ウクライナ問題

停戦は続かない

ミンスク覚書、ミンスク2のどちらも守られなかった。だから今回も停戦協定を作れたとしても守られないのでは?

ゼレンスキー大統領が停戦の条件とする多国による安全保障。自国を戦争に巻き込む可能性のある軍事協定にこれほど多くの国が参加するとは考え難い。各国の国会が承認するとも考えられない。ゼレンスキー劇場で拍手するのと、軍事協定に署名するのはあまりにも次元が異なることを理解すべきだ。ゼレンスキー劇場の好評で、自信過剰になっているように思える。

プーチン大統領は狂気の悪者とされ、ゼレンスキー大統領は英雄と称える人が多いが、本当にそうだろうか?

バイデン米国大統領の“くるぞ、くるぞ”というお囃子に乗ってロシアがウクライナへ振興。全世界で大々的に報道された、しかし、それより前の2021年10月にウクライナはトルコ製ドローンでロシアが実効支配する東部を攻撃していた。これに対応した侵攻というのがロシアの説明だ。さて、どちらが先に手を出したと判断すべきか?

ミンスク2の覚書を無視したのはどちらか?

ゼレンスキー大統領はドンバス地方の奪還を政策に掲げて大統領になった。だとするとゼレンスキー大統領は戦争をするために大統領になったのか?フランスやドイツが苦心した覚書に、署名しながら不満で無視したのはウクライナらしい。

世界は一方的にロシアを悪者扱いし過ぎているとが、喧嘩両成敗と考えないと合理的な停戦はあり得ないように思える。

ウクライナは古い国だが、数々の帝国にウクライナは翻弄されてきた歴史がある。ポーランド、リトアニア共和国、オーストリア=ハンガリー帝国、オスマン帝国、ロシア・ツアリー帝国などなど。

西側がポーランド、東側がロシアと国が分断されていた時代もある。この複雑な歴史ゆえに人種も多様に入り組んでいる。ウクライナにはロシア人も住み、ロシアには多くのウクライナ人も住んでいる。歴史を遡って国境を探しても答えはない。

プーチン大統領もゼレンスキー大統領も歴史を勉強するのは良いが過去に囚われて夢を国民に押し付けてはいけない。今回の戦争の結果、前からあったウクライナのロシアに対する恨みは一層深くなり消えることはないだろう。ゼレンスキー大統領が交代してもドンバス地方とクリミア半島の奪還を試み続けるかも知れない。

西側諸国は冷静に考えているのだろうか?

ウクライナに武器を供与することは人殺しを手助けしていることだ。弱者が強者にいじめられているなら弱者を助けるのは正義である。しかし、今起こっているのは戦争であり、悪玉と善玉の争いではない、双方に言い分があり、歴史がある。

勝敗のつかない戦争(人殺し)を応援するのは止めよう。死傷者を増やし、街を破壊し、憎しみを深くする。それを応援していることを自覚すべきだ。

西側は自分達の手を汚さずに中立地帯であるウクライナに代理戦争をさせてロシアの力を削ごうとしているとの見方もできる。しかし、それは核大国であるロシア、しかもプーチン大統領が権力の座についているときでは余りに危険すぎる火遊びであると思う。

西側が応援しなければウクライナは負けていたかも知れない。しかし、多くの人は死なずにすんだ。家も病院も学校も破壊されないですんだ。他国に難民として避難することもなかった。

そもそもゼレンスキー大統領が領土奪還の戦いを始めなければロシアの大規模な侵攻は起こらなかっただろう。

そんな戦争に応援した方が良かったと本当に言えるのだろうか?