―あしながおじさん―

ひとりぼっちのわたし
進学の資金のことやいろんなことで助けてくれた
手紙で悩みの相談もしたわ
勉強のこと
友達のこと
恋のこと
おかげさまで進学できたの
だから手紙で「お会いしたいです・・」って書いたの
最初はやんわり“お断り”されたけど、何度かのやり取りで
「会いましょう～～」
って

待ち合わせ場所は喫茶店。
会った時はね・・

長髪をなびかせ
やや面長の顔
長ひげをたくわえたおじさんが座ってた

「やぁ、どうもです〜〜」

語尾を長めに伸ばすのもクセみたい
わたしがお礼と感謝をひとこと言ったら
その５倍くらい長めの言葉を返してくれた
２時間くらいの時間でおじさんは１時間５５分は話してた
話しも長かった・・
別れの時の握手、小指の爪だけ長かった
「ここは、わたしが・・」
と、取り出した財布も長財布。

・・でもね・・

立ち上がったおじさんのあしは・・
足の長さは・・　
思わず“二度見”したあしの長さは・・
目を３回こすって見直したあしの長さは・・
あしながおじさん　の足の長さは・・

・・・いいの。そんなことは。

夕日に向かって歩いていくおじさんの“人影”の足は長かった。
長くなが〜〜く続いていた・・。
わたしはその後ろ姿にずっとずっとおじぎをしていた
そう、長くなが〜〜く・・・

ありがとう　あしながおじさん


あしながおじさんの話で遊んでごめんなさい
曲『じゃあ、胴短(どうみじか)おじさんで』　ザ・ロン毛・ストヤード

#ありがとう #ショートネタ #あしながおじさん