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鳴かず飛ばずからのiモードの世界へ

鳴かず飛ばずの2000年夏

1999年末に「なんか自社ソフトウェアを作るぞ!」でスパイシーソフトを創業しました。約1年たっても鳴かず飛ばずで2000年夏頃には資本金の半分くらい使い切ってしまい意気消沈状態でした。

あるとき起業時からお世話になっていた先輩経営者に相談に行ったところ・・・

iモードへの衝撃の出会い

先輩「やまだくん、iモードって知ってる?凄いんだよ!」

やまだ「うーん携帯電話でインターネット見れるってやつですよね?」

先輩「iモードにはドコモが認定した会社のサービスだけを取り上げるiメニューというのがあるんだけど、先日参入してコンテンツを有料で売り始めたんだよ」

やまだ「ふーん・・・どんなコンテンツを売ってるんですか?」

先輩「待受画像を売ってるんだけど」

やまだ「ふーん・・・(画像販売か」

先輩「300円の有料会員がもう30万人に増えて・」

やまだ「えっ?!」

これがiモードとの衝撃の出会いでした

でもiモードに興味を持てなかった

でも当時のiモードの主流は待受画像とか着メロなので、「凄っ!」という驚きもあったけど、「あんまりそういうビジネスは興味を持てないな・・」という本音もありました。

やまだ「でもあんまり待受画像とか着メロとか興味持てないんですよね・・・」

先輩「実は近くiモードにiアプリという新サービスがはじまるんだよ!そういうのはどう?」

やまだ「えっつ?」びびびーーーーーん!(脳にスパークが走るw

「Javaでアプリを作ってインターネット経由で携帯電話に配信できる」

今聞いたらネットでアプリを配信するなんて当たり前のことですが、携帯電話で自分が作ったアプリを動かせたりとか当時は衝撃だったのです。iPhoneの登場なんかより遥かに衝撃でした。

だって当時は着メロの本を見ながら携帯電話に3和音とかの着メロを手で打ち込むみたいな時代ですよ!

さて何をやろうか?

ということで鳴かず飛ばずのままパソコンソフトの事業を続けるのはやめよう!携帯電話の世界へ転生するぞ!iアプリをやるぞ!と決めました。

「iメニュー」に参入して「月額300円×30万人」という夢を見ながら・・・

ゲームを作ろう!ということでパズルゲームとかアクションゲームの企画を立てたり

ワードやエクセルみたいなアプリを作って携帯電話業界のマイクロソフトになる企画を立てたり

マクロメディア(現Adobe)のFlashのようなマルチメディアコンテンツ制作ツールを立ち上げようと「プレイヤーアプリ」のテスト実装をしてみたり

企画やプロトタイプ開発をして先輩経営者の協力をえながらドコモさんへの提案を試行錯誤しました。

零細ベンチャーが参入できるものでななかった

結果は「全敗」でした。

ドコモさんの戦略は優良なサービスをお届けするために限られた企業のみに窓口を開く戦略でした。

たった2人の零細ベンチャーで参入できるような事業ではなかったのです

勝手サイト、勝手アプリに活路を見出す

当時は月300円のような少額課金の手段は「通話料金」と合算して請求するしかありませんでした。クレジットカードとかでは手数料の問題で絶対に無理だったのです。だからiメニューというドコモさんに選ばれて通話料金合算払いを活用することが大事だったのです。

ドコモさんが素晴らしかったのは「通話料金合算払いについて限られた企業のみに窓口を開く戦略」でしたが、単にサイトやアプリを作って配信するのはドコモさんの許可なく自由にできるようにしてくれたことです。

そうです「Apple」や「Google」のようなクソ企業とは違うのです。

つまりドコモさん非公式に勝手にやるアプリビジネスなら零細ベンチャーでも参入可能だったのです!

「うちだけではなくて多くの会社がiメニューに参入したいけど断られているはず!」

「パソコンのソフトを作って売った時に知ってもらうこと売ることが一番難しかった」

「そうだ!自分たちでiメニューのようなアプリが集まるポータルを作ろう!」

そうです。iメニューに参入できないなら自分たちで同じようなものを作ってしまおう!とわけがわからない野心をいただいたのです。

それがガラケーアプリのAppStoreのようなサービス「アプリゲット」をはじめたきっかけでした。

ITmedia


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