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劇的な成功につながる手段は、いつだってそこにある

どういうことだ? なぜ日本から?

2014年。世界的なコーポレート・ロゴデザイナーのロブ・ジャノフ氏の元に、とある日本企業からメールが届きました。

彼が駆け出しの頃に、まだ創業1年の小さな会社だったAppleのロゴをジョブズ氏から依頼されデザインしてから、40年近くが経とうとしていた時です。

日本なんて行ったこともなければ、仕事で関わったこともありません。

予想外の送り主に興味をそそられたジャノフ氏は、メールに目を通すことにしました。内容は概ね次のとおり。

いずれ世界中で愛されるサービスを作る会社になるつもりです。だから、ぜひともあなたにロゴを描いてほしい。大金を支払うことは難しいですが、日本で最高のおもてなしをさせていただきます。

ジャノフは笑った。どこの国にも、いつの時代も、愉快なチャレンジャーがいるもんだ。

彼は、その会社のロゴ作成を快く引き受けることにしました。

こうしてできたのが、私が執行役員を務めるCROOZのロゴです。引き受けてもらえた時は、大喜びでした。

さて。
この嘘みたいな話が実現した秘訣は、何だったのか。
それは、社長の「頼んじゃえばいい」の一言でした。

詳しくは次章からになりますが、とにかく、
今日僕がお伝えしたいことはたった一つ。

「起業家は、理想を描き、実現に貪欲であれ。理想へ続く道は必ずある」ということです。

僕が10年CROOZに務める中で、目の当たりにしてきた実話とともにお伝えしたいと思います。

<未来の姿を現状から発想しない>

ジャノフ氏にロゴを依頼する少し前、僕と社長はサウナであれこれ会社の未来について話をしていました。

その中で、「なぁ、諸戸。そろそろ、世界を獲りにいくのにふさわしいロゴが欲しいな」って話が出たんです。

僕は「そうっすね」と答えつつ、頭の中で、日本を代表するデザイナーの顔を検索。あの人ならこの知り合いを経由すれば頼めるかな、などと考えていました。

で、浮かんだ人の名前を社長に伝えたんです。
「〇〇さんとかどうですかね」

そしたら、社長「世界を獲りに行くんだから、世界的に有名な、例えばAppleとかGoogleのロゴをデザインした人を見つけ出して頼んでみよう」と言い出す。

で、そこからはものの数時間で、連絡をしちゃいます。

なんのコネもありませんから、まずはネットで検索して探しまくる。そうしたらジャノフ氏の事務所が見つかって「よし、英語のできる新卒にメールを書いてもらおう」という流れになったのです。

あぁ、これが起業家だなって僕は当時思いました。

当時の僕が“現状はこうだから、こうやるのが無難かな”と考えていたのとは違い、社長は“こうなったら最高だな、それってどうしたらできるんだろう?”と考えていたのです。

教訓。

最高の未来から発想し、実現の手を探すこと。

<なんとか前進させようという力>

こうなったら最高だな、それってどうしたらできるんだろう?

という順序で考え、すぐ実現に向かって動き、実現まで貪欲に突き進む起業家がもし2人揃ったらどうなるか。

さっきのロゴの話は印象的ですが、もっと最近の話をしたいと思います。

とある店舗の内装工事の下見に、CROOZ社長の小渕とアドウェイズ会長の岡村さんと内装業者とで行ったときのことです。

ここでちょっと紹介しておくと。

アドウェイズの岡村さんといえば、最終学歴は中卒で、26歳のときに、当時最年少での上場を果たし、今や1,000名を超える従業員を抱える会社の会長。小渕さんや僕とはけっこう長い付き合い。長渕剛を愛する熱い男です。

さて、一向は、オープンの候補となっている建物に到着。

中に入って、内部を一通り見てから、内装業者の方が「〇〇がこうなっているからムリですね」と2人に次々指摘してくれます。豊富な経験や法的な問題など、いろいろ踏まえてのことでしょう。真摯な仕事ぶりです。

しかし、2人は納得しない。

内装業者「この大きさの椅子を上まで運んでいくには機械が入らないから無理ですね」と言われると、

岡村さん「だったら自分が担いで上まで運んでいくから大丈夫っす」

小渕さん「いやいや、筋肉だったら俺のほうが自信あるんでだったら俺が持っていきます」とその後何度も応酬w

続いて、内装業者「17センチ床を上げるので、高さが足りないですね。社長(小渕さん)の身長だと、これ頭ついちゃいますよ 」と言われると、

岡村さん「いや、大丈夫っす。小渕さんと天井の間は、目測25cm。なんで、17cm上がっちゃっても大丈夫っす」って瞬間的に判断。実際測ったら25cmで、クリア。

続いて続いて、「この大きさだと6kwは必要ですが、このビルのワット数だと4kwしか割り当てられないから無理です」と言われれば

岡村さん「いや、大丈夫っす。うちのとこでは4kwで全然大丈夫でした。知り合いのお店でも4kwで難なくだったんで、大丈夫っす」と返す。

「空調が弱すぎて…」
岡村さん「いや、大丈夫っす。うちは霧ヶ峰で行けてるんで、このあと自分がビックカメラ行って買ってきますよ」

こんな感じの応酬が十数回も続き、ことごとく2人が「できる」にひっくり返していく。気持ちよかったですね。

教訓。

できない理由を、どうやったらできるかに変換すること。

<提案しちゃえばいいんだよ>

最後にもうひとつだけエピソードを紹介して、まとめに入ります。

今度は、今から10年ほど前、
ゲーム事業に乗り出そうとしていたときの話です。

みんなが熱狂できる、面白くて、かっこいいゲームを作りたい。これが理想でした。そのために、超がつく人気アニメの版権が欲しい、となった。

でも、まだまだうちもベンチャーです。

こんな規模の会社が、アニメの版権を持っている絶大なパワーのテレビ局と一体どうやって一緒に仕事をするのか。

それに対してうちのとある役員が
「行っちゃえばいいんすよ。とにかく提案してきます」

というわけで、日テレに電話して、上層におられる方と繋いでもらって、なんと、本当に業務提携が決まります。

もちろん、めちゃくちゃ準備して、乗らない方が損じゃないかと思わせるような提案をしたことで実現に漕ぎ着けました。

こうしてできたのが、こちらのゲーム。
遊んだことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。

教訓。

繋がりがなくても、諦めなくていい。
乗らないのが損な提案をして、頼んでみたらいい。

<知性は最高の目的を持つ者に宿る>

ロゴの話と、内装業者との会話と、ゲーム事業の話。

3つの話題に共通するのは、最高の未来から発想し、できるという前提で、どうしたらできるのかを考え抜く姿勢です。

できる前提でと言いましたが、実際、理想へ続く糸口はいつだって目の前にあるのです。

もしあなたが、最高にカッコいいリーダーでありたいなら、“現状的にこれくらいなら行けるかな”と考えて決めた未来を目指してはいけません。

とんでもない理想を思い描くこと。
その実現に貪欲であり続けること。

これができて始めて、驚きのある成果が得られるし、
人が巻き込まれたくなる物語が生まれます。

それだけではありません。
そこには、枠を超えたずば抜けた知性の働きが生まれます。

「いつの時代も、最も壮大な目的を追い求めた人たちが、最も優れた知性を手に入れている」

とは、19・20世紀アメリカを代表する哲学者ウィリアム・ジェームズの言葉です。

<今回のワーク>

毎回恒例の、
テーマに合致した若手起業家向けのワークです。

これらは、内容を体験的に理解してもらうための実践的なものです。ぜひ、いくつかでもチャレンジしてみてください。

・「何の制約もなく、なんでもできてしまうとしたら、どんなサービスや商品を世の中に生み出したいか?」を思いつく限り考える
・壁にぶつかったら、ギリギリまで「絶対できるはずなんだけど、方法がわからない。どうしたらできるんだろう?」という姿勢で考える

それでは、また次回お会いしましょう!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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