これが不精者でもできるタケノコのアク抜き方法だ!
1週間ちょっと留守にしていた間に、松山が本気を出して春をひろげにかかってきたようだ。
山に薄紫の花が目立つ。
これが見えると、ああ、春がきたなとようやく思う。
同じように花が塊になって咲いていても、上向きなのは桐の花、下向きに垂れ下がるのは藤の花。
私が沖縄にいた間、夫はタケノコ掘りに行きたくて、私の帰りを手ぐすね引いて待っていたらしい。
今日は、午後から2人で山に行った。
1人でも行けばいいのにと思うのだが、タケノコが目立つところに生えているような山は、誰かが世話しているのだろうし、かと言ってイノシシが掘り返しまくったような竹藪では、タケノコを見つける自信がない、ということらしい。
私のタケノコセンサーには、絶大な信頼が置かれているようだ。
ちなみにイノシシが荒らした竹林は、すぐわかる。
①広範囲にわたる穴の掘り方(ヒトならもっとピンポイントで、道具を使って労力少なく掘る)
②雑な皮の剥き方(皮を剥いて食べているだけでも、すごいことなのかもしれないけれど、それにしても汚い)
③美味しくないと思えば、せっかく掘り起こしたタケノコも一口齧っただけで捨てる(案外グルメ)
この辺りがポイントだろうか。
春先のイノシシにとって、タケノコは主食らしく、胃の内容物の半分以上を占めていたという調査結果もある。
どうりで、山中ぼこぼこに穴が空いているわけだ。
そんな荒れ果てた竹林で、本日も私のセンサーは、見事に5本のタケノコを見つけた。
サイズ感がわかるように、隣に菜箸を置いてみた。
これらのタケノコは、皮を剥かれ、現在、アク抜き中だ。
伝統的なタケノコのアク抜き方法などとして紹介されているのが、米糠と唐辛子を使って、皮をつけたまま切り込みを入れて茹でる方法だ。
しかし、そんなめんどくさくて台所が汚れそうな事を、タケノコ狩りの度にいちいちやっていられない。
不精な私は、糠なんて買ったこともない。
ではどうするか?
こうである。
①タケノコは先に半分に切って、それから全部まとめて一気に皮を剥く。(ゴミの体積もガクンと減らせる)
②アク抜きは、大きな鍋にタケノコが中で泳ぐくらいの水を入れて、必ず水から茹でる。水1リットルにつき、小さじ一杯の重曹を入れる。
③沸騰したあと、30分弱火にかけ続けると、面白いほどアクが出てくる。
ここからが最も大事な工程。
④火を止めたあとは、鍋ごと冷めるまで待つ。
タケノコは冷めていく過程で、アクが抜けるものらしい。
慌てて水洗いなんかしてしまっては台無しだ。
茹でたてをすぐに食べてみたこともあるけれど、えぐみがかなり残っていた。
これが一晩経つと、美味しい水煮タケノコになっているのだ。
なんらかの化学反応として説明できるんだろうけれど、理屈も知らない先人が「こうするといい」というやり方を編み出してくれている、そこに感動する。
「食べたい」という執念ってすごいよね。
さて、このタケノコたち、食べられるのは明日だ。
私は見つけて掘ってアク抜きまでが担当。
調理は夫の担当。
イノシシに負けないくらい食べてやるぞ。
**連続投稿815日目**
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます。 サポートは、お年玉みたいなものだと思ってますので、甘やかさず、年一くらいにしておいてください。精進します。