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大学休学② 学生相談室その6 ジャミロクワイと復学

大学は6月にはもう通っていなかったと思う。

大学で知り合った知人友人のなかでは、2、3人にそのことを伝えたくらいだったと思う。

そして、週一で2時間半かけて学生相談室に通い、ある心理学の技法を用いたカウンセリングを受ける以外は、ほぼフリーターといった生活が始まる。

今振り返ると、ほとんど覚えていないけれど、その生活の中で、高校時代くらいにハマった洋楽のCDを買ったり、聴き込む、音楽雑誌を読むと、音楽を楽しむ(あくまでリスニングが中心で、バイトの音楽好きの先輩に借りたギターも、上手く弾けなくて投げ出してしまった)ことくらいしか特筆することはなかった。

あとは大学に行ってる地元の友人と遊んだり、大学生という身分に半分籍を置いたまま、モラトリアムを謳歌していたように思う。

そんな生活を続けていたら、こんなことを思うようになった。

すごく音楽が好きで、バイト先の音楽の趣味が合う先輩と話をしたりしてると楽しい。

家に呼んでもらってCDを借りたり、音楽の話をしているのも楽しかった。

ただ、バイトと地元だけの生活だと、世界が狭く、音楽の話の合う人も少ない。

大勢の人がいる大学なら、同じ趣味を持った人と出会う確率も高いのではないか?

そして、そんな趣味の合う人と、音楽を通じて仲良くなったり楽しく過ごせるのではないか、今より。と。

ほとんど将来のことや勉学のことは考えていなかった。

今考えると。

そしてもう一つ大きなきっかけとなったのは、CATVで当時やっていたMTVを見ていて、その当時ジャミロクワイが流行っていて、そのジャミロクワイのalrightという曲のビデオクリップがその頃盛んに流れていた。

そこには、軽快でファンキーなディスコミュージックに乗せてぴょんぴょん飛び跳ねたり歌い踊るジャミロクワイの姿があった。

その姿を見ていたら、世の中にはこんな楽しい世界があるのか、こんな楽しそうな人がいるのか?こんな楽しいことがあるのか?と思った。

自分も楽しみたいと思った。

こうして、私は翌年の4月から復学して、もう一度大学一年生を始めることを決め、親とカウンセラーにその旨を話をした。

つづく

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