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不信任決議案への反対討論

はじめましてこんにちは。土庄町町議をやっております、茂木と申します。


さて、6月19日の本会議にて、三枝邦彦町長に対する不信任決議案と問責決議案の2案が提出されました。

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議員から議会へ不信任決議案が提出された場合、各議員が賛成・反対の意思表示をする必要があります。

正直、非常に難しい事案でありました。

反対したら「町長を守っているのか」と非難され、賛成したら「町長をやめさせようとするなんて」と非難されます。

全員が納得する意見など無いわけですが、「それでも言葉を尽くし、自分の考えを説明すること」が、一介の議員の責務と考えています。

もちろん「棄権」という選択も可能ですし、意見を述べず採決だけ参加することも可能です。

けれど私は熟考の末、「反対」という立場で考えを述べさせていただきました。

ぜひ、ご覧いただき、みなさまの意見を教えてください。

願わくば、これを契機に土庄町の皆様とこの町のことをよく知り、考え、語り、より良い町をつくりあげていきたいと思っています。

(別の町長に代わってもらいたいと思う町民のみなさまは、リコールの署名運動や次期候補の擁立や支援など、できることもあります)

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【不信任決議案について】反対討論

 本議案に対して、反対の立場から意見を述べたいと思います。

 私のもとにも、土庄町の行政職の長である町長が破産した前代未聞の事案について、「恥ずかしい」「辞めさせてほしい」という、住民の悲痛な声も多数届いています。

 その住民感情はよくわかります。そして、不信任案を提案せんとする提案者の問題意識も「もっともである」と共感する部分もあります。また、町長の今に至るまでの町民への説明不足に対して、町長を擁護する気持ちはありません。

 けれども、私は「不信任決議案の提出」については、現時点では慎重に判断すべきであろうと考えます。その理由を述べます。

 そもそも、破産した場合、国内の各種法令において、「破産者の資格制限」が定められています。

 たとえば「市町村の合併の特例に関する法律」という法律があります。この中では「市町村の合併に際して設ける合併関係市町村の区域、『地域自治区』というものがあります。この地域自治区の区長については、「破産した人はなることができない」となっています。このことをどう捉えるか。

また、農業委員会の委員になることも制限されますし、商工会の会員になることも制限されます。そして、教育委員会の委員になることも、制限されます。(ということは、仮に教育長が破産した場合、教育委員会に入れないこともありえるということです。)

 このようななか、自治体の首長職については、「破産したとしても欠格事由にあたらない」とされているのが現状です。

 「欠格事由にはあたらない」。このことをどう解釈するか。「問題がない」と捉えるのか、それとも、「規則自体が破産という事態を想定していない」と捉えるのか。

 現存する規則等では明確に決まってはいませんが、この事案で、町民の信頼をある一定損なっているのは確かです。

 議員は住民の民意を背負っています。他方で、町長も住民の信任を得ています。議員が不信任案を提出するということは、町長を支持する民意を否定することでもあります。

 この前代未聞の事例について、土庄町民は、議員は、町長は、どう対処するのか。土庄町の民主主義が問われているのではないでしょうか。

 私の意見を述べます。破産法自体の根底に流れている理念は、「破産したとしても、個人は、人生を再スタートできるべきである」という善意だと思います。それにのっとるのならば、町長にも釈明の余地を残しながら、慎重に進めるべきだと考えます。

 何よりも大切なのは、町長ご自身の誠意を、町民に伝わる形でいかに示すかだと思います。まずは土庄町民に対して、事実関係を広く周知すること、町長から自主的に、謝罪や説明の機会を用意するのが順当であろうと思います。(例えば、可及的速やかに各公民館での住民説明会を開催すべきと考えます)

 それでもなお、町長が議会からの指摘を無視するならば、その姿勢を受けて議員と住民がさらに追求するかどうか判断・行動すればよいと考えます。

(議員は辞職勧告案を提出することを検討し、住民は陳情や請願権を行使することができます。議会が民意を反映しないなら、直接請求権を行使し、町長に対してリコールの署名運動も起こるはずです。)

 法治国家として、私はかくあるべきだと思います。

 以上の立場から、不信任案は時期尚早と考え、本議案に関しては反対という立場から意見を述べました。以上です。

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立ち位置としては「賛成に近い反対」。

内容としては、法的根拠と民主主義に基づいて慎重に議論すべきという方向で論理展開しました。

正直、このような議論自体あまり気が進まなくて、もっとワクワクするようなことに時間を使いたいなあと思っています。ただ、誰かがこれをやらねばなりません。

「そもそも僕の時間は、誰かを恨む為に使うものではないハズだ」

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茂木邦夫

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