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離島への旅 2日目

驚いた。
土砂降りである。
雷まで鳴っている。

沖縄ってところは、台風の時以外は降ってもせいぜいスコール、すぐ止む雨ばかりだと聞いていたのだが止む気配がまるでない。

昨夜は、艦砲射撃のような爆音が轟き1時過ぎに目が覚めてしまった。
窓ガラスはビリビリ震え、閉めたカーテン越しに稲光が閃く。
芸能人の結婚(または不祥事)会見のストロボかと思うほど、パッパカ光っている。

とんでもない時に来てしまった。
土日は座間味の海開きだったようで、快晴だったらしいのに、開いた途端になんじゃこりゃ、である。

しかし、実はちょっとありがたい。
昨日15kg荷物を背負ったまま、電池がイカれてしまったオリンパスtg-5の代わりを求めて那覇の街を歩き回った。
(少しでも安いところを探していたのと、直接交渉すれば、幾らかは値切れるという自信があってのことだ)
おかげで、疲労と背中の筋肉痛がすごい。
とてもじゃないけど朝から3本ダイブする、というハードスケジュールがこなせそうにない。

ショップからは、「明日8:30から昼過ぎまでに3本潜りましょう。余力があればシュノーケリングも付き合いますよ」と言われていたのだけれど、この雨のおかげで予定が変わり休養日となった。

しかし。
この宿は3食自炊を前提に作られている。
何もせず寝ていては、ただただ腹が減るばかり。
何か、食材を調達しに行かねばならない。

仕方なく土砂降りの中、島で唯一のスーパーを目指して歩いた。

座間味には三つの集落がある。
阿真(あま)、阿佐(あさ)、座間味がそれである。
そのうち最も大きいのが、ここ座間味で、小中学校や行政機関も集中している。

座間味地区の全貌は、この衛星写真一枚で把握できる。
つまり、私でも迷いようがないほど小さいのだ。

この小さな集落のもっとも山側に学校が建っており、その通学路の途中にスーパー「105ストア」がある。
島に一軒の店なので、雑貨から食品、学用品、キャンプ用の薪まで、なんでも売っている。
隅の棚には、ジャンプとマガジンも売っていた。
ただ、店舗の面積はコンビニより小さいくらいなので、なんでもあるといっても品数と種類は限られる。

あと、「誰でも酒豪!どんなに飲んでも、翌日スッキリ動ける!」というコピーのついた、ウコンと何かが配合された薬のようなものが、レジ横の目立つところに置いてあった。売れているのだろうか。
気になる。

105ストアで、おにぎりと牛乳とトマトを買った。
遅めの朝ごはんだ。

島価格

宿に帰って食べるのも味気なく、「座間味ホエールウォッチング協会」の横断幕が張られた建物に入ってみた。
フェリーの待合室を兼ねているようで、船を待つ人たちが数人いる。
その人たちが退屈しないように、一画に本が置いてある。

近づくと、さすがホエールウォッチング協会というラインナップ。

今回、ずっと海にいるつもりだったので、本を一冊も持ってきていない。
暇になったらここに来てクジラの本を読むことにする。
帰る頃にはクジラ博士だ。

**連続投稿807日目**

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