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また、ショッピングモールが閉店。衰退する地方都市青森に住んでみて

私は今、青森県青森市でこれを書いてます。

2020年4月に子供がカミさんの実家がある青森市で生まれて、5月に東京帰ろうと思ったら都知事が「非常事態宣言だから帰って来んな!」というので、2年半そのまま青森に住んでます。
当面は、1年の半分をカンボジア・プノンペン、半分を青森市という生活にする予定です。(あと月一で東京行く)

なぜ、青森に住んでいるのか?

それは、カミさんの実家に子育てを手伝ってもらえるという合理的な理由と、「衰退する地方都市の様子をリアルに感じたい」という非合理な理由の2つがあります。

シネコンに次いで、ショッピングモールが閉店

私が住む青森市は、青森県の県庁所在地であり、新幹線が停まる新青森駅もある、青森県第一の都市。人口も10万人を越えています。
冬は積雪2メートルという地獄ですが(人口10万人以上の都市で、世界一積雪する)

積雪2mは、伊達じゃない!

夏は涼しくて過ごしやすいです。

家から30分でスキー場にも海水浴場にも、自然がいっぱいの公園にも行けて、待機児童もゼロ。インターナショナル保育園まであって、子育てするのには凄くいいです。

がしかし、2021年夏には、市内最大の映画館が閉館しました。

ちなみに、名前が「コロナワールド」という、風評被害全開の施設です。

そして、2023年5月には、そのとなりのショッピングモール「ガーラタウン」が閉館になることがきましました。

この映画館も、ショッピングモールも日常的に行ってたのに。。。
おかげで、スパイダーマンの映画を観るのにとなりの五所川原市のイオンまで行かなきゃいけなくなりました。スキー場まで30分なのに、映画館まで40分…。

衰退都市は、撤退した店舗が放置される

東京でもプノンペンでも店は潰れます。
ただ、青森市の違うところは、潰れた店がそのまま長期間放置されることです。

コロナワールドも、閉館してから1年以上経ちましたが、完全にそのまま放置されてます。(となりのショッピングモールとあわせて、イオンモールになるという噂もありますが…)

これだけではなく、市内の飲食店や電気屋なども、一度閉店すると次が入らないので、このように年代物の廃墟になります。

住宅も同様らしく、家を借りるときに、いくつかよさげな集合住宅をピックアップして不動産屋に空室があるか聞いたら「全部空室ありますねー」とのこと。
この市には、満室という言葉はないのかもしれません。

人口減少の恐怖

なんでこうなるかというと、おそらく人口が減っているからでしょう。
人口減少率2位の青森県は、毎年5%ずつ人口が減ってます。

出展:東奥日報 https://www.toonippo.co.jp/articles/-/565720

人口が減れば、映画を見る人も、買い物をする人も、食事をする人も減るから、店も減る。
店が減れば、従業員が要らなくなるから、雇用が減る。
雇用が減ったら、収入が得られないから、他の都道府県に引っ越しをする。
さらに人口が減るので…。
という悪循環を日々感じております。

ある程度人口が減るだけだと、どこに行っても空いているので便利です。
今、保育園も空いているし、海水浴場も公園も、平日に行くと貸し切り状態。
やんちゃな娘を自由に遊ばせるには最適の環境です。

ただ、ガラガラ状態が長く続くと、商業施設はなくなります。
出生数が、1975年(現在の45歳)約24000人→2021年(現在の1歳)約6500人と、40年で1/3以下になってます。

出展:デイリー東北 https://www.daily-tohoku.news/archives/112103

ここ数年の減少幅は半端なく、10年で2/3に。コロナ禍でターボがかかっており、再来年には6000人を切ることが濃厚で、保育園の経営が岐路に立たされてます。

発展途上の街と、衰退途上の街

こういう衰退途上の街から、カンボジア・プノンペンのような発展途上の街に移動すると、空気が全く違うことを感じます。

街中にどかどかと新しいショッピングモールができ、そのてっぺんには映画館ができ、来月には東南アジア最大のイオンモールができるプノンペンは、とにかくみんな楽しそうです。

街中には若者が楽しそうに遊んでおり、ショッピングモールには必ず大きなキッズパークがあり、
たくさんの子供が跳ね回ってます。

私が多くの大学で講義をしている内容が「発展するカンボジアと、衰退する青森。日本はどっちだ?」というものです。
このカンボジアの様子と、青森の様子を対比しながら、日本のこれからを解説する講義です。

私の講義の内容がこれから当たるかどうかはわかりません。
ただ、若い人には、ぜひ、日本の地方都市と、アジアの発展途上の都市に訪れ、自分が住む街と比べてみてください。
そして、自分が住む街がこれからどうなるのか?自分がどこに住んで、どこで働いて、どこで生きていくのかを、ぜひ考えてみてください。

私も、ずっと東京と海外を行き来する生活だったので、日本の地方都市のことをまったく知らなかったのですが、青森県≒将来の日本に住んでみて、自分というより、娘の今後の生きる場所について、強く強く考えさせられています。

楽しいカンボジア


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