マガジンのカバー画像

望月慎の経済学・経済論 第二巻

13
第一巻以降に発表した経済学・経済論noteと、マニアック経済学論の方に発表したnoteをまとめました。 第一巻はこちら→ https://note.mu/motidukinoyo… もっと読む
¥3,000
運営しているクリエイター

#コラム

中央銀行の存在意義と機能限界 後編

※※※「望月夜の経済学・経済論 第一巻」(11記事¥2800)発売中!(ただしこの記事は含まれていません)※※※ 中央銀行の役割・役割範囲については、いくつかのnoteで間接的に触れてきました。 例えば、なぜ異次元緩和が失敗に終わったのか(及びアベノミクス(ないしリフレ派)の理論、及びその欠陥(マニアック))では、中央銀行がマネーサプライおよび総需要に影響を持たなくなる経済状況(信用創造の罠)について論じました。「お金」「通貨」はどこからやってくるのか?では、マネーサプラ

有料
300

バブルと長期停滞の関係と対策 / "北欧モデル"の落とし穴

近現代型の金融資本主義経済は、バブルとは切っても切れない関係にあると言っても過言ではありません。 (バブル経済-Wikipediaより) 昨今は特に、日本のバブル景気(崩壊後、"失われた20年"に陥った)、中南米バブル(崩壊により、メキシコ通貨危機などが生じた)、世界的な不動産バブル(このバブルの崩壊は、俗に”リーマンショック”と言われる世界同時金融危機を起こした)といった具合に、バブルとその崩壊(ブームとバースト)は、その規模と頻度を大きくしてきているように見えます。

有料
300

失業率の構造、完全雇用、残業代の経済学

今回は、雇用・労働に関する諸概念について検討していく。 日本の失業率を考える場合、国際比較に基づいて、「日本の失業率は国際的に見て低い」ということはよく知られているところと思う。 (データブック国際労働比較2016より引用) しかしながら、失業率の単純な国際比較では、各国の景気動向や成長動向、雇用システムの良し悪しを評価することはできない。 失業率の構造を理解することで、そうした短絡的な誤解を未然に防ぐことが出来る。 また、国際的に見て失業率が単に低いことそれ自体が

有料
200

一般的貯蓄と経済学的貯蓄の意味の違い

貯蓄と言われて思い浮かぶのは、普通なら銀行預金でしょう。もう少し意味を広げても、保有証券(株式etc)あたりでしょうか。保有不動産(持ち家etc)まで貯蓄だと解釈する人は稀かもしれません。 一般的な貯蓄は、上記のように、金融貯蓄(その中でも特に銀行預金)のことだと理解されがちだと思います。 一方で、経済学的貯蓄は、実は金融的貯蓄と一致するとは限りません。経済学的貯蓄では逆に、不動産のような実物の保有を、より確実に貯蓄だと見做すのです。 こうした貯蓄の意味合いの齟齬は、経

有料
200