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11.そして一人旅が始まる ーチェコ、ポーランド編~初めて物を盗られる。。

電車で辿り着いたチェコの首都プラハも綺麗な街だった。
街の真ん中にはモルダウ川が流れ
その川に架かる石橋も重厚で歴史を感じさせ趣があった。

プラハと言っても「プラハの春」位しか知らない自分にとって
「変身」を書いたカフカの家が有ったり
プラハ城に佇む聖ヴィート大聖堂には、
ミュシャの手がけたステンドグラスがあり
これも驚くほど美しかった。

ミュシャのステンドグラス

プラハにある天文時計も見ごたえが有り
なんと1410年に設置されたのだとか。。
何と600年以上前。

天文時計

まったく知らなかったけど
観るところ沢山で
ステキな街でした。

そして次の目的地ポーランドを列車で目指す。

すると、ここで事件が起こる。

列車の中で荷物のバックパックを棚の上に置きたかったが
重くて持ち上げず座席の間の自分の頭に近い場所に置いて寝ていて
目を覚ますと、バックパックが無い。
一瞬何が起きたのか?現実を受け止めるのに
時間がかかる。

僕は日本で写真を勉強していて
1年の旅で写真を撮りためて
「写真集を作って、有名になろう!」という
野望を抱いていたので、フィルム(その当時はデジカメでは無かった。。)を200本、カメラにレンズ2本+旅のグッツなどで
30kgを超える重さのバックパックで旅をしていたので
まさか持っていく人が居るとは思わなかったし
寝ている隙に誰がが荷物を盗っていったのも怖かったし
頭の近くに置いておいて全く気が付かなかったのもショックだった。
今思えば、泥棒が持っていく時に目を覚まして気が付いた方が
殴られたりとかして危なかったのかもしれないが。。

あんなに重い荷物を遠くまで持っていく筈がない!と
列車の中を探していたら、なんとトイレでバックパックを発見。
さすがに重かったのか、カメラとレンズ2本が盗られただけで
置き去りにされていて、トラベラーチェック(旅行用小切手)は
無事だった。
カメラが無くなって写真も撮れなくなり
使われる事の無いフィルムが結局170本残ってしまった。


ポーランドを目指した目的は
怖かったけど、アウシュヴッツ=ビルケナウ強制収容所を
訪れる事でした。
全くポーランドも興味無かったけど
こんなに近くまで来たのなら
やはり人類の歴史を体感せねば、と思い
勇気を振り絞って向かいました。

アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所

言葉にするのは、とても難しいのだけど
霊感が全くない僕でも背筋が凍るようなピリっとした空気感。
陳腐な言葉では言い表せない重い雰囲気。
実際に同じ人類がおこした行為を空気感だけでも体験し
自分の中にも潜むであろう闇の部分と向き合えた気がして
自分の襟を正した感じでした。

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