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22.そして一人旅が始まる ーインド編3~別れと新しい始まり

アジャンタ石窟寺院を後にして、颯太と二人
大都市のムンバイに向かう。(当時はボンベイと言っていた。)

ムンバイはインド4大都市(デリー、コルカタ、チェンナイ、ムンバイ)
の一つで
驚くほど街は大きく、人の数はデリーと匹敵する規模で
インドという大陸に居る人口の多さに唖然とする。

西洋人に人気で有名なカフェ Mondegarでご飯を食べたら
人の多さと排気ガスの凄さにめげて
そうそうにムンバイを離れる事にする。

Cafe Mondegar

ムンバイを離れて向かった次の目的地は、60年代にヒッピーの聖地と呼ばれたゴア。
ムンバイからさらに南に下がる。

多くのインドがイギリス領であるのに、ゴアはポルトガル領。
日本でも有名な宣教師フランシスコ・ザビエルの遺骨が
安置されている教会があるのも、ゴアのボム・ジェズ教会。

実際にゴアに着いてみると、
そこは今までのインドの他のどの町とも違う空気感。
インド洋に面して温暖な気候。綺麗な海にヤシの木。
世界中から集まったトラベラーと
自由で開放的な空気の流れる気持ち良い街で、
「ここがインドか??」と思う位
楽園な感じがしました。

Goa


このゴアで驚く再会を果たすのですが
ビーチで騒いでいる男性の軍団をぼんやりと見ていると
何処かで見覚えのある顔が。。

何とイランのイスファハンで助けて貰ったアブドゥが遊びに
インドのゴアに来ていたのでした!
この広い世界で違う国でばったり知り合いに出会うなんて
つくづく世界は狭く、ご縁のある人には人生で必ず出会うんだろうな、と
しみじみ再確認した出来事でした。

僕は、すっかりこの自由な空気が流れるゴアの街が気に入ってしまい
しばらく滞在する事に決めたのですが
パキスタンのフンザで再会してから一か月ほど一緒に旅を続けてきた颯太は
ゴアでのんびりする生活に目的を見失い、単身オーストラリアに渡って
自転車でオーストラリアを横断する事を決め、
合計3ヵ月旅を続けてきた颯太とゴアでお別れする事になりました。

颯太が日本に一時帰国した時に録音して持って帰ってきた
テープに入っている日本の曲
UAの「Horizon」やCharaの「やさしい気持ち」、
飛鳥の「始まりはいつも雨」などを
潮の匂いを感じながら
それこそテープが擦り切れるほど、
何遍も何遍も聴きながら
一つのイヤホンを二人でシェアして
将来を語り合った事
今思い出しても、じーんと胸が熱くなる
青春の1ページです。

颯太のお陰で
数カ月前はどん底で、旅の目的や楽しさも忘れて乾ききっていた僕の心は
また一人で歩いていけるまでに回復出来たのでした。




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