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理想のおうち

テレビドラマ「いちばんすきな花」

2023年は予想外に仕事が忙しく帰宅が22時を過ぎるから、地上波のテレビドラマはあまり見られずじまいの1年でした。秋クールに撮っておいた「いちばんすきな花」と「今日からヒットマン」を年末に鑑賞。

「いちばんすきな花」は、前半は偶然出会った男女4人がだんだん親しくなっていくストーリー。後半は実はその4人に美鳥さんという共通の知人がいると分かり、美鳥さんが加わった5人のストーリー。しかも美鳥さんは登場人物の一人・椿さんが住む家に以前住んでいたという設定です。

この「家」が作品の重要な位置づけにあり、登場人物みんながこの家に遊びに行きたい、ここに住んでみたいと思うことからストーリーは膨らんでいく、本当にすてきな理想の家なんですが。最寄りの駅が桜新町ということは世田谷区。二階建ての戸建てにお庭と駐車場、門もついていて、100坪を超えそうな敷地です。中古とはいえ、おそらく数億円するでしょう。そんなおうちをサラリーマンの椿さんがどうやって購入したのでしょう。夫婦共働きで、仮に両方の親が5000万円ずつ援助してくれたとしても、残金のローン、組めますか。しかも椿さん、出版社に勤めていて夕方5時半に家に帰宅しているくらい、昇進や収入や投資に熱心ではないタイプのようなのに。
椿さんが手放したあと、この家の主になる美鳥さんは、離婚のときの慰謝料があるというようなセリフがあったので買い戻せたのでしょうが、これも相当な慰謝料です。
サラリーマンが世田谷に親子三代で暮らせる広さの庭付きの門構えの戸建てを建てられたのは「サザエさん」の波平さんの世代までです。もちろん例外もあるでしょうが、もともと土地を持っているか、よほど成功しないと、あの広さはサラリーマンの収入だけでは維持できないのでは。
そんな余計なお世話な心配を抱いた以外は、「おじゃましました」「またおいで」のやりとりや、食べ物はコンビニの菓子パンやスーパーのお寿司やデリバリーのピザだったり、みんなで集まってコーヒーを飲んだり、親近感があって気負わずに見られる作品でした。こういうのが新しいファミリードラマになっていくのかもしれません。


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