見出し画像

理容師さん、そのサービス、いる?!

私は床屋の顔そりサービスが大好きだ。
自分が不器用で、眉毛ひとつ整えられないせいもあるのだが、顔にのせられるほかほかの蒸しタオルも、適温に調整されたぬくぬくの泡も、カミソリでつるんつるんにそり上げられた後の肌の感触も、何もかもが好きなのである。
なので、だいたい、月一回、執筆仕事の振り込みがあった直後に
「今月も頑張ったなあ」
と自分をねぎらうために、顔そりに行く。

ここ敦賀では、女性が顔そりに行っても、特別な目で見られることはないのだが、神奈川では、そもそも女性が床屋に行くと、変な顔をされることが多かった。
「あんた、女なんだから美容院にいきなよ」
という無言のメッセージが飛んでくる気がするのである。

そんなところで、恐る恐る、顔そりをお願いすると、ああ、そういうことか!という顔で
「おめでとうございます」
と言われる。
「へ?」
「どなたかの結婚式にご参列されるのでしょう? 襟足もきれいに整えましょうね」
なるほど。
女性が顔そりを求めてやってくることは、式典に参加するための特別な機会だと思われているのだった。

そういえば、相模原には「SORU(そる)」という名前の、女性専用顔そりサロンがある。

私のように、顔そりが好きなんだけど、理容室には行きにくいという、ニッチな層を狙ったのかと思ったが、フェイシャルエステもメニューにあったりして、顔そりだけでないトータルな美を提供しているようである。
完全予約制で、敷居が高く感じられ、行ったことはなかったけれど、できた当時から「いいところに目をつけるなあ」と注目していた。
そうなのだよ、顔そりは、ほんとに気持ちいいリラックス体験ができる、とっておきのサービスなのだよ。

ところで、昨日もその快感を求めて顔そりに行ったのだが、初めての経験をした。
いつもは、顔そりだけをお願いしていたのだけれど、フルコースを試すとどんな感じなのかと、何も指定せずイスに座ってみたのである。

最初は、座ったまま、襟足を剃られた。
うん、これは、まあそうだろうな。
スタンダードなサービスだ。
そして、次に椅子の背を倒され、顔そりに入るのかと思いきや、いきなり、耳毛をカットされた。

耳毛、である。

トップ画は、眉毛の長さが際立つ「村山富市元首相」だが、耳毛も眉毛も、こんなに伸びるのは、若い子にはありえない。
老化による、DNAのコピーミスが引き起こす、遺伝情報の劣化によるものらしいのである。
つまり、適切な長さになったら成長を止める、という情報が壊れているから、どこまでも伸び続けるのである。
劣化&老化。

ちょっと待って、私、そんなに耳毛が伸びてたの?
私の遺伝情報、もう、劣化しまくってるの?
パニックに陥った私は、その後、顔そりを堪能する余裕もなく帰ってきた。
その丸まった背中には、かなりの哀愁が漂っていたはずだ。

帰宅後、合わせ鏡で確認しても、自分の耳の中はよくわからない。
夫に聞いても、別に普段から、そんな毛は生えてないという。

じゃあ、一体、あれは何だったの?
生えてない毛を、ルーチンに従って、一応カットするそぶりを見せていたってこと?
そもそも、耳毛カットって、いる?
それ、サービスじゃなくない?
少なくとも私は、不安に陥れられたよ。

そんなわけで、全国の理容師さんに、耳毛カットについての見解を教えてほしいと思ったので、このnoteを書きました。
そもそも耳のうぶ毛って、そんなに気になるほど、わさわさ生えてる人を見たことがないのですが、あれはいったい、どういう意図で行われているサービスなのでしょう?
私は、不安になるのでやめてほしいと思いました。

ああ、気になる。
どなたか、ぜひ教えてください。

**連続投稿356日目**

最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます。 サポートは、お年玉みたいなものだと思ってますので、甘やかさず、年一くらいにしておいてください。精進します。