社会運動

待望の新刊、藤田孝典・今野晴貴編著『闘わなければ社会は壊れる―〈対決と創造〉の労働・福祉運動論』(岩波)について(1)

待望の新刊が刊行されました。藤田孝典・今野晴貴編著『闘わなければ社会は壊れる―〈対決と創造〉の労働・福祉運動論』(岩波書店)です。

この本は極めて重要な問題提起をしています。そのことは編者両名による「はじめに」の次の書き出しを読めばはっきりするでしょう。
ぜひ次の書き出しだけでも読んでほしいです(「はじめに」だけ無料で公開されています)。

 近年、日本では「対立」や「対決」を避ける世の中の風潮

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私的行動綱領

※元ネタは、脳性麻痺者の団体である「青い芝の会」の行動綱領です

わたしはかく行動する

1、わたしは自らが発達障害者であることを自覚する
わたしは、現代社会にあって「蔑まれるべき存在」とされつつある自らの位置を認め、そこに一切の運動の原点をおかなければならないと信じ、且、行動する。

1、わたしは強烈な自己主張を行なう
わたしが発達障害者であることを自覚したとき、そこに起るのは自らを守ろうとする

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偏りと、かわいそうランキング

私がお世話になっている富永京子先生の本『みんなの「わがまま」入門』を読んだ。所々に笑うポイントがあった。「ツンデレ」という少し古いネタがあった。スイーツの写真をネットに載せる富永先生でもパフェの写真を撮ることは難しいように、社会の全体像を見ることは難しい、という遠回りな比喩もあった。本の内容については既に多数の人がネットに書いているので、私の感想を書くことにした。本ページは全文が無料で、およそ23

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これからの開発教育の展開を考える 金谷敏郎(1983年)

DEAR設立時のメンバーのおひとりの金谷敏郎さん(国立教育研究所
アジア地域教育協力室室長・当時)が、去る4月に逝去されました。「Development Education」という英語を「開発教育」と翻訳された経緯や思い、立ち上がったばかりの「開発教育協議会(DEAR前身)」に寄せる期待などが、機関誌『開発教育』創刊号(1983年5月)に寄稿されています。

36年前の当時、金谷さんが示してくださ

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プラスチック大国日本でごみを出さない生活は可能か。

はじめまして、Wastelessgirlと申します。日本の都市部でゴミを極力出さない生活をしています。今回は私がこの生活をするきっかけである思想を紹介していきます。

「ゼロ・ウェイスト」とは

ゼロ・ウェイスト、ウェイストレス、ミニマム・ウェイストという言葉はご存じでしょうか?これらは、日常的に出る生活ごみをなるべく少なく、最終的にはゼロにしようとする取り組みを指す言葉であり、ベア・ジョンソン氏

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わたしは、べつに「かわいそう」じゃない

社会が多様化すると、同じ立場の人どうしでも、悩みや困りごとはなかなか共有されにくい。

わたしたちは、とっくに「ふつう」が共有できない社会にいるはずなのに、「ふつう」を求めてしまう。
個人の悩みが、社会の不満と共通していると、その悩みは共感されやすい。
みんなが貧しければ、もっと給料を上げろ、と集団で声を上げやすい。女性が今よりずっと社会に出られなかった頃、彼女たちは団結してその不満はずっと大きな

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同性婚実現のその先に向けて

おそかれはやかれ、日本においても同性婚の合法化は実現するだろう。それが のぞむべきゴールなのか、むかうべき方向なのかということについては、賛否がわかれるとおもう。「賛」のなかにも「否」のなかにも、さまざまな意見があることだろう。
 たとえばわたしは「否」の立場をとっているが、それは別に異性と結婚したいとおもうひとと同性と結婚したいひとのあいだに不平等があってもいいと思っているからではない。しかしい

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わたしの〈クィア〉とあなたの〈クィア〉は違う:グローバルでないドメスティックなクィアの不可能性

「グローバル・クィア」という言葉が とても うさんくさいものである ということは、会場にいらっしゃる みなさんは すでに ごぞんじかとおもいます。なにをもって「グローバル」であるといえるのか。「こまかな ちがいはあれど、ここのこれも、あそこのあれも、クィアだよね」といえるのであれば、そこに共通の「クィア」性とは、つまり「クィア的」であると みとめられる条件とはなにか。そして、そこで すてられる「こ

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小松サマースクールで高校生に伝えたこと

みなさんこんにちは。フリーライターのマサキといいます。

フリーライターというのは、依頼されたテーマで文章を書いたり、書いたものを自分で売り込んだりして、それが雑誌とかホームページに載ったらその都度原稿料をもらう「フリーランス」というスタイルの仕事です。言ってみれば漫画家の文章版みたいなもんです。

絵がうまい漫画が必ずしもいい漫画ではないのと同じように、日本語の力があればライターとしてお金がもら

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社会批評としてのクィア理論:クローゼットと同性婚の議論を通して

クィア理論という分野があります。これは、文学や映画、社会現象なんかを分析するときに使う視点のことです。白人的・中流階級的・障害者差別的・男性中心的・etc.な支配的視点とは違う多様な視点を人種理論、障害理論、フェミニスト理論などが提供してくれていますが、クィア理論もその仲間です。今日はそのクィア理論を皆さんに紹介したいと思います。

初出 2017年12月14日、青山学院大学の渋谷キャンパスにて学

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