ギアファンに「愛すること、愛されること」を教えてもらった

一次創作漫画『ギア・ファンタジア』の連載が始まってから1年と5ヶ月が経つ。
1年ぐらいは何度も迷ったり、筆が止まったりすることもあったが、最近はようやく安定して毎日筆を執り続けている。

「物語を必ず終わらせる」と豪語したものの、最初は、この物語をおしまいまで続けられる自信が全く無かった。
何話描いてもしんどい。そう思うことばかりだった。
応援し、続きを待ってくれる読者の存在がなければ、挫折していた可能性も大いにある。
その節はお世話になりました。

しかし、その中でもだんだん話が進んでくると、エミルたちと過ごす時間がいつしか生活の一部になっていくのを感じた。
「最後まで責任を持って、この子たちの生き様を描くんだ。そのためには自分の見栄やプライドなんて些末なものだ」
と断言してから、それが更に強まったように感じる。

愛することは、何度でも「私はこれを愛する」と覚悟しなおし続けることだ。
愛は受動では無い。能動だ。
愛し方は世界から教わるものだけど、愛することは自分で決断して始めることだ。そう思う。

エミルたちにちゃんと向き合って愛するために、身体の健康を整えるようになった。
身体に優しい食事を心がけるようになった。
毎日、湯船に浸かるようになった。
暇があれば散歩をするようになった。
夜は日が沈むと同時に眠り、夜明けと共に目を覚ますようになった。
仕事やボランティア、友達とのお茶会で、毎日他人と関わる時間を設けるようになった。

エミルたちと同じように、周囲の人間を自分なりの誠実さで愛するようになった。
喜びを分かちあい、悲しみを分かちあい、仲間が道に迷った時は行動や言葉で示せることを示してきた。
得た実りを、仲間とともに分かち合うようになった。
心地よいしがらみを大切にし、身体の健康と共に、心地よいしがらみを自ら増やしていった。

そうして愛を注ぎ続けていくと、しだいに、私の中で何かが変わっていった。
エミルたちが私を見る目が変わった。
「抑圧してくる大人」を見る時の怯えた目では無くなった。
「信頼できる大人」を見る目になっていった。

この先どんなことがあっても、エミルたちはちゃんと最後まで着いてきてくれる。
その確信が私の中に生まれた。

私はエミルたちを愛することで、エミルたちに愛されるようになった。
「愛すること、愛されること」を、エミルたちに教えてもらったのだ。

いつか、物語は必ず終わる。終わらせてみせる。
巣立ちの時は、必ずやってくる。

その時に、笑って手を離せるように。
「頑張れよ。愛してる」と言えるように。
私は、今日も愛を覚えていく。

あなたのお気持ちが、ギア・ファンタジア執筆の原動力になります!