肩透かしと不思議な乱数 - Misread Footnotes .01

(Misread Footnotes は、Misreading Chat のおまけ記事を書いてみる試みです。気が向いたら続けます。飽きたらやめます。)

今週は向井が Federated Learning 応用編、森田が MCMC の入門について話しました。それぞれが前回からの続き物です(向井前回森田前回) が、前回を聞いてなくても特に支障ありません。

Federated Learning はプライバシーの文脈で引き合いに出されることが多いですが、アカデミックな文脈では分散学習の効率や堅牢性に強い関心が置かれているのは肩透かしながら発見でした。プライバシーと機械学習の文脈だと、数年前に Apple が Differential Privacy について話していたのを思い出します。その後どうなったのでしょうね。(論文読めという話かもしれない。)

MCMC は付け焼き刃への反省に付け焼き刃で立ち向かうというまったく反省する気のない行動を取ってしまいましたが人生そういうものです。技術的ではない読み物として、Metropolis 自身が 1987 年に書いた The Beginning of the Monte Carlo Method は楽しいカジュアル読み物でした。Von Neumann のような歴史上の人物がしれっと登場します。もう一人の登場人物 Stan Ulam は、ベイズ分析用のパッケージの名前となりました。

リンク紹介

Misreading Chat で扱ってきた話題に関係ありそうなリンクを紹介します。

ひとつめ。論文を読んだ限りでは実験段階の Federated Learning ですが、なぜか TensorFlow のライブラリになっているそうです。大丈夫なのか。

つぎは Episode 62 で紹介した Erlang の歴史に関連して、Erlang のここ十年を振り返ったベテラン開発者のブログ記事です。

この記事の著者が書いた本があると Twitter で教えてもらいました。「すごいErlangゆかいに学ぼう!」というタイトルで邦訳されているそうです。最新作の 「Erlang In Anger」は無料で配布されています。

さいごは Episode 63 で向井が紹介した Algebraic Effect を JavaScript で説明する記事です。

お手紙紹介

オンラインでいただいたフィードバックなどを紹介します。

週末レイトレーシング」はパストレーシングの本ではないですが、著者の Peter Shirley はパストレーシングで重要な論文を書いた実績ある研究者で、Ray Tracing Gems という限りなくニッチな新刊にも寄稿しています。

それにしても Ruby でレイトレ、実行終わるんでしょうか(※静的型言語勢によるマウント発言)。

ではまた次回。

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