もろこし

一次創作漫画『ギア・ファンタジア』をやってる人です。

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マガジン

  • ギアファンde日常。

    一次創作漫画『ギア・ファンタジア』のキャラクターの視点で、何気ない日常を見てみる日記です。

  • もろこしのくらがりチャレンジ

    「普通の人が普段やらないこと」にチャレンジしてみて、その雑感をレポートした記事をまとめました。

  • ギア・ファンタジア本編

    一次創作漫画『ギア・ファンタジア』の本編です。

  • ギア・ファンタジア設定資料集

    一次創作漫画「ギア・ファンタジア」の設定資料を置く場所です。 巨大な機械の腕を操る少女「エミル」と、アンドロイドの少年「フォー」が、世界一の冒険者を目指す物語です。

  • ナゾロジー記事

    ナゾロジー様に寄稿した記事まとめ。

最近の記事

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「もろこし」と申します。

記事も溜まってきたので、自己紹介noteがあると便利かなと思い、書いてみました。 もろこしってナニモン?「もろこし」とは、生活保護ちょっとはたらくギアファンやってる人のことである。 経歴 東北大学文学部卒業 →町役場で5年間勤務の後、退職 →2年間フリーランスやったりバイトしたり。この辺りから人と積極的に会い始める →働けなくなり生活保護受給 →障害者手帳を取得し、A型事業所勤務に →2年間でメキメキ健康になり、友達もたくさんでき、人生が確変に入る👈イマココ! 人気n

    • ギアファンde日常。「バックスの散歩」

      バックスの散歩 今日は、頭がやけにチクチクと痛む。 フォーが来てからというもの、こいつの経過観察と国への報告が業務として増え、俺は国のお偉いさんの指導のもと、苦手な書類仕事としばしば格闘する羽目になっていた。 書類仕事、特に国が絡む分野の書類をまとめる作業は骨が折れる。 決められた形式がやたら多く、文章もよく言えば格調高い、悪く言えば堅苦しい文体で読んでいて頭痛がする。 国のお偉いさんは、よく毎日こんなものに目を通して平気でいられるもんだ。 大きな溜息をつき、ボリボリと

      • ギアファンde日常。「エドガーと蒲公英」

        エドガーと蒲公英 「あ、たんぽぽの綿毛!」 エミルの弾んだ声。 つられて「お?」と足を止める。 見ると、煉瓦の隙間から、ふわふわした球体がにょきっと生えている。 「おー、ホントだ」 「懐かしいなぁ〜。子供の頃、よく綿毛を飛ばして遊んでたなぁ」 そう言って、エミルの細い指がぽきりとたんぽぽの茎を折る。 エミルが唇に綿毛を近づけ、ふうっと息を吹きかける。 吐息にあおられた綿毛がたんぽぽを離れ、ふわりと宙を舞う。 飛んでいく綿毛の中に、誰かの笑い声が聞こえる。 エミルのそ

        • ギアファンde日常。『エミルと雨の日の朝』

          エミルと雨の日の朝 ぱちり、と目を開ける。 窓ガラスから見える空を見ると、うっすらと灰色がかった色をしている。 耳を澄ますと、さあさあと雨がギルドの壁を打つ音がする。 今日の天気は雨らしい。 そういえば、布団の外に出ている顔は、ちょっぴり肌寒い。 「うーん…」 ごろん、と寝返りを打つ。 今日は、やけに意識がハッキリしない。 今日の気分は、厚い雲に覆われた空のように灰色だ。 こういう雨の日の朝は、どうしてもスッキリと起床できない。 あと5分、と頭の中で声がする。 そうだ

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        記事

          ギアファンde日常。「ナワーブと靴の中の小石」

          ナワーブと靴の中の小石 エドガーと他愛ない会話をしながら、ギルドの庭を散歩していた時。 ふと、足の裏に違和感を覚えて立ち止まる。 チクリと刺すような軽い痛み。それと、ゴロリとした異物感。 靴の中に小石が入ってしまったようだ。 普段の長いブーツは洗って乾燥させている最中で、今日は短めの靴を履いている。 そのせいで、歩いた拍子に小石でも入ってしまったのだろう。 我慢して歩こうかと思ったが、どうも気になって仕方ない。 エドガー以外、周囲に誰もいないことを確認する。 「エドガー

          ギアファンde日常。「ナワーブと靴の中の小石」

          ギアファンde日常。「アートゥロと帰り道」

          アートゥロと帰り道 夜の闇の中に眩しく浮かび上がる、街の灯。 その光に包まれながら、俺たちは帰路についていた。 「ちくしょぉ〜、フォーのやつ、今日もエミルにべったりでよぉ〜!」 夜でも分かるぐらいに真っ赤な顔をしたバックスが、エドガーとナワーブに両肩を預けながら歩いている。 「団長ォ、その話、飲み屋でもさんざん聞きましたよォ」 バックスと同じくらいに赤ら顔をしたエドガーは、しかし意外にしっかりした足取りでバックスを支えている。 …あ、いや、そうでもないな。ちょっとよろけ

          ギアファンde日常。「アートゥロと帰り道」

          ギアファンde日常。「エインズワースと強風」

          エインズワースと強風 いや、風、つよっっっ! 外に出て、真っ先に脳裏に浮かんだのはその一言だった。 昔から「春一番」という言葉があるように、冬から春になっていくこの季節は、強風になりやすくもある。 しかしながら、今日の風はいくらなんでも強すぎる。 仕事の関係で外に出たはいいが、今すぐにでもギルドに引き返したくなる。 油断したら飛ばされてしまいそうだ。 身体に当たる風は百歩譲って許すとして、問題は、音。 ビョウ、と空を切るような音がひっきりなしに響く。 この騒音が、俺に

          ギアファンde日常。「エインズワースと強風」

          ギア・ファンタジア第17話「決死の逃亡」

          ギア・ファンタジア第17話「決死の逃亡」

          ギアファンde日常。「フラジィルと掃除」

          フラジィルと掃除 いけない。 私(わたくし)はそう直感した。 集中が途切れ途切れになっているのを感じる。 机に座り続けて、ずっと作業をしていると、どうしてもこういう瞬間が訪れる。 ふぅ、と深呼吸する。 このまま作業を続けていても進捗は出ないでしょう。 仕方ありませんわね。 そう考え、席を立つ。 給湯室に入り、布巾を手に取る。 少し水で濡らしたそれを持って給湯室を出て、机の上を拭く。 やがて、自分の机が拭き上がると、今度は空いている机。 グウィンドリン教授の邪魔をしな

          ギアファンde日常。「フラジィルと掃除」

          ギアファンde日常。「ロビンとツツジ」

          ロビンとツツジ 「あれ。こんな花、ここにあったっけ」 それはよく晴れた日の朝、家の庭を掃除していた時の出来事。 家の庭に、見慣れない鉢植えがあることに気がついたのだ。 箒を持った手を止め、しげしげと花を眺める。 「ああ、それはお隣さんから頂いたツツジじゃよ」 一緒に掃除をしていたじいちゃんが答える。 「ツツジ?」 「ばあさんがこの花を気に入ってな。苗木を1本分けてもらったんじゃ。見事に咲いたのう」 そう言ってニコニコしているじいちゃん。 慎ましやかな桃色の、5枚の長い花

          ギアファンde日常。「ロビンとツツジ」

          ギアファンde日常。「グウィンドリンと割れた小瓶」

          グウィンドリンと割れた小瓶 パリン。 研究室の中に響く、甲高い音。 思いがけず聞こえてきた音に振り向くと、フラジィルがしまったという表情で床を見つめていた。 「教授、ごめんなさい!割ってしまいました…」 謝罪の言葉はだんだんと尻すぼみになっていく。 すぐさま、フラジィルの様子を伺う。 痛がったり、気分が悪くなったりしている様子はなさそうだ。 小瓶の中身は…午後の実験に使う予定だった薬液か。なら劇物ではない。 ひとまず、内心でホッと胸を撫で下ろす。 「怪我はないかね?

          ギアファンde日常。「グウィンドリンと割れた小瓶」

          ギアファンde日常。「グスタフと露天風呂」

          グスタフと露天風呂 しんしんと山に積もる雪。 それを見ながら、わしは静かに湯に全身を沈めている。 鍛治の仕事は体力を使う仕事だ。 炎の中でじっくりと焼かれた鉄を、繊細な力加減で打つ。 少しでも火加減、力加減を間違えれば、作品の質はがらりと変わってしまう。 そうした、力と集中のバランスを取り続ける仕事を続けていると、さすがのドワーフであっても身体に疲労が溜まる。 その疲れを癒すため、モンス王国には火山のマグマで湧き水を沸かした温泉があちこちに存在する。 今日は、週に一度

          ギアファンde日常。「グスタフと露天風呂」

          ギアファンde日常。『ベルフラウと梅の実』

          ベルフラウと梅の実 「あ、見つけたわ」 そう呟く、私の声は心なしか弾んでいた。 葉っぱひとつ無い裸の木の枝に、ちょこんと付いている果実。 枝に付いている方は紅色、そこから黄緑色へのグラデーションが可愛らしい。 ひいおじいさまの代にお庭に植えたらしいこの木は、梅という木らしい。 雪が解ける頃に白く甘い香りの花を咲かせ、春の訪れを告げる木。 お父様はよく、梅の花の下に幼い私を連れてきてくれた。 「親父も毎年、ここに俺を連れてきてくれたんだぜ」 と、懐かしさを含んだ笑みを口

          ギアファンde日常。『ベルフラウと梅の実』

          ギアファンde日常。「カルロと静寂」

          カルロと静寂 仕事がひと段落ついた昼下がり。 俺は使い慣れた椅子に腰掛けて、しずかに目を閉じていた。 開け放した窓から入ってきたそよ風が、頬をそっと撫でる。 庭の木々のざわめく音がする。 とおくで鳥のさえずりが聴こえる。 さっき淹れたばかりのコーヒーが、部屋の中にほのかに香る。 ふぅ、と長いため息をつく。 宝石の研磨は集中を要する仕事だ。 神経が一点に凝縮し、張り詰めていくあの感覚。 神は細部に宿ると言うが、目と指先に神を降ろすようなあの繊細な時間の後には、こうした

          ギアファンde日常。「カルロと静寂」

          ギアファンに「愛すること、愛されること」を教えてもらった

          一次創作漫画『ギア・ファンタジア』の連載が始まってから1年と5ヶ月が経つ。 1年ぐらいは何度も迷ったり、筆が止まったりすることもあったが、最近はようやく安定して毎日筆を執り続けている。 「物語を必ず終わらせる」と豪語したものの、最初は、この物語をおしまいまで続けられる自信が全く無かった。 何話描いてもしんどい。そう思うことばかりだった。 応援し、続きを待ってくれる読者の存在がなければ、挫折していた可能性も大いにある。 その節はお世話になりました。 しかし、その中でもだんだ

          ギアファンに「愛すること、愛されること」を教えてもらった

          ギアファンde日常。「マグノリアと朝焼け」

          マグノリアと朝焼け 目を覚ますと、窓の向こうの空は淡い青から桃色のグラデーションになって輝いていた。 隣で眠っている彼を見つめる。 規則正しい寝息と、それに合わせてわずかに上下する身体。 それを見ていると、たまらなく切ないような、愛おしいような気持ちになる。 ああ、この人は今日も、生きている。 そっと両手の指を重ね合わせ、静かに祈りを捧げる。 今日も一日、誰かが傷つくようなことが起こりませんように。 一日でも長く、この人と一緒にいられますように。 やがて真っ白な太陽

          ギアファンde日常。「マグノリアと朝焼け」