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17,奇妙な場所で奇妙な物を抱きかかえて自殺していた女性。その理由を知った時、自殺に慣れている刑事課員でさえ涙する者がいた

50代半ばの女性の自殺だった

この女性、自殺していた場所が奇妙な場所だった

なんでこんなところに無理やり車で入って来たのか

何体もの自殺現場に行く刑事課員でも、こんな奇妙な場所は初めてだった

しかし、その理由はあまりにも悲しい理由だった

その理由を知った時、私も含めて数人の刑事課員が涙を流した

この人がどれほど悲しくて苦しい日々を送って来たのか、自殺する直前の1ヶ月を想像すると、どうか今は天国で一緒にいてほしい、と思った

第17話は今でも忘れられない本当に本当に悲しい自殺者


現場は墓地

女性が亡くなっていたのは小さな墓地霊園の中だった

その墓地霊園は、墓石の前まで車で入れるようになっていた

とはいえ道は狭く、車で入る人はほとんどいない

そんなところに車で入って行き、いくつもの墓石が並んでいるところに車を止め、車内で亡くなっていた

発見時間は深夜。

霊園の管理者などから聴取したところ、夕方まではそんな車は止まっていなかったという

(自殺の方法は今回は省略します。特に特殊な方法ではありません。誰でもできる方法です)

現場に行った私たち刑事課員の誰もが思った

なぜこんなところで???

深夜の霊園は人はほとんどいない

誰にも見つからずに死にたかったのか でも朝になれば誰かが来るのは確実な場所だ
誰かに見つけて欲しいなら、もっと他にいくらでも場所はある

そもそもこれから死にたいと思う人間が、他の人の墓がたくさんあるところで死にたいと思うのか

車なんだからどこでも好きな場所に行けるはずだ


とにかく現場の時点では、なぜここだったのか、が最大の疑問だった

しかし、この疑問は署で死者の所持品を調べていくうちに明らかになった

この死者はこれまでの1ヶ月、毎日毎日悲しみに耐えるだけの地獄のような苦しい日々を送っていた

そして、この人がなぜこの墓地霊園で自殺したのか、その明確な理由があった

ここでなければいけなかったのだ

誰かに見つからないとか、そういことなどどうでもいい、死者にとってこの場所でなければいけない理由があった

この場所から数3メートルでさえズレてはいけない、まさにこの場所でなければいけない理由があった


署に戻り死者の所持品調べが始まった

そもそも死者は発見時、奇妙なものを抱きかかえて自殺していた
こんな物を持ちながら自殺していた人は初めて見た

死者が大切に抱きかかえていた物。それは

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最初のnoteにタイトル一覧を載せてあります。 1、記念すべき1体目は飛び散った肉片 2、死体なのに体内から音が。その音の正体は 3、初めての腐乱死体。腐乱死体とはどんな死体なのか 4、自殺と断定するには謎が残った白骨死体 6、一家全焼火災の焼死体と怪奇電話 11、傷害致死。飛び散った血痕のDNA結果はまさかの 15、解剖。そこで刑事が見るもの、聞く音、感じる匂い。 など。 15本は現時点ですでに決定しているnote。今後追加する場合もあり。 一度購入してもらえれば、すべてのnoteが読めます。

刑事課の時の死体現場のリアル話。 刑事の死体現場とはどんなものか、死体現場での刑事たちの本音とは ドラマや小説のようなファンタジーは一切な…

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