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ミドリのハナシ ~オリーブ~

前回の続き、というか、名前の挙がっていたオリーブたちのハナシ。

スマホに『植物さん』なるメモがある。

これまで出会った植物たちがここに刻まれ、お別れしたら線を引いたり、増えてしまったら分岐させたりして、なかなかのスクロール数になっている。

そしてなぜかわからないけど、「さん」付けになっている。

そんなリストの最上部を見ると、

オリーブ 2018頃?
・コロネイキ
・チプレッシーノ
・ネバティロブランコ
・ミッション
スマホメモ『植物さん』より引用

と書かれている。
もしかしたら、もっと前からいるのかもしれないので「?」付きになっている。

どうしてこんなに種類があるのかというと、オリーブの実を見たかったから。はて、何のことやら、となりそうだが。

実はオリーブは自家受粉しない。
種類によっては1本で結実するものもあるらしいが、基本的には異なる種類のオリーブが2本ないと実が成らないのだ。

「なんだか人間みたいだ」

と当時思った記憶がある。
種の保存に基づく生殖機能に限らず、もう少し広範に考えていて、それは今も変わらない。

結実すること、つまり、


形になること
立ち現れること
何かが生まれること。

それは単一では成り立たない。
対(つい)が必要なんだ、とオリーブは言っているように感じられた。

それは人かもしれないし、
誰かの思考や想いかもしれないし、
一つだけでは見逃されていた些細な事象かもしれない。

似てるけど違うものが出会って、
初めて結実する。
そんなオリーブたち。


初めて結実に成功したとき


ただし、悲しいかな、結実させたのはこれが最初で最後。

御覧の通り、鉢植えで苗木のオリーブなのでひょろひょろ。
結実してもあの写真以上に大きく成長させる力はない。
しかも実に栄養を持っていかれるので、結実させるだけ成長を遅くさせてしまってどうにもならない。

なのでウチでは、剪定をバチバチに行いつつ、蕾ができるゴールデンウィークくらいになると、実はおろか、花さえ咲かせないように全部取り去ってしまう。
全くひどい話である。


こんな感じにバチバチに剪定する
切口から病気が入らないように、お薬も塗布する

でもほら、上の写真より幹が太くなったでしょ?
これくらい激しくやっても再生する
自分でやっておいてなんだが、
いくらなんでもやりすぎだと思う

いつか彼らが実をつけられるくらい力がつくように、今はすこーし我慢してもらおうと思う。

あれだけ偉そうに結実の話をしておいて、実(身)も蓋もないことこの上ないね。

【あとがき】
今年の猛夏の影響か、2本のオリーブさんが突如葉っぱを落として丸裸に…来春での復活を期待しつつも、もうダメなのではという悲しみも…こんなとこまで2人でいかなくてもいいのよ?

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