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コロナ禍を卒業するバイク業界

数年に渡るコロナ禍での供給制約はバイク業界においても続いていましたが、肌感覚的には徐々に供給が回復しつつある今日この頃です。

幾つかの販売店さんのお話しを伺うと、X-ADV、rebel250、KATANA、Z900RS…人気の機種では相変わらず入手が困難な新車はあるようですが、PCX、YZF-R25、NINJA ZX-25R、GSX250R…など販売店の在庫に余裕が出始めているモデルも。

この数年は値引き無しの販売がセオリー、メーカー希望小売価格を上回る値段で販売されていた人気機種もある位でしたが、直近では在庫のダブつき始めた機種については値引き販売され始めています。

また、入手の目処が立たない新車を待つより、すぐに乗る事ができる中古車への引き合いも集中、新車価格を超す中古車が販売されていたのも、ここ数年の特徴。だだ、今後はそうした異常な「コロナ禍相場」も徐々に落ち着いていくのでしょう。
いち早く新車を入手した直後に買取業者に売却、利鞘を稼ぐ転売屋の多くも退場を迫られそうです。

コロナ禍での移動制限下、三密を回避するためにレジャーや通勤手段としてのバイクが評価され、人気が上昇したと言われています。不謹慎ながらバイク業界にとってはご祝儀的なことでしたが、一時的なブームにとどまらず、こういう事をきっかけで乗り始めたライダーさんが継続してバイクに乗りつづけて欲しいものですね。

近年、現場でお客様の応対をしている印象では、男性、女性問わずご新規の若者ライダーが増えている実感はあります(自動車工業会の調査や警視庁の免許取得者数統計もそれを示しています)。一方、最近印象的なのが、体力の衰えを理由にバイクを降りていくシニアライダーの姿(お客様がバイクを降りると聞くのは寂しいものです…)。ライダーの高齢化はずっと叫ばれてきましたが、バイクを降りる決断をなさるシニア層はこれから加速度的に増えていく予感がしています。

バイクの供給が正常化するにつれ、価格がこなれ、買いやすくなりますので業界的には引き続き「順風」との楽観的見方の一方で、高齢によるライダーの引退やバイクに向いていた消費行動が別の方向に向いてしまう可能性(バイク通勤は辞めて、電車通勤に戻ろう等々…)など「逆風」の局面到来…と両面を見極めながらバイク業界は対応していく事になりそうです。

いずれにせよ、コロナ禍での過熱感が去った後が、本当にバイクの魅力を感じ始めたお客様をお招き入れたり、繋ぎ止めたりするために、ここからが本番!ということは間違いなさそうです。

(残念ながら、直近の販売の勢いは少し鈍化傾向にあると言うのが個人的な感覚…です。暫くしたら、あらためて市況をまとめられればと思います)


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