「あやうく一生懸命生きるところだった」を読んで

もうね、タイトルが素晴らしすぎる。

僕たちは「成功したい」「お金持ちになりたい」「かわいいあの子とつきあいたい」みたいに結果を追い求めてる。
その結果を得るために、一生懸命努力して、必死に我慢して、毎日を暮らしてる。
このエッセイでは、結果が本当に欲しいものなのか、過程を楽しめればそれでいいんじゃない、と教えてくれた。

これからは一生懸命頑張る人生は終わりだ。
耐えしのぶ人生は十分に生きた。
結果のために耐えるだけの生き方じゃダメだ。
過程そのものが楽しみなのだ。この先、こう考えることに決めた。
ワープして飛び越えたくなるような苦しい時間ではなく、
楽しい時間を過ごそうと。

成功しなくても、頑張らなくても、楽しくやっていれば、それでいいじゃん。本気でそう思わせてくれた。

他にも、…

おっと、あやうく「いいね」が欲しくて、一生懸命読書感想文を書こうとするところだった。
わかりやすく書こうとするのではなくて、面白く書こうとするのでもなくて、僕自身のために書くことをそのものを楽しみながら書こう。
書いているこの時間を楽しもう。
そういえば、本を読むのも、読むこと自体が楽しかったはずだ。
それでいいじゃん。内容を忘れたって。
読書感想文も、こうやって書くこと自体が楽しいはずだ。
それでいいじゃん。いいね、もらえなくたって。

30代中盤になって、仕事の責任も増えてきて、しっかり結果を出さないと、もういい加減大人な考え方をしないと、そう最近思ってきていた。
そして、それ自体が自分を苦しめていたんだと気づいた。
めちゃくちゃ一生懸命生きていたじゃないか!?

このエッセイに出会えてよかった。
あやうくこの先ずっと、一生懸命生きるところだった。

だけど僕には「一生懸命生きること」が染みついている。
幼少期から今までずっとそうして生きてきたのだから。
もうそれは亡霊のように僕自身に憑りついていてなかなか離れない。

そんなときに「ふぅ、あやうく一生懸命生きるところだった」とこの言葉が引き戻してくれる、そんな気になれた本でした。

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