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ジャパネット創業家親子が今だから話せる事業承継の真実

ジャパネットの事業承継は注目に値します。突出した個人技で事業拡大をした創業社長。その個人技の継承は実質不可能。代替わりを契機に求心力が失われ、お家騒動も加わり衰退していくというのが相場。

ところが、ジャパネットに関しては、性格や強みが全く異なる息子に、しっかりと継承できている。

これは、現社長である旭人(あきと)氏が優秀かつ努力されたこと、創業社長が院政をひかずに潔く退いたことに加え、タイミングの部分も大きいと考えます。

2,000億円を超える会社となり、カリスマ経営者がワントップで牽引するには限界がある中、組織マネジメント型に舵を切っていかなければならないタイミングで現社長に継承。

本件、2年前に一度記事化しました。

今回、ダイヤモンドオンラインで「ジャパネット創業家親子が今だから話せる事業承継の真実 なぜ父は息子に全てを託し身を引いたか」という興味深い記事が掲載されたので、改めてご紹介させて頂きます。

カリスマ創業社長を前に面従腹背となるのではなく、部下が見守る中、徹底的に議論を戦わせた。上司(創業社長)から見たら、可愛くない部下。それも承知で、摩擦を恐れず、議論し尽くすことで信頼関係を構築したというのが一番の成功の秘訣と思います。

旭人が入社して年数を重ね、事業に深く関わってくるようになると、父と息子の考え方の相違が顕著になってくる。激しく議論を闘わせる場面も多くなった。

「創業者に対する二代目の立場はさまざまですが、私はそれを“衝突型”“服従型”“逃避型”と3つに分類しています。僕は明らかに衝突型だった。陰で文句を言わないと決めていましたが、その代わり、疑問や意見は全部父の前で吐き出してしまうんです。かわいげのない、疲れるやり方をしちゃったんですね」(旭人)

明は一代で会社を成長させたカリスマ創業者らしく、直感とひらめきの天才型だ。「今を生きるタイプ」という自己分析の通り、目の前の課題を徹底的に考え抜いて決めた後は、“ケセラセラ”で「なんとかなる」と腹をくくる。旭人は「データを積み上げて結果を出し、それを言語化する」論理的思考の持ち主。将来を見据えて仮説を立て、検証することも怠らない。

お互い「全然性格が違う」と笑うが、その違いこそが仕事上での衝突を生んだのだ。

特に組織の在り方については考え方の違いが顕著で、創業以来トップダウンで経営判断を行っている明と、部長や課長に権限を持たせてピラミッド型にすることが必要だと考える旭人では、完全に意見が食い違っていた。

強烈なリーダーシップで常に社員たちを社長自らが引っ張っている風土に、旭人は不安を感じることもあった。その不安を払拭するように、明に真っ向から向き合い、自分の意見を主張していく。

明は会議で旭人と意見が対立した時に、「じゃあ君が社長をやればいいじゃないか」と皆の前で言うようになった。創業者として突っ走ってきた30年間だったが、息子の成長を見て、「そろそろ任せてもいいかな」と思い始めていたのだ。

ジャパネットの物語は、今後も定期的に追っていきたいと思います。

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