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3,初めての腐乱死体。腐乱死体とはどんな死体なのか

刑事課に異動したのが4月

5月下旬には暖かい時期を迎えた

この時期になると避けられないのが腐乱死体だ

気温が高くなってくると人間の死体は3日で腐乱、つまり腐ってくる

腐った死体とはどんなものか

以下腐乱した死体の現象

① 肌がどす黒く変色してくる


 変色するだけでなくグチャグチャしてくる。

② 体液が流れ出してくる

 ドス黒い腐乱液が漏れ出し、床に広がる
 この腐乱液はものすごい激臭で、一滴でも服に着くと刑事課の部屋中に匂いがするほどだ


③ 激臭がしてくる。

腐った死体はものすごい激臭を発する
どんな匂いかというと、腐った魚とネギを100匹ビニール袋に入れて中に顔を突っ込んだ時の匂いを想像して欲しい
 ものすごい激臭で、室内に腐乱死体があると玄関の外でもわかるほど


④ウジ虫がわく

腐った死体にはものすごい数のウジ虫がわく

 口の中には小さな白いウジ虫が溢れ、耳の穴から目の中までウジ虫がかじりながらウヨウヨ動いている。
10や20ではない、1000匹は群がっているだろう
 特に腐乱が進んだ死体で、頭部に数ミリの穴がたくさん開いているものがあり、そこからウジ虫が出入りしていた
 署に搬送して死体を調べていると、床にウジ虫が大量に落ちてくる

 水のないバスタブで死んでいた腐乱死体は、バスタブの中にウジ虫があふれ返っていて、ウジ虫の層の中に死体が埋もれていた


⑤大量のハエ、ハエ、ハエ

 ウジ虫はやがてハエになる
 腐乱死体の部屋の中にはおぞましいほどのハエが飛び回っている

 どれくらい大量なのかというと、こんな通報があった

「外から見たら窓が真っ黒になっており、その黒いものが動いている」

こんな通報の現場に入らなくてはいけないのが刑事課の仕事だ
刑事になりたいなんていう人の気が知れない

死体現場を調べていると、こっちにも大量のハエが飛んでくる

耳元でブンブンと音を立て、鼻先や顔に飛んでくる

死体を食って成長したハエだ。殺虫剤を100本くらい無双で撒き散らしたくなる


これが腐乱死体の現場だ

どす黒く変色した体に真っ白なウジ虫が数千匹うごめき、ものすごい激臭を発しながら身動き全くしないその塊。もはや人間とは思えない

触るどころか、半径20メートルにも近づきたくないのが正常な人間の感覚だ

そこに入っていき、死体を担いで持って帰らなければならないのが刑事課の仕事だ

世の中にこれほど苦痛な仕事があるだろうか


初めての腐乱死体現場はマンション一人暮らしの男性


初めての腐乱死体は5月の終わり頃だった

現場はダイアパレスというそこそこいいマンションの一室だ

60歳くらいの男性で一人暮らしだった

自殺だった

部屋のドアノブに縄を結び体は床に座りながら首を吊っていた

腐乱死体はこの時が初めてだったが

玄関に入ってすぐに「なんかこの家くせーな」と思った

そして死体のある部屋に一歩近づくたびに匂いが5倍くらいになっていった

先に部屋に入っていた捜査員たちが

「オエっ」と繰り返している

私と違って死体現場を何度も経験している刑事でもこれだ


ドアの前まで来た

足が止まった

やばいって
この激臭はやば過ぎる

ふざけるな

この匂いの中に入っていくなんて頭おかしい

ここは人間が近づくところではない

すごいぞこの匂い

本当に吐きそうだ


これ以上近づきたくない

近づいてはいけないと体の本能が発していた


部屋に入る

ドアにもたれかかっている人間の後ろ姿が見えた

もちろんピクリとも動かない

首には縄状のものが結ばれていた

1メートルまで近づくと床の色に気がついた

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1,259字
最初のnoteにタイトル一覧を載せてあります。 1、記念すべき1体目は飛び散った肉片 2、死体なのに体内から音が。その音の正体は 3、初めての腐乱死体。腐乱死体とはどんな死体なのか 4、自殺と断定するには謎が残った白骨死体 6、一家全焼火災の焼死体と怪奇電話 11、傷害致死。飛び散った血痕のDNA結果はまさかの 15、解剖。そこで刑事が見るもの、聞く音、感じる匂い。 など。 15本は現時点ですでに決定しているnote。今後追加する場合もあり。 一度購入してもらえれば、すべてのnoteが読めます。

刑事課の時の死体現場のリアル話。 刑事の死体現場とはどんなものか、死体現場での刑事たちの本音とは ドラマや小説のようなファンタジーは一切な…

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