。 まず、PDFを書き出すよりも前の部分。 ●Ai ドキュメントのカラーモード  CMYK一択 ●Ai アートボードの設定/Indd ページサイズの設定  仕上がりサイズ

          「PDFは何が良い?」「X-4でお願いします」について

          PhotoshopEPSとPhotoshopPSD間で、どうもダブルトーンがうまくない

          カワココ先生から宿題を頂戴したので、検証しました結果のエントリー。 ●問題(質問もとの方のツイートから転載) 「ダブルトーンのリンク画像が、psdの場合→イラレで特色になり分解できない、epsの場合→特色にならない、の違いが知りたく質問させていただきました。なぜ違いがあるのか、どう使い分けしたらいいのか…」 ●検証方法 ダブルトーン画像をEPS、PSDで作成。 ダブルトーンのカラー名でパターン作成。  1 Black/Magenta  2 ブラック/マゼンタ  3 DIC

          PhotoshopEPSとPhotoshopPSD間で、どうもダブルトーンがうまくない