見出し画像

わたしの小学生時代のはなし ①(記憶喪失)

小学低学年のとき。
私は習い事を沢山していた。
月曜日くもん、火曜日バレー、水曜日ピアノ、木曜日くもん、金曜日バレー、土曜日習字、日曜日スイミングスクール。1週間この繰り返し。

親は忙しくて、早く帰れないから
私に習い事をさせることで、私が一人で家にいる時間を無くしたかったみたいだ。
もちろん習い事の後に家に帰っても、誰も居ない家だ。冬場は寒くてコートを着たままご飯を食べた。

そんな生活を送っていたら不思議なできごとに合う。

気づいたら教室の中で、約30はある席の内の
1つの席についているのだ。

その日の朝の記憶、登校した記憶、今が何時なのか、授業は何限目か、季節は、仲良い子は誰か、何年生なのか、小学生なのか、今座っている席は「わたし」の席なのか、全部がわからない。
多分あの頃の私に、見知らぬ人が「あなたは、⚪⚪なんだよ」と言えば、「そうなのかなあ」と信じてしまう程に記憶が無くなっていた。
でも幸い、日常的な動作はできた。

直ぐに時計を確認した。周りが騒がしいから、多分休み時間だと認識。これから始まるであろう授業にビクビクし、回りをチラ見しながら周りと同じ教科書を机の中から探し出したのを覚えている。記憶を無くしたなんてバレないように、、なんて考えてた。

なんとなく、学校を終えて帰り道。
さあどうしよう。
どう帰るんだっけ。そうだ。仲良さげにお喋りしてくれた子に聞こう。「いつも、私ってどっちから帰ってるっけ。」(校門を出ると、右と左に延びる道がある。)もちろん、ちょっとへんな顔をされたけど教えてくれた。
帰り道もよくわからないのだ。ただ、「なんとなく」の感覚で、「なんとなく」の道を選んでいたら、「なんとなく」この家かな?というのにたどり着いた。

わたしのランドセル(と思われるもの)を開けて、鍵を取り出して鍵穴に差し込むと回ったので「この家なんだ」と理解した。家族が帰るのを待って「なんとなく」これが父と母なんだなあ。と思った。

それからは、全部が新鮮に感じる日が続く。
よく分からないなりに過ごしてたら、習慣になって、当たり前になった。

記憶喪失をしたのはこの一度きり。
また、記憶を無くしたらこのnoteが役に立つかしら。
記憶喪失のお話は、これでおしまい。