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働くモチベーションは、いつも釣り

昨日、街でめちゃくちゃかわいらしいおにいさんに会った。

かわいいと言っても、ジャニーズ系のつるんとした中性的な魅力の男の子を想像すると間違う。短パンから突き出したふくらはぎは、ゴツゴツ硬そうで毛むくじゃらだし、何より2メートル近い巨漢だ。

働くマッチョのゴツイかわいらしさ、とでもいえばいいのだろうか。
たとえるなら、石垣島の太陽の下、口笛を吹きながらリヤカーを引いて、パイナップルジュースの配達をしていそうな、日に焼けた健康的なキュートさである。

そのおにいさんが、これまた可愛いバイクに乗っていた。

バイクはご存じ、HONDAのズーマー。街中では、これのカーキ色に乗っている人が多い印象だが、オレンジもいい。収納スペースが一切なく、メットインすらついていない思い切ったデザインなのに、ほかにはない武骨なかわいらしさがウケて、学生さんに大人気だ。

HONDA公式サイトより

ズーマーは私にとって、収納さえクリアできれば、乗ってみたいバイクのナンバーワンであり、これに乗っているだけで誰でも、5割増しで可愛くかっこよく見えてしまうあこがれのマシンだ。

小さなズーマーから体をはみ出させた、レスラーのようなお兄さんは、ショート丈のかわいいワークエプロンを身に着けており、その下は短パンにビーチサンダルといういでたちだ。
オレンジのズーマーに、カーキ色のエプロンがとても似合っている。「映える」ってやつだ。とてもいい。

考えるより先に口が動いて、声をかけてしまった。
「おにいさん、そのエプロン、めっちゃ可愛いですね。ズーマーとぴったり!」
ヘルメットを脱いで、フレームに留めようとしていたおにいさんは、おどろいたようだったが、それでもニカッと笑って応えてくれた。
「ええやろ?」
「うん、めっちゃいいです。エプロンは自作ですか?」
「これな、俺も気にいってんねん。こういうブランドがあるんよ。めっちゃかわいいやろ」
そう言って、見せてくれたタグには「BIB」と刺繍してあった。
「うんうん、めっちゃ可愛いです!ありがとうございます。あとでサイトを探してじっくり見てみます」
忘れないように、何度も口の中で「BIB」と繰り返し、お兄さんと別れてからそっとスマホを開く。それがBIBとの出会いだった。

1950年代半ば、仕立て職人のリチャードは趣味の登山が高じて
バックパックを背負ったままでも、出し入れしやすい
大きなポケット付きのビブスを考案した。
BIBはリチャードを主人公とする架空のストーリーに基づき作られたブランドです。

載っているあらゆるエプロンがかわいい。
なかでも、デニムは、経年変化してヴィンテージ感が出てくると、ますます味わい深い。

たくさんのポケットが前にも後ろにもついていて、リチャードさんがここに何を入れて山に登っていたのか、想像が膨らむ。
小さなDカンもついていて、カラビナが留められる。ここに、なくしがちな小物を吊り下げて使えるところもいい。
これは、釣りをするために生まれてきたエプロンではないか!

これを着て、浜で竿を振る自分を妄想して、ニヤニヤしてしまった。
いいじゃん、いいじゃん。
これはかなり、いいじゃん。
私の労働は、しばらくの間このエプロンにささげようと思う。

さ、じっくり選んでゆっくり買うぞ。

**連続投稿134日目**


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