見出し画像

伝統宗教の聖職者まで怯える 内心の自由を軽々とつぶす もの言えぬ時代の到来


はじめに

 「怖いから、何も言いたくない」と言う人がいます。
 月額版「筋道のタテツケ通信」の第4回は、第3回で整理した「『根拠』がない不安をでっちあげる大衆扇動」がもたらすものを考えます。
 発端は旧統一教会をめぐるできごとですが、より幅広く社会で何が起こっているかあきらかにするのが当記事の目的です。
 日本社会が「統一教会は悪いに決まっているではないか。自民党はズブズブではないか」と一色に染まり、迂闊なことを言えば関係性が「濃い」とされ、教団の代弁者などと言われかねなくなったことを、無料記事「濃淡論の見せしめに怯える世界へようこそ」で論考しました。

 旧統一教会の問題には触れないのがいちばんであり、何か言わざるを得ないときは「私は信者ではないが」「統一教会は大嫌いだが」と予防線を貼らざるを得なくなっています。
 これは教団と無関係な他の宗教関係者も同じです。
 ある伝統宗教(既成宗教)の聖職者に、統一教会への解散命令請求をどのように考えるか、公開を前提としたインタビューを行ったところ、後日「発表しないでもらいたい」と求められました。この方が独自の視点から旧統一教会や国の政策と文化庁の対応を率直に語っていただけに、「もの言えぬ雰囲気」の重大さを痛感するできごとでした。
 別の聖職者は、「いっしょになって石を投げないやつらは、あいつらの仲間だから攻撃しろ。こんな問答無用な状態です」と言いました。彼は教団の会見によって仕事を辞めさせられた信者がいること、教師の言動によって学校へ行けなくなった生徒のほかボランティア活動から排除された子供たちがいることなど、人権侵害の様子が報告されると「これで済むはずが、ありません」と、私にショートメッセージを送ってきました。

──⚫︎──

宗教関係者らの声

1.出る杭は打たれる

ここから先は

2,588字 / 3画像

月額読み放題会員

¥500 / 月
初月無料
このメンバーシップの詳細

会って聞いて、調査して、何が起こっているか知る記事を心がけています。サポート以外にもフォローなどお気持ちのままによろしくお願いします。ご依頼ごとなど↓「クリエーターへのお問い合わせ」からどうぞ。