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【書籍紹介】マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法

  • 天職が見つからない

  • 中途半端であきっぽい

  • 興味の範囲が広くひとつのことに集中できない

  • 何をやっても長続きしない

  • 器用貧乏と言われる

この様な悩みをお持ちの方。はい、あなたは「マルチポテンシャライト」です。

マルチポテンシャライト。直訳すると、多くの(マルチ)潜在能力を持つ(ポテンシャル)人(アイト)のこと。様々なことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探究する人やその人の働き方を指す。

著者のエミリー・ワプニックさんが、冒頭の様な悩みを持ち、自分は社会不適合者なのでは?と悩んでいた際に出会った言葉。「まさに自分の事だ!」
と本テーマを追求し、書籍化された。

エミリーさんが有名になったきっかけは、“Why some of us don’t have one true calling”(天職が見つからない人がいるのはどうしてでしょうか?)というTEDトーク。

■マルチポテンシャライトが持つ5つの強み(スーパーパワー)

①アイディアを統合できる(Idea synthesis)
②学習速度が速い(Rapid learning)
③適応能力が高い(Adaptability)
⓸大局的な視野を持っている(Contextual thinking)
⑤さまざまな分野をつなぐ「通訳」になれる(Translating between modes of thought)

①アイディアを統合できる

マルチポテンシャライトは興味関心の幅が広く、異なる分野の知識に精通している。それを活かし、異なる分野の知識を統合し、新しいものを生み出すことに長けている。

エミリーさんは、「これぞ、最もクールなスーパーパワー(特質)」と評しています。

②学習能力が早い

様々なことに興味を持ち積極的に学ぶ姿勢を持っている。「歳と共に新しく学ぶことが億劫になる」とは無縁。学習には再現性があって、これまで様々な分野での学びを活かして新たな物事を習得するため、効率よく学ぶことができることも強み。

③適応能力が高い

マルチポテンシャライトは楽しみながら様々な環境やニーズにあわせて行動したり役割を遂行したりできるプロ。器用で顧客に合わせた役割が演じられるので、様々なプロジェクトから声が掛かる。学習と同様、相乗効果が効くので、経験を積むに比例して適応力が高まっていく。

Fast Company誌は、適応力を21世紀に成功をする上で最も重要な資質であると評しています。

⓸大局的な視野を持っている

視野が広く、異なる分野の知識を統合することで、独自の視点から物事の関連性を見出し、他の人が思いつかない解決策を提示することができる。総合格闘技の最強レスラー。

不確実性の高まるVUCAの時代、この能力が重宝されることは必至。

マルチ・ポテンシャライトは、世の中のさまざまな側面を学ぶうちに、それぞれのテーマが互いに関連し、影響し合っていることに気づき始める。視野が広いので、一つの分野を深く理解しているスペシャリストが見逃しがちな、システム全体の問題に気づける。そして、ある選択がほかの部門に影響を及ぼすことを知っているから、事情をよく理解して思いやりのある解決策を生み出せる。

⑤さまざまな分野をつなぐ「通訳」になれる

分野が異なると専門用語に限らず、表現方法が異なったりして、相互に意思疎通ができないバベルの塔状態になることがある。営業マンとエンジニアで話が噛み合わない等。

そこでマルチポテンシャライトの出番。異なる分野の幅広い知見を有しているので、適切な言語でコミュニケーションができ「通訳」が演じられる。話のネタや会話の引き出しも多く、チーム内の調整役として重宝される。

※書籍では5つのスーパーパワーとなっていますが、別途、エミリーさんが書かれた「7つのスーパーパワー」バージョンも見つけたのでシェアします。

■マルチポテンシャライトの4つのタイプ別働き方

①グループハグ・アプローチ

職場やチームの中で複数の役割を担う働き方。「色んなことを掛け持ちしたい(ひとつのタスクに集中できない)」というマルチポテンシャライトにとって、ひとつの職場でそれが完結する理想的なパターン。

問題は、どの様にそのポジションを獲得するか?「私、色んな事を同時にやりたいのです」と言ったところで聞いてもらえない。そうではなく、マルチポテンシャライトの資質を活かして、いかに会社・組織に貢献できるのかをアピールする必要がある。

自分のスキルを仕事に組み込みたいなら、そのスキルを使って会社を大きくしたり、経営を楽にしたりするプロジェクトを考えよう。そして、プロジェクトを売り込むときは、相手のメリットを強調すること。会社の利益、という視点で話すのだ。会社が大事にしていることは何だろう? このプロジェクトは、どんな形で会社に価値をもたらすだろう? と。

②スラッシュ・アプローチ

いくつかの仕事を掛け持ちし、複数の業界や業種を日常的に飛び回る働き方。

昨今、話題の「複業/パラレルキャリア」や木下斉さんが提唱する「ジブン株式会社」がスラッシュ・アプローチに該当するのではと思います。

③アインシュタイン・アプローチ

「ライスワーク」と「ライフワーク」を切り分けるやり方。ライスワークで食い扶持を確保し、ライフワークで「色々やりたい欲求」を満たす働き方。

アインシュタインはスイス特許庁の職員(当時、安定的でのんびり働ける職業として有名だった)として10年間働いている時に、特殊相対性理論などに取り組んだり、発明品を生んだりすることにエネルギーと時間を費やしたことにちなんだ命名。

⓸フェニックス・アプローチ

ある業界で数年間がむしゃらに働き、ある程度極めた後に方向転換して異なる業界にダイブして、再びがむしゃらに働く。これを繰り返すことで、「色々なことをやりたい欲求」が満たされ、結果、マルチなスキルが獲得できる。これをフェニックス(不死鳥)にちなんで命名。

不死鳥の如く、未経験の業界にダイブする際の6つの戦略が示されています。

  • 今あるネットワークを活用する(リファラルや紹介)

  • 新しいネットワークを広げる(イベントに参加、新しい講義を受講)

  • ボランティア活動(経験を積む。新たな出会いを生むことも)

  • 無償で働く(自ら働きたい業界に売り込む、インターンに応募)

  • トレーニングを受ける(講座の受講、資格の取得)

  • 応用の効くスキルをアピール

「無償で働く」の売り込みの際、「売り込まれる側」から見たNG行動が興味深かったので紹介します。この本を紹介くださった、スタエフ配信者花凛さんも、良くおっしゃっている内容。

①申し出が具体的でないか、自分が今求めているものではない

「何か、私にお手伝いできることありますか?」というやつ。あなたに何ができるのかわからないし、それを確認するのに受け入れ側が工数を割かなければならない。

②受け入れ側がしなくてはならない作業が多すぎる。その人を訓練しなければならない

売り込んでおいて、ケイパビリティを示すコンパクトにまとまったポートフォリオを用意していない等。

花凛さんは、「信頼関係が構築されていない状態で、私手伝いますと言ってくる人は、このパターンが多く、手間がかかるので使えない」とおっしゃっていました。

③受け入れ側がその人を知らない

コミュニティーに参加している、ブログやSNSでコメントのやり取りをしている等、既に一定の関係構築ができて認知している人であれば安心して受け入れられる。

一方、そういう関係構築がなく、信頼できる人からの紹介もなく、いきなり売り込みを受けても、その人が信頼に足る人か判断できない。

■自分自身の考察

冒頭、マルチポテンシャライトの定義を読んで「まさに私のことだ」と思いました。興味の幅が広く、新しいテクノロジーが出て来たら、フットワーク軽く試してみる。それを、工夫して職場に導入しようと試みる。

SNS、Facebookグループ、動画広告、デジタルサイネージ、戦略PR、ファンコミュニティ等々。

デジタルサイネージは2010年頃に着目しスーパー店頭や病院の待合室、更にはトイレの個室等、様々な場所で実験。Facebookグループは、2011年震災時にメールが不通になった際、いち早く導入しチームメンバー間の安否確認に活用。これは、当時、日経クロスマーケティングにも取り上げて頂いた。

まだYouTubeの商用利用が普及していない頃、ベクトル社の西江社長が動画マーケティングのセミナーを実施し、ごり押ししているのを見て動画マーケティングもいち早く着手。その後、ニコニコ動画で料理コンテストを実施するまで使い倒した。

本田哲也さんが戦略PRの書籍を発売された頃に着目し、職場に導入を試みたが、中々理解が得られず、上長と大喧嘩したりもした。

自分の特性として、新しいテクノロジーが出現すると、まず、自身で使ってみて、今後、同テクノロジーが変えるであろう未来を予想する。その未来予想図に基づいて、職場で実験を行う。

これを繰り返してトレーニングを積んだ結果、新しいプロジェクトに抜擢されたり、配置転換になった際、素早く概要を把握し、全体像を頭に描くということができるようになった(大局的視野、学習能力、適応力)。

これには副作用もあって、相手も自分と同じ概要図/未来予想図を想定している前提で話をしてしまい噛み合わない。まずは、自分の脳内にある概念図を丁寧に共有するところからやらないと話が前に進まないということも学んだ。

あと、マルチポテンシャライトの弱点として、ざっくり全体像を把握することは得意であるが、細部を辛抱強く詰めて行くことが苦手。面倒くさく感じる、飽きてしまう。

働き方としては、未だ新卒で入った会社に所属しているので「グループハグ」でありつつ、3回の海外転勤含む配置転換で、都度、新しい挑戦をしてきたという意味において「フェニックス」と言える。

今後のセカンドステージにおいては、それを「スラッシュ」スタイルにシフトしていく。

本書を読んだことで、自分の特性とキャリアについて、ものすごくスッキリと整理ができました。改めまして、ご紹介頂いた花凛さんに感謝です。

■花凛さんのスタンドFMのご紹介

「アラフォーワーママ花凛の夢を叶えるラジオ」。大手コンサルティング会社勤務の傍ら、婚活ブログを執筆しフォロワー2万人の人気ブロガーに。その後、婚活からワーママ向けのキャリア&ライフスタイル提案にシフト。「妻でもママでもない、自分自身を大切にする生き方」を指南。

この度、会社を卒業し独立開業。7/7に東京で独立パーティー実施に向けた準備を進めており、定員100名のチケットは残り僅か。

また、この4月からスタエフのメンバーシップを解説し、絶賛、メンバー募集中!

基本的に女性向けの配信ですが、私は女性心理を勉強する目的で視聴。ライブにも積極的に参加しています。

マルチポテンシャライト(通称、マルポテト)は、花凛さんイチオシ本。「色んなことに手を出したい」、良く言えば多才、悪く言えば器用貧乏の方にお薦めの1冊です。








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