見出し画像

もろもろ調査旅 山口県編① 〜竹を知る~


こんにちは!


『暮らしの研究所』もろもろです。
(お久しぶりでございます)
私たちは暮らしの中の「実は大切なこと」を掘り下げ、国内のモノコトを紹介する場所を運営しています。

長い期間投稿をあげれなかったのですが色々飛び回ったり活動していた中でお伝えしたい情報が溜まってきたので重いお尻を叩いてまたゆるりと投稿したいと思います笑

3月末に、もろもろの取り扱い商品でもあり、
私たちも日々の洗濯で実際に愛用している
竹炭・灰・湧き水 だけでできた液体洗剤「バンブークリア」を作っている
エシカルバンブー株式会社の工場見学を目的に山口県へ訪れ様々なことを体感してきました。

3泊という限られた時間でしたが
自給自足暮らしのお宅に滞在させてもらいながら
普段都会で生活していては分からなかった事や知らなかった事、
事実として知ってはいたけど実際に来てみて分かった事が数えきれないほどありました。
なかなか来られないこそ自分たちの趣味の時間(野草探しなど)も盛り込みながらありがたいご縁から大充実な旅となりました。
私たちだけで留めておくのはもったいほどの時間だったので何回かにわたり山口県で出会った素敵なヒト・モノ・コトをご紹介していけたらと思います。

🐰🐨お茶を片手にゆるゆると。どうぞお付き合いください~💓

そもそも。
タイトルにもありますが、何故 竹??
と思われた方もいるかもしれません。
竹ってあの竹??そうです、おいしい春の味覚タケノコの竹です。

今、特に西日本では竹が生えすぎて森が荒れてしまったり整備が出来ずに放置されてしまい困りごとになってしまっている現状があるのです。

🐨京都の嵐山とかの整備された綺麗な竹林は観光スポットになっているけど、、、

何故このようなことになっているのか簡単に整理してみると

  • かつて日本人は竹を有用な植物として身近な日用品などに利用していたが、時代と共に使われなくなり余るようになった

  • 竹林の持ち主が高齢化し管理しきれず放置されてしまい荒れてしまっている(地下茎で繁殖し家屋を突き破るほどのパワーがあるので荒れると大変)

  • 荒れた竹林にある枯れた竹は容易に土に還らない特性によってそのまま残り動物の住みかとなり猪などが住みつく(害獣という言葉があります)

  • 杉、檜などは建築木材に活用できるが竹を大量に利用する方法が少ない

バイオマスエネルギーなどに活用してみては?と思うところだけど
竹は燃焼時間が短いので使用量が多く枯渇してしまうので継続的に循環させるには向いていないそう。なかなか活用方法ありませんでした。

🐨土壌改良のために竹炭を撒くとか、浄水に使うとかは前からあるけど竹の成長の早さを考えると膨大な量を使わないとなかなかそれだけでは出口活用としては難しいよねぇ

竹の繁殖力は驚くほど早く増えすぎてしまい上記のような【竹害】と言われてしまっている現状があります。

ここに注目し【竹害】を【竹財】として整備しながら利活用、日用品を中心とした製品に変える事業をされているのが冒頭にあったエシカルバンブーさんなのです。
(製品の特長などは~工場見学編~にご紹介しますね!)

竹の整備から製品化までを一貫して行い、
社名に「エシカル」とついているように
生産過程で人工的な化学薬品は使用しない、排水基準も徹底されていて、竹を余すことなく使うゴミを出さないオールカスケードの考えでモノづくりをされています。

🐨伐採からやってるんだよ~!(社長さんもチェンソー使い!)まさかそこからやってるとは思わなかったよね。業者に頼んでるかと。
🐰製造過程の炭焼きの工程も、地元のおじいちゃんに一緒に働いてもらって技術を継承してるんだよね!地域に根ざすってこういうことだよね。

更には竹の研究、竹をもっと知ってもらう場所として竹の総合施設『竹ラボ』も運営。
子どもの減少によって廃校になってしまった中学校の跡地を『竹ラボ』に有効活用されていてそこにも無駄にはしないモノづくりをする企業の在り方を感じます。施設内には竹を使った手作りの室外機カバーなどもあったのが印象的でした。

案内してくれた宮崎さんお手製


今回私たちも『竹ラボ』にて竹の歴史、種類、分布や成長のしくみ、竹製品についてなどなどたっぷり説明をしていただきました。(事前予約制です)
館内の写真はSNSでシェアは出来ないのですが、もろもろの疑問や細かい質問にもすぐ回答してくれる山口県の森と竹のエキスパート宮崎さんにはすっかりお世話になりました。帰るころにはこれは孟宗竹だ!真竹だ!なんて見わけもできるように(笑)

🐨所要時間30分の予定が夢中で2時間近くいたよね笑
興味深い話だと、竹の花は60年~120年に一度咲く?と言われる位、幻の花なんだけど、咲くとその一帯の竹が枯れるという不思議な現象があるんだよね。
🐰1960年代に各地で竹林が枯れた事例があるから周期的に竹の花がそろそろ咲く頃なのかな?!
🐨そして奇妙なのが竹の花からできた種からは芽が出ないそう。。研究はされてるけど未だ謎らしい。なんかミステリアスな雰囲気もありますね。竹取物語のお話もあるし、竹の不思議な魅力に引き込まれそうです。

『竹ラボ』ではワークショップやイベントなども行っていて
気軽に竹について知ることができるので是非足を運んで竹の魅力を体感してみてくださいね~!! 

かつて暮らしになじんでいた竹製品も多数展示されていて
手しごとの繊細さ、道具としての芸術的な美しさに歓声をあげる私たち。
丈夫でしなる竹の特性を活かした手作りの竹かごやざるは唯一無二。オリジナリティがあってかっこよく、暮らしの道具として日本の素晴らしいモノづくりを再認識しました。
今ではつくり手さんも高齢化により減っている(ほぼいない)そうで。
それもそのはず、貴重さから高額で憧れの道具になっていますよね。
もしかしたら古道具屋さんや祖父母の家に眠っているかも?!
今ある貴重な竹の道具を大事に引き継ぎながら古きよきものを大事に暮らしに取り入れたら素敵だなぁと思いました。

持ち手にも心奪われました…

🐰🐨地域の方が昔ながらの油抜きの技法で下処理して作ったという美しい竹籠を買ってにんまり♪もろもろイベントで愛用したいと思います!(竹籠片手に新幹線乗るのも斬新でおしゃれだったよね笑)

そして。
【竹害】と言われる現状について思うこともあります。
今、竹害として繁殖して大変になっているのは『孟宗竹もうそうちく
中国が原産ですが、昔は竹炭やタケノコをとるために暮らしに必要で昔の人たちが植えたもの。行政による竹林振興事業もあり、各地で育成されました。
しかし伝統的な炭焼きの技術が海外に流れてコストも安く作るので、日本国内で流通している炭はほぼ輸入になり次第に炭窯も激減。
いまや食べるタケノコもほぼ中国産。
(タケノコも昭和50年代くらいまで農山村の収入源になっていたが、タケノコ景気に目を付けた商社などが中国での技術指導を徹底されたそう。。)
さらに生活環境も変わり、ガスや電気になり、便利なプラスチック製品などを使うようになり、国内の竹の需要は更に減る。しかし残された竹は増え続ける。
高齢化も進み整備する手も足りない。。
木より成長が早い竹に押しやられて森林が育たなくなる・・・
🐰🐨うわあああ。負のスパイラルがすごいね。。

これらが相まった今の状態が【竹害】と言われている・・・
結末だけみると【害】とつくのは、その通り。
その通りなのだけど、ここまで読んでくださった優しい皆様ならもう感じてくださってるかもしれませんが

竹は昔から私たちの暮らしに寄り添ってくれていた。
変わったのは私たちの環境や感覚で、竹は変わらず生存してるだけ。
簡単に悪者にしてしまうのも何か違うなぁと感じたのです。

そんな竹の背景を学び、午後からはついに工場見学です。

移動の途中、瀬戸内海を眺めながらお昼ごはん。
地のものをいただくのも楽しみにしていました^^

もろもろ調査旅 山口県編②につづく✍️

🐰🐨読んで下さりありがとうございましたー!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?