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【退職交渉してみた】ブラック企業のやりがい搾取が行き着く先は?前編

こんばんは、6年勤めたITベンチャーを退職し、次の会社勤務までの1ヶ月を「大人の夏休み」と称して過ごしているもろちゃうです。
どこかで今までの6年間を振り返った退職エントリ書きたいなーとはおもっていたものの、苦手な退職交渉に、まったく更新してなかったnoteを開いて更新することすらハードルを感じて進んでませんでした。
今回重い腰を上げて書こうかなとおもったのも、この本を読んだおかげです。
上西充子著・『呪いの言葉の解きかた

もともとね、前職の会社に呪いが蔓延していることには気づいていたんですよ。なんだろう、呪いというと物騒だけれども、他の方に伝える場合「搾取」っていうとしっくりくるんだろうか。逃げ恥でも「やりがい搾取」って言葉が出てきたりとか、そのほうが身近かな。
だけどじぶんが動く労を惜しんだり、状況を変えるための転職活動をしてみようとはするのだけど、上手くいかずにもがいたりしていて。じぶんで呪いを解いて辞めるまでに随分と時間がかかってしまいました。

大前提として、わたしは元いた会社で出会った一部の人達、そして様々な仕事を通して「仕事に熱中する楽しさ」を体感できたことに関しては、とても感謝しています。
ただ、今回そことは完全に切り離して、「ブラック企業のやりがい搾取」という側面から振り返ってみようとおもいました。感情は外して事実ベースで、まずはどんな搾取があったのか一例を挙げてみます。

ブラック企業の搾取一例(もろちゃうの場合)

  • 【やりがい搾取・賃金未払い】ほぼ毎朝開催される勉強会への参加や、昼休憩で社員と交流した回数が秘密裏にカウントされており、評価に影響している。にもかかわらず、「あくまで自主的なもの」と位置づけられ、そこにかけた時間に対して従業員への賃金は発生しない。

  • 【休日出勤の賃金未払い】「目標達成」こそがすべてで、休日出勤や労働しても勤怠申請すらさせてもらえない。

  • 【パワハラ】「今月目標達成ができなければ、チーム責任として来月は週6勤務」というお達しが下っていたりした。そのため月末日曜22時まで休日出勤させられていた(私が抜けたチームでの話)。

  • 【有給未消化】じぶんの有給がどれだけ消化されているかが可視化されておらず、逐一人事に聞かなければ分からない。そして消化は毎年、2~3日程度だった。

  • 【団結権が守られない】形骸化した労働組合のトップには、経営層の息の根がかかった中間管理職を起用し、団結権も行使できないように見せかけている。直属の上司に異議申立てをしようとする個人は、「成果も出してないのにじぶんの権利を主張する厄介な部下」のように見られてしまう。

こういった呪いから身を守ったり異議申し立てするためにも、労働法を知っておいたり、労働基準監督署に相談するための証拠集めしたりとか、ひつようなんだよなー。

労働基準法 該当箇所の一例(もろちゃうの場合)

【労働基準法第37条】 
使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

【労働基準法第39条第7項】
使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇(これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者い係るものに限る。以下この項及び次項において同じ。)の日数のうち五日については、基準日から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。

転職活動を終えて新たな選択肢を得たことで、わたしは今の働き方にNO!と言おう、じぶんにとって極力優位な条件を引き出せるように退職交渉しよう!と思えるようになりました。
経営層にとって都合の悪いところは巧妙に隠され、「挑戦」「圧倒的成長」「ベンチャーという生き方」というようなワードを使って、無償労働を焚きつけ賃金を払わず搾取されている。
そんな、これまで気づいてたけど見ないようにしていた現実を、「違う会社で働く」というカードを持ったことで、ようやく認めることができるようになりました。

ブルブル退職交渉してみたら

パワハラ課長は笑った

上半期がおわった翌月、直属上司(ここではパワハラ課長とします)との1on1で上半期の振り返りを行いました。(ここで転職意思を告げるぞ・・!)と緊張し、胃が痛かったです。なんとか上半期の個人目標も達成したため、終始和やかな雰囲気。下半期はどうしていこうか?という話になり、「下半期は・・もうこの会社にいないです。」と切り出しました。するとパワハラ課長は、フッ・・と笑ったのです。

驚かれるか、冷静に諭されたりするのだろうと想像していた人間の顔に、冷酷な笑いが生まれる瞬間って、なかなかに恐ろしいですよ。
初めて社内の人間に打ち明けたので、私の退職意思は事前に分からなかったはず。やっぱりなという意味ではなく、こいつもついに来たかー!という動揺を悟られないようにするための防御の笑いだったのかもしれません。
一度退職希望の旨は預かり、上に相談してまた報告する、となりました。

恩人次長への宣戦布告

パワハラ課長の上には、私が社内でも一番慕っていた恩人次長がいました。この方がいたので、こんなブラック企業でもなんとか6年続けられていたのだとおもいます。
恩人次長にも連絡を入れ、自分の言葉で説明したいので、と時間を取ってもらうようにしました。

どうせグリップされる(退職しないよう交渉が入る)ことは分かっていました。その相手にはきっとパワハラ課長ではなく恩人次長が出てくるであろうことも。
だからこそ、以下3点をじぶんに言い聞かせていたのです。「相手のペースに乗らず、じぶんで交渉機会をつくること」、「いくら恩人次長であっても今回は利害関係が対立していること」、そして「感情に流されて余計な譲歩を口にしないこと」。

次回は恩人次長との決戦と、対戦結果、そしてブラック企業のやりがい搾取が行き着く先についてを書いていきます!お楽しみに(?)!
ではでは〜

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