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日記:2023/9/7 色んな漫画を読んだ

こんにくわ。
持病で入院してましたが帰ってきました。

入院記を書いておくか…と思ったけどめんどくさくなってきたのでいったん筆を折りました。

今日の体調は頗る良い。昨日しっかり休んだので…


入院中暇だったので漫画をいくつか読んでいた。
具体的にはスケルトンダブル(ジャンプ+)、おちたらおわり(マガポケ)、ゲッターロボ無印、ストーカー浄化団(コミックDAYS)だ。

おちたらおわりとストーカー浄化団は途中までしか読んでない。
が、どれも面白かった。そのふたつはTwitterでよく広告が流れてくるのでもうなんか無性に気になって読んだわけだが良作であった。

感想を書きたいので書く。



スケルトンダブルは、亜人を正当進化させて東京喰種的なテイストを加えたみたいな雰囲気で、とても面白い。
亜人は、単行本2巻?の時点で原作者が離脱してしまい、そこから完結までは作画担当と編集が頑張ってストーリーを紡いだという危うい作品で、前半と後半の雰囲気が全然違っている。前半も後半もそれぞれめちゃ面白いのだが、スケルトンダブルは前半の雰囲気を全うしようという雰囲気を感じる。

とにかくご都合主義を嫌って、優秀な主人公が苦心して物語を進めて行くのであり、リアルさがあって好みなのだ。
現実世界がベースで、超能力が実は存在する!という王道テーマだが、現実世界の政治状況がその超能力をどう判断しているかであったり、偶然超能力を得た主人公がその政治圧力にどう干渉していくのか、また家族にはどういう風に振る舞うのか、それがなんかご都合ではなく、ちゃんと主人公が能動的に解決していくので偉い。偉いしそういう怠いフェイズをスマートに解決するので、製作側のテクニックを大いに感じるところである。今は起承転結の起が終わったあたりなので、今後の展開が待ち遠しい。



おちたらおわりは、タワマンに暮らす主婦の群像劇だった。
息子・娘を同じ幼稚園に通わせるママ友たちが物語を織りなし、主人公と、昔主人公をいじめていたセレブがその中心となり物語をブーストさせる。

あくまで、皆タワマン暮らしの勝ち組の天上人であり、その天上人たちが互いにマウントを取ったり取られたり、他人の家庭環境に嫉妬して陰湿な嫌がらせをしたり、不倫をしたりされたりするのだが、庶民の私にはいずれも手の届かない世界の話なので、天上人にも人間関係があって大変なのだなぁと思うことしきりである。

まずもって子供があり、旦那があり、タワマンということは数千万の資産もあろうはずなので、登場人物全員すべからく日本に暮らす人間のトップ3%くらいに入る選ばれし民のはずだが、どうにもこうギクシャクしていて、人間の業の深さを感じるばかりである。
やはり、タワマンなどに住もうものなら更なる上階に住む金持ちに劣等感を感じさせられて仕方ないと思うので、いくらか金をもったのであれば尚更僻地に一軒家を構えて田舎で幅を利かせる方が利口なのではないか、家賃も低そうだし。と思う。

で、Twitterの広告では、ママ友(ここな)の一人が、また別のママ友(さとさん)の旦那を寝取り、寝取った奥様(さとさん)の前で内心優越感に浸る描写が取り上げられているのだが、この寝取った女(ここな)が、とてもいいキャラで自分はとても気に入った。

ここなはそのママ友コミュニティの中ではかなり若くて、皆30代のところ25歳なのである。
本人はクソ田舎(原文ママ)出身で、慶応卒ステータスの旦那を捕まえたことで天上人の暮らしを手に入れた成り上がりの存在で、旦那のことはあくまでATMとして見ており、日々、専らSNSで自己承認欲求を満たしながら、同じタワマンに住むイケメン俳優などと不倫に興じているのである。

で、それを弾劾されて退場させられてしまうのだが、まあ、ママ友コミュニティの視点で言えば不倫は完全に悪なので弾劾されて然るべきという描写をされているのだが、「地方の成り上がり」としては合理的だと私は感じる。まあ不貞は不潔なので良くないとは思うが…

つまり、ここなは学も無く、太い実家も無く、社会的には決して強者ではない身分だったところが、慶応卒で区議会委員の血縁者である太い旦那を捕まえたことで「成り上がった」のだ。
だから、本来は「同じタワマンに住む芸能人」とは絶対にまみえることのない下賤な存在なのであり、唯一持ちえた愛嬌と外見をフルに活用して見事成功した人間なのである。そして更なる成り上がりを目指すためには、男を懐柔して寄生するのが彼女にとっての正当戦略なのであり、より良いステータスを手に入れるためには「慶応卒の旦那」を踏み台にして次なる男にステップアップしていくのは彼女にとって唯一のビクトリーロードなのではないかと思うのだ。

私は要領が悪いので、基本的に打算的な人間に対しては、嫉妬ないし嫌悪感ばかり抱いてしまう癖があるのだが、25歳という若さ、そして同い年でそこまで打算を徹底して成り上がれるここなは、ある意味プロフェッショナルだし、マジで凄いと感じるのだ。

それに対すれば、登場する他のママ友たちはほとんどがなんとなく夫の世話になっているだけの受動的で惰弱な人間達なのであり、決してここなの足元に及ぶ存在ではないのだ。
ただ、ここなは同じコミュニティ内の人間から寝取るというタブーを犯してしまい、失脚してしまう。そればかりは愚かであったと言わざるを得ないだろう。


ゲッターロボ無印は、もう古典のような古い漫画なのだが、ホラーサスペンスとSF、少年漫画的展開、ロボアクションといった多様なテーマを高いレベルで合体させた傑作漫画であった。重厚で、とても3巻構成とは思えない出来である。

とにかくシビアな世界観で、登場人物の濃さもさることながら、人間たちが次々に死んでいくのでショッキングなことこの上ない。ネタバレだが、特に終盤主人公が死ぬシーンはもう相当に衝撃的であり、これをリアルタイムで読んでいたであろうちびっ子たちは大いにトラウマを植え付けられたのではないかと思う。

ゲッターロボはメディアミックスでもうそれはそれは沢山の映像作品が生み出されてきたが、原作漫画を超える作品は無いのではないかと思う。大昔の漫画ながらにして、これは傑作である。
ちなむと、映像作品ではチェンジ!真ゲッターロボが最も良い出来だったと思う。早乙女博士が、「君たちはどう生きるか」の大叔父にそっくりなのが見どころだ。


ストーカー浄化団は、文字通りストーカーを浄化する謎の男たちのやつなのだが(もう書くのが疲れてきた)、面白い。
各話ごとに被害者とストーカーが登場し、そのストーカーを半グレじみた主人公たちが撃退するという構成なのだが、作劇が巧みで毎回よく盛り上がる。
ストーカーされる側、そしてストーカー自体に対しての解像度が高く、ストーカーってまじでこんな感じなんだろうな~と思わせてくる。

ストーカー被害は、実際に被害者が暴行を受けたりしない限りは警察が動きにくい厄介な案件であり、被害者にとってはもうたまったものではない恐ろしいものである。

わたしも、昔Twitterに家の近所の写真を掲載したところ、捨てアカウントからDMで住所が送られてきたことがあり(特定されたのだ)、恐怖を感じたことがあった。
幸いそれ以上被害に遭うことはなかったが、まあ誰しも被害に遭いうるし、暴行されたり殺されたりしたらたまったものではないのだが、警察にも頼れないとなると、もう怖すぎである。

この漫画はそういう身近な問題を爽快に解決する、ガッチリ社会要請にコミットした作品であり、面白い。

逆に言えばストーカー関連法案の整備が進み、表立った犯行が減ってくるようなら、この漫画のリアリティとカタルシスは一気に幻滅するだろうから、今が最も旬の漫画だといえる。

主人公のでこぼこ三人トリオは、スペースダンディとか、マングースとか、そういう3バカトリオみたいな萌えもあるので、それも相まって物語がブーストしている。いや、西遊記的な感じか?


上記の漫画は、ゲッターロボ以外は各漫画アプリで無料で読めるので、おすすめです。


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