2024.2.24 新日本プロレス THE NEW BEGINNING in SAPPORO 北海きたえーる2連戦2日目 試合雑感

2連戦というのもあってG1以来の連続投稿となりました。この日はリアタイ視聴できなかったせいかTL含めて周囲の試合に対するリアクションがわからず、自身の感想自体もこのnoteが初出しとなります。ズレたこと書いちゃったらどうしようというドキドキ感がありつつも、たまにはこういうのも面白いですね。ではでは、いつも通り気になった試合を中心に、前置きもこのぐらいにしてやっていきましょう。

️ ◾️ 第2試合 20分1本勝負
オカダ&石井&後藤&矢野&YOSHI-HASHI
vs
オーカーン&アキラ&マット・リドル&ジェフ・コブ&カラム・ニューマン

浸る感傷と溢れ出す慟哭はとうに過ぎ去り、残るのは惜しみない感謝の念と惜別の想いのみ。オカダのラストツアーもいよいよこの試合を持って最後となってしまいました。怪我の功名、と言ってしまえば失礼に当たりますが、棚橋弘至の負傷によるカード変更は実況の言葉を借りるならまさに「棚ボタ」であり、オカダの正真正銘最後の試合はCHAOSフルメンバーでのタッグ戦となりましたね。こうしたあたり、オカダも棚橋も「持って」るなと思ってしまいましたよ。

試合自体は新日本プロレスの地方興行でありがちなオーソドックスな10人タッグ。それでもオカダvsマット・リドルの邂逅や、CHAOSメンバーでの太鼓の乱れ打ち。オカダの連続ドロップキックによる大立ち回りなどの見どころは沢山あり、その全てが爽やかさと晴れやかさに満ち溢れていましたね。CHAOSは結成当初と比較すると武闘派だった側面はやや薄れ、本隊の別動隊のような感じに落ち着きはしたのですが、こうしてみると新日の全ユニットの中では最もスポーツライクかつ大人の部活という感じがあります。前回が、涙、涙、の卒業式なら、さしずめ昨日と今日は部活仲間との打ち上げに似ており、オカダの顔は寂しさを引きずりながらも至って晴れやかな笑顔で終わったのがとても良かったですね。最後はCHAOSメンバー全員とのハグから、後藤とYOSHI-HASHIと肩を組んでの退場。退場のときに観客の声に対して「ありがとー!」と叫んでいたのが印象的で、去るその時までキング・オブ・スポーツを体現していたなと感じ入ってしまいました。

最後だからこその特別感やサプライズ。それこそ次世代に託すためのオカダの敗北等を期待した人も多いかもしれず、何度も「終わり」を繰り返したことによるクドさを感じた人もいるかもしれません。でも節目となる一戦はすでに終わっているからこそ、最後はいつも通りの「日常」で終わる。明らかに別格であった超人・オカダだったからこそ、最後は至って普通のありふれた人の営みの中で新日最後の戦いに幕を下ろすというのが逆に仰々しくなくて素晴らしかったと思います。何度も書きはしましたが、何度書いても書き足りません。オカダ・カズチカ選手、本当にお疲れ様でした。新天地での活躍を今はただ祈るばかりです。

◾️ 第5試合 30分1本勝負
BUSHI vs TAKAみちのく

全面対抗戦の幕開けに相応しい試合であり、色々言われてはいますしイメージは悪いのですが、やはりTAKAみちのくは上手いですね。基礎に徹底的に忠実であり、オーソドックスな基本技のみでBUSHIをキリキリ舞いさせるそれはまさに歴戦のキャリアの為せる技です。

ヘッドロックからの首投げ。そこからのクルックヘッドシザースに行く動き一つ取っても、一瞬ニーオンザベリーでBUSHIのコントロールを奪ってしっかり次の技に入っていますし、首投げからのヘッドシザースを印象付けつつ反転してジャストフェイスロックで揺さぶりをかける。TAKAみちのくの試合は非常にロジカルかつ削ぎ落とされており、振り返ってみても、スーパーK、ジャストフェイスロックとそこからのバリエーションであるディックキラー、そしてみちのくドライバーⅡの三つ以外は変に色気を見せず、全部基礎の技のみで組み立てているんですよね。

BUSHIはかなり苦戦を強いられましたが、ガラスの膝であるTAKAの脚に的を絞っての低空ドロップキックに活路を見出します。こうした一方的かつねちっこい攻めを見せられると、期待されるのは逆転のカタルシスであり、それだと堅実な技の多いBUSHIはやや印象負けするかな?と思わされたのですが、ここで足攻めの変奏を見せたのは流石ですよ。

決めの場面で見せたのは、一度は防がれたMXをフェイントに使っての低空ミサイルキック。この「ズラし」には思わず膝を打ちましたよ。膝だけに。この一撃が決め手となりTAKAの足を完全に破壊すると、足を4の字のように組んでの変形膝固めで殊勲のタップアウト勝ち。あまり見せませんがBUSHIは元々ジャベにはかなり定評があり、この膝固めも昨年のBOSJでフランシスコ・アキラからタップを奪った隠し技の一つでもあるのです。BUSHIもベテランの域へと差し掛かっているのもあって、この技はかなりの味わい深さを感じました。このタイプの膝固めはその昔、オカダvs鈴木みのるでオカダがパイルドライバーを切り返して咄嗟に見せた膝固めとも酷似していますし、やはりこの形はジャベだとわりとポピュラーなのでしょうかね。有識者の情報を求む。

◾️ 第6試合 30分1本勝負
高橋ヒロム vs DOUKI

DOUKIは技の精度とオリジナリティがとにかく素晴らしく、試合が進んでも落ちることのない精度に裏打ちされた立体的な攻めと、全体的に大雑把でありながらもタテヨコの疾走力と爆発力のあるヒロムとの相性は抜群でしたね。格の差はありつつも単純な地力の差や経験値ではそこまで差はなく、虎の子の摩利支天まで出たとあってはDOUKIマニア垂涎の試合でしょう。

ヒロムのテンションも相変わらず高くいつだって全力なのは見てて気持ちがいいですね。こうして比較してみると決定力の高さには驚かされますし、やはり担いだときのキメ顔が絵になるんですよね。主人公の器とはまさにこのことで、ファイヤーマンキャリーを始動とした技の数々はパワフルかつ、Jr.の中でもさらに軽量のDOUKI相手とあってか擬似的なパワーファイターとしての立ち回りが光っていたように思います。

良かったのは試合が進むにつれて見えてくるDOUKIの素顔であり、シャイで寡黙でありながらも、やや日本の気風からすると少し浮きがちな日本人ルードらしいリアクションが目立つのですが、熱戦が死闘へと変化するに従って新日らしい「叫び」へと変わっていったことには感じ入るものがありました。やたら叫ぶ現代プロレスに否定的な人も多いのですが、普段はCOOLなDOUKIがやるからこそ特別感が生まれますし、新日本という巨大な奔流へと身を投じている感じがヒシヒシと伝わってくるのです。

最後は抵抗するヒロムを無理やりホールドし、ストンと落とすように完璧なブリッジで決めたスープレックス・デ・ラ・ルナでDOUKIの勝利。ぶっこ抜き式のドラゴンスープレックスというオリジナリティがありつつも、今の新日だとわりとレアなホールドするスープレックスのフィニッシャーというのもあって、この技は隠れたファンが多そうですね。何を隠そう自分も好きな技の一つですし、大金星のようでいて勝利に違和感ないあたりがDOUKIの実力そのものでしょう。海外人気も高いですし、素の実力がある分便利屋的なジョバーとして働いていた感じがありますが、このまま一気に飛躍して欲しいですね。

◾️ 第7試合 30分1本勝負
鷹木信悟 vs タイチ

KOPWで何度も擦ったのもあってか対戦自体の新鮮味はあまりないのがやや難点ではありますが、それでも手は合いますし開始早々のド突き合いは良かったですね。

ハイスパートな打撃にデンジャラスな投げ技にと派手な一戦であったわけですが、面白かったのはタイチがカメラをコントロールして鷹木のアピールをやり返したことで、この試合の背景にもあったユーチューバーとしての経験を踏まえつつ、カメラワークのコントロールという形で試合に落とし込んだのはナイスアイディアでしたね。

加えてこれが新日本プロレスを去るオカダへのタイチ流の別れの挨拶にもなっており、試合の最中に見せたオカダのリバースネックブリーカーや、腕を掴んでのアックスボンバーなど、それとなく彷彿とさせる仕掛けは上手く、試合後にオカダに対して放った「またな」という短い別れの挨拶も含めて、ひたすらに「粋」だった気もします。思えば岡田かずちかの新日本プロレス再デビューの相手は石狩太一ことタイチであり、ユニットこそ違えど確かに絆はあったんですよね。

試合はバッグドロップホールドでタイチの勝利。何度もやっていささか食傷気味な一戦というのが本音ではあるのですが、何度もやっただけに今回はリング外でのアレンジがよく、タイチが鷹木に勝ってももはや大金星という気がしないのは積み重ねを感じますね。

◾️ 第8試合 30分1本勝負
敗者髪切りマッチ
辻陽太 vs 上村優也

辻、凱旋帰国からそろそろ一年が経とうとしているのですが、凱旋当初の期待感をしっかり維持したままでこの一年走り抜けたのは凄いですね。頭一つ抜けていることへの慢心がないままで自負心のみを残し、ちゃんと貫禄があるのはいい点であると思います。トップ戦線に食い込みそうで食い込まない、僅差で迫っている状態というのが観客に共有されているのもあり、辻陽太待望論が根付いているのも観客の反応からちゃんと感じますね。中盤に見せた足をクロスしての高角度の変形逆エビ固めはヤングライオン時代の思い出の共有と、ライバルに対する上から目線をハイブリッドに混ぜたいい技のチョイスであり、あれはかなりエグかったですね。

対する上村はポテンシャルのみなら恐らくは新世代の中ではNo.1であり、足りないのはキャラクター性と格付けのみなんですよね。ただ、その熱血漢ぶりは昔からプロレスを見てる人は逆に馴染みやすく、その方面の支持率は高そうな気はします。この「飾り気のなさ」を考えると、賛否はありつつもジャスト5ガイズの一員というのはわからなくもないかなとも。

試合内容は辻が強さを押し付けようとするも、奮戦する上村に手を焼くような構図になっており、1.4ドームの勝敗もあってか格に上方修正が施されたというか、明確に差は縮まったようにも思います。上村の腕攻めのバリエーションはクラシカルなアメリカンプロレスめいてて面白く、そこに野毛道場仕込みの腕ひしぎが時折刃を覗かせるのが面白いですよね。リッキースティムボートばりのアームドラッグのキレはやはり抜群で、こうした基礎技の修練が銭の取れる技になっているのもいいですね。

互いに押さえ込みの応酬を繰り広げ、辻のバックブリーカーに上村のダブルアーム式のファルコンアローのような技。飛び技を挟んで、ダブルダウンから睨み合って立ち上がり、再びのロックアップ。ヤングライオン時代を彷彿とさせる時間ギリギリの押さえ込みの応酬から、原点であるロックアップを皮切りにクライマックスへと雪崩れ込むセンスは素晴らしく、誰が見ても分かる通りのヤングライオン時代のブラッシュアップ。それでいて「再演」なのですよね。これは熱かったですしこの試合のハイライトシーンの一つであるとも思います。ただ、ここはわりと賛否あるのではとも思っていて、ヤングライオン時代を振り返るにはまだまだ二人はキャリアが浅いんですよ。とはいえ、辻vs上村のヤングライオン時代の勝負はまさに新日本プロレスを体現する試合と言っても差し支えなく、ここ10年で見た中では最もクオリティが高かった若獅子と言っても過言ではないので、ここで改めて特別性を出すのは何もおかしなことではないとも思ってます。

決まれば勝てるジーンブラスター一本に絞って狙いにいった辻に対し、その仕掛けを再三に渡って切り返した上村。対角線からのジーンブラスターはギブを奪ったフランケンシュタイナーからの腕ひしぎとアームドラッグからの横十字固め。ロープワークからの一撃は低空式のガンスタンと、上村は徹底して切り返します。しかしながら投げっぱなしのジャーマンで開きすぎた間合いから、一気に走り込んでのジーンブラスターを轢き殺すように決めて辻が勝利。最後はこれしかなかったですね。

残り二分切っての決着。大技の派手さはあったものの、辻にしては珍しく辛勝な感じであったのですが、逆にここまで追い込まれて勝つことこそ強者然として振る舞い続けてきた辻に足りなかったものでもあり、戦前に辻が語っていた通りに上村は新日本が上に行くための、そして自身が成長するための大事な「ピース」でしたね。

ドームという晴れ舞台でのシングル戦での敗北はドーム史を振り返るたびに歴史に残り続けるもので、新世代のトップランナーの座を欲しいままにしていた辻からすると「傷」であったわけなのですが、それを贖うためには髪というハイリスクなものを賭けるしかなかったわけです。上村の丸刈りの残酷さもあったせいか、雪辱を晴らした印象もあり、二人の因縁もより深まりましたかね。とはいえ、野暮なことを言うなら上村は短髪のほうが似合うと思いますし、これでソフトモヒカン調にすれば、より2003年頃の棚橋に近づくのではないかなと。次に交わるのがいつになるかは分かりませんが、同世代の対決含めてこの二人は一歩抜きん出たなと思います。

◾️ 第9試合 60分1本勝負
IWGP世界ヘビー級選手権試合
内藤哲也 vs SANADA

ドームでの大団円から間を置かずにリマッチとなったわけですが、ドームデハポンを終えてのお役御免かという不安感もあったせいか、単なるリマッチにしてはわりと読めない印象はありましたね。

SANADAはまたしても天岩戸と化していて、内藤の痛烈なマイクに対してほとんど無反応に近い有様ではあったのですが、戦前の盛り上がらなさに反して、いざ試合が始まれば互いのユニットファンのフラストレーションを発散させるかのようにコールが交錯したのは良かったですね。この光景を思えば舌戦で盛り上げるばかりがプロレスではないという意見も頷ける話であり、また内藤のアジテーションもベルトを持つ権威主義者として責任のある立場での発言だからこそ、逆に反発を呼びやすくなっていたのもあって、この差異はわりと面白かったです。

棚橋が社長になり、オカダが去った今となっては内藤が背負う役割は当人の意識に反してかなり重く、IWGP世界ヘビー級王座最年長戴冠者という現実もあってか、残された時間への意識がより強まった気もして、見る側の意識はかなり変わった感じがありますね。とはいえ、内藤自身のどこ吹く風で、ひたすらに自由に気ままにやっている感じに以前よりかなり救われているなという実感がありました。

試合は開始早々苛烈な首攻めの応酬。内藤がエプロンに足をかけての場外DDTにヒップトス式の牛殺しというえげつない攻めを見せれば、SANADAもコーナーに立つ内藤の背後からドロップキックで鉄柱に頭を打ちつけると、雪崩式のネックブリーカーのような技で「センス」の部分で内藤を上回る攻めを見せます。やはり王座を一度でも戴冠した人間の経験値というのは凄まじいもので、陥落した直後の変化こそ面白いんですよ。以前のSANADAにはなかった部分であり、こうしたあたり「ジーニアス」の継承者たる部分が見えてきたのかなと思ったりもしました。これはもう武藤2.0と言ってもいいかもしれませんね。

内藤もバックエルボー連発からの雪崩式フランケンシュタイナー。互いにデスティーノとデッドフォールの仕掛け合いに。いつもよりペースが早く、リマッチならではの変拍子ですね。SANADAもラウンディングボディプレスの連発という武藤ムーブを見せますが、内藤もコリエンド式のデスティーノに。

続いての正調デスティーノは足が回りきらずに抜けるような形でSANADAの体が先に落ちましたが、攻め手を緩めずバレンティアに。これを延髄斬りで返すと、立ったままの内藤にシャイニングウィザード。SANADAのコンディションは素晴らしかったですね。

デッドフォールを切り返してのスイング式の首固めを狙った内藤ですが、ロープにかける足が滑ったせいか不完全な着地に。こういうミスを見ると真っ先に目と膝の心配をしてしまいますね……。しかしながらここで敢えて腕のロックを外さずにフロントネックロックで絞め続けたあたりは野毛の血を感じさせたというか、派手な技がミスっても即座に今の体勢でも不自然ではない実践的な関節技を選ぶというのは獅子の子だなと思いました。ただ、それを差し引いてもこの空白時間は変な間になってしまいましたね。

そこからの掟破りのデッドフォールは側転で切り返し、後頭部へのシャイニングウィザード。ネックスプリングで跳ね起きての正調シャイニングウィザード。SANADAの万全ぶりがこれだけで伝わってきましたし、一瞬でも奪い返すかもしれない!という空気感を醸成したのは、色々言われつつも王座経験が無駄ではなかったことの証左です。

しかしながら最後はデッドフォールを切り返し、再び狙ったスイング式首固めで内藤の逆転勝利。ここは賛否ありそうですね。完全なカウンター技ではなく、自分から能動的に仕掛ける押さえ込み技である性質上、先ほどの失敗シーンもあって既定路線への「やり直し」感が生まれてしまったのは厳しいですね。SANADAのファンからすると浮かばれない結末でしょう。その反面、別の選択肢があった中で、敢えてもう一度やるという禁忌を犯してでもスイング式首固めに拘ったあたりに内藤の意地を感じましたよ。それは一つの技の失敗で即座に限界説を突きつけられる現状に対する反逆であり、リスクがあっても膝に負担があっても、やると決めたからにはそこから逃げるわけにはいかないという。チャンピオンが叩かれるのはいいんです。挑んだ挑戦者が次なら確実に取れると思われて、その格が上がったのであれば、それで立派に務めは果たしたのですから。

試合後は「俺に何も言わずにこのリングを去ろうとは、オカダ、寂しいぜ」とマイク。いつもの大合唱を先に済ませておいて、オカダのリングイン。前後しますが、内藤のデハポン大合唱を見るオカダの笑顔が良かったですね。

リングインしたオカダにグータッチの要求をする内藤。感極まった顔で逡巡した後に、手を挙げようとしたオカダにツバを吐きかけてのハンマーブローの連発。これには場内も大ブーイングでしたが、今振り返れば幼子が親にバタつく駄々のような感じがあったというか……何も言わずに去ろうとしたオカダへの精一杯の抵抗のようでしたね。そこからオカダも間髪入れず切り返すとドロップキックの体勢に入りますがこれは未遂に。ならばとレインメーカーを狙いますが、すんでの所でかわした内藤が寝そべってのポーズ。オカダの「してやられた」表情が最高でしたよ。悪戯すぎのオカダに対して仕掛けた内藤の最初で最後の悪戯であり、二人の遭遇そのものが運命の悪戯だったわけですよ。

そして去るオカダと内藤。両者共に拳を突き上げての閉幕。オカダのラストシーンとしてはこれ以上ない幕引きでしたね。

振り返ればオカダと内藤は2010年代を牽引してきた新日本プロレスの両翼でありながらも、かつての顔役であった闘魂三銃士や棚橋中邑柴田の新闘魂三銃士のような「盟友」というのは少しだけ違う気もします。だからこそ二人に握手はなく、ハグもなく、拳を合わせることもなく、ほんの少しの悪戯と、先の未来にあるかもしれないNEXTだけを残して二人は別の道を歩んでいきました。変にベタベタしなかったあたりが非常に心地よく、色々な文脈が付随されていたとしても、最初から最後まで「好敵手」のままで関係が終わったというのが最高なんですよ。

そして次の相手は旗揚げ記念日で戦うことになるSHO。話が全然噛み合ってなくてめちゃくちゃ面白かったですねw互いに弁が立ち、マイクの応酬だけでも飽きないですし、内藤の持つ少年性がヤンキー感のあるSHOとの会話で引き立っているのがいいですね。

上手いなと思ったのは、内藤vsハウスオブトーチャーと言われたら2020年に散々やったのもあって新鮮味があまりない所ではあるのですが、その相手をSHOにするだけでわりと新鮮なマッチアップに見えるというのは凄いですね。SHOはJr.ではありますが、ハウスオブトーチャーのユニットメンバーである以上、試合形式:ハウスオブトーチャーとでもいうべきギミックを使えるわけですし、SHOのキャラクター性もあって、ヒール相手とは思えないぐらい明るい試合になりそうな気もします。内藤政権がいつまで続くかはわかりませんが、二度戴冠した二冠王時代に続いての第三次内藤政権がどうなるか、これからも見守っていきたいと思います。





いやあ……ビッグマッチを連続で書くのはかなりキツいですね。とはいえ、二日目はTwitterで吐き出せなかったのもあってか言葉の行き場がなく、こうしてアウトプットできたことで肩の荷が降りた感じがします。次はNJCが始まるので休む暇はあまりないのですが、これからも気ままに更新していきたいと思います。ではでは、今日はここまで。