見出し画像

NOTE勉強会 等身大の企業広報総集編

NOTEを初めて3週間。若葉マークの駒瀬です。NOTE勉強会の過去動画、面白そうなものがたくさんあり、アーカイブを「つまみ視聴」しています。

今回は、「等身大の企業広報総集編」について学んだこと、考えたことを共有させて頂きます。

1年間のシリーズ計8回の総集編。各シリーズを観ていなくても、効率よくキャッチアップできて大変助かります。

今回は、その中でも以下3点について考察させて頂きます。
1.社外の前に、まず社内を味方につける
2.効果測定について
3.組織の時代から個の時代 広報担当者への権限移譲

1.社外の前に、まず社内を味方につける

LINEの広報の方の「社外の前に、社内の味方を増やす」という話。更には、メルカリ広報の方の「社内に散らばっているネタが命。タレコミを促す」という話が紹介されていました。

私も企業オウンドメディア運営の経験があり、大いに共感しました。

私自身が消費者向け商品のブランドマネージャー経験が長く、担当者の思考回路を熟知していることもあり、一般消費者向け商材の場合、比較的スムーズに成約することができました。一方、B to Bと呼ばれる企業向け商材の場合、顧客(直接の販売先)への配慮が必要なこと、また、企業広報として活用した際のメリットが見えにくいと言われ、苦労しました。

初期フェーズは年長者の上司がネタ出し及び自身のネットワークを通じた下ネゴを行い、そこから先は、若手広報担当者が主導権を持って進める。担当者が経験を積み、社内ネットワークも広がって来たら、企画の段階から担当者に権限移譲して進めるというのが経験上、最も機能すると考えます。

メルカリの「タレコミ」ではないですが、ある程度、実績が積みあがっていくと「これ、取り上げてもらえないか?」という持ち込み案件が増えて行きます。その為にも、担当者がフットワーク軽く社内で立ち回り、案件は「誰に持ち込めばよいか」をしっかりと社内アピールすることが重要です。

Lifex丸山さんも「広報立上げ9つの指針」という記事の中で「社員インタビューや、取材、SNSでの発信、どれをとっても広報はメンバーの協力なしには推進できません。正しくゴールやミッションを把握してもらい一緒に推進していく味方になってもらう必要があります」と解説されています。

丸山さんの場合、上司との役割分担はなく、すべてを一人でやらざるを得なかったケース。同じような立場にある1人広報の方のみならず、組織に属している方も含め、実用的で参考になる内容と思い紹介させて頂きます。

2.効果測定について

恐らく、広報担当者の最大の悩みの1つではないでしょうか?

これに関しては、今回の動画では触れていませんでしたが、まずはバルセロナ原則をおさらいするのが良いと思います。

バルセロナ原則とは、国際的なコミュニケーション効果測定・評価協会であるAMEC(International Association for Measurement and Evaluation of Communication)が提唱したPRの効果測定に関する7原則。2010年に初めて提示され、2015年に「バルセロナ原則2.0」、そして2020年に「バルセロナ原則3.0」と進化しています。

ポイントは、「PRの効果測定=広告費換算」であった従来の慣習に対し、PRの目的は対象者(顧客や生活者)の意識や行動を変えることである。と定義し、広告費換算は用いないと宣言したこと。

ちなみに、広告費換算というのは、PR露出した内容に対し、広告として媒体を購入した際の想定購入金額をPR効果と見なすという手法。

具体的な7原則は、日本パブリックリレーションズ協会のウェブサイトをご覧ください。

顧客や生活者の意識・行動を変えることがPRの目的である」。これ自体には、みなさん賛同いただけるのではと思います。問題は、「どうやってそれを計測するか?」ですよね。

これに関しては、ビルコム社のウェブサイトがとてもわかりやすいので紹介致します。

PR効果測定を策定するときに考慮するべき7つの視点

出典:ビルコム社ウェブサイト

アクション・アウトプット・アウトカム指標一覧表

出典:ビルコム社ウェブサイト

アクションというのは具体的な活動内容(プレスリリース配信数等)。アウトプットというのは、アクションによりもたらされた直接的な結果(記事掲載数等)。アウトカムというのが本来の目的である意識変容・態度変容に関わるもの。という風にご理解頂ければと思います。

ここで、一番難しいのがアウトカムの測定。物理的に測定が困難、測定可能であるが精度が低い、測定可能であるがコストが膨大等、さまざまな困難に直面します。

特に、売上や生活者の認知等は、同時期に展開された広告・販促活動によりもたらされた効果と切り分けることは、限りなく不可能に近い。

アウトカム指標に関しては、計測可能性や費用対効果を考慮し、各社で個別に決めていく以外にないのではと思います。

その中で、私の経験上、非常に重要と考えるのが「社内営業」。アウトカム指標に関する生活者調査は年1回ということも多く、また、残念ながら諸活動の成果がきちんと反映されないリスクもあります。

従って、公式・非公式問わず、様々な機会を利用して活動内容や小さな成果をタイムリーに社内共有していくこと。設定したKPI指標だけで一刀両断されない様、社内の応援者を増やしていく活動が極めて重要と考えます。

3.広報担当者への権限移譲

動画の中で、組織の時代から個の時代にシフトしており、特にソーシャルメディアの企業公式アカウントから発信する際は、主語を会社ではなく、私にすると良い。また、一方的な宣伝ではなく、発信者の個性を前面に出し、フォロワーと対話していく姿勢が重要であるとありました。

これも、その通りと納得する反面、社内では「担当者(多くの場合はデジタルネイティブな若手)に任せてしまって大丈夫か?炎上したら、どうするんだ」という話に、必ずなります。

では、どうすれば良いのか?これは、下記の「わかさ生活 広報部」のやり方がお手本になるのではと思います。

上司も、当然責任があるので、いきなり担当者に任せきるという訳にはいきません。最初は、適宜チェックを行いつつ、担当者の成長に合わせ、徐々に任せていく。というのが現実的な解決方法。

その際、上司の技量が問われるのが、社会人として長く経験を積み、蓄えて来た常識に照らし合わせてリスクチェックを行うことに徹する必要があるという点。

何がフォロワーに受けそうか?というセンスは、若手担当者の方が優れていると考えるのが自然。従って、内容に踏み込んで、余計なアドバイスをし過ぎると無難で響かない発信になってしまう。何より、担当者が「やらされ仕事」と感じてしまい、向上心を失ってしまうことが最大のリスク


今回は、勉強会動画の内容紹介というより、限りなく持論の展開となってしまいましたが、如何でしたでしょうか?

こちら、「クリエイターエコノミー勉強会」のまとめも併せてご覧頂けると嬉しいです。

【追記(3/27)】

NOTE公式からのレポートも貼っておきます。


いつもお読み頂きありがとうございます。サポート励みになります。皆さまとの交流をどんどん広げていければと思います。