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もやブロ #44 移住サポーターが越後湯沢でのシニア移住をお勧めしない理由

越後湯沢で移住支援・起業支援をやっております、きら星社長の伊藤です。

いきなりセンセーショナルなタイトルですみません(笑)
そして気分を害された方すみません。ここから先は、老後に移住して田舎暮らしをしたいと考えている方にとってはかなり辛辣な内容になっていると思いますので予め、心臓の弱い方は読み進めることをおやめ下さい。

下記の通り、いろんな情報発信をすることで、移住者を増やしてきた私たちですが、逆に移住を抑制するような記事を書きます!

多すぎるシニアからの問合せ

さて、当地・越後湯沢は全国屈指のリゾートマンション林立地帯。
人口8000人の町に、15000戸ほどのマンションがございます。

しかもそのマンションが、安いものだと10万円から売られているというのだから、年金暮らしのお年寄りが「それならば」と検討してみようというのは当然のことかもしれません。

私たちの移住サイトを通じ、移住を実現した方の8割は20〜40代の方ですが、それ以外の問合せ手段(主に電話など)は圧倒的にシニアが多いです。

シニア移住の理想と現実(生活編)

では、湯沢町のリゾートマンションにシニアが移住してどうなのか?というところなのですが・・・・参考までに弊社サイトの「暮らす」から抜粋。

【雪】
11月~5月までは雪があり、2mも積もります。服・靴・車のタイヤなど、冬の装備が必要に なり、住まいによっては雪かきや屋根の雪下ろしも必要です。

リゾートマンションでは、基本的には雪かきは不要ですが、それでも自分の車の雪下ろしくらいはしないといけません。あとは、外出時には滑るのでスパイク付きの長靴などがおすすめです。冬のおでかけのための装備は、いくらマンションの売買価格が安くてもかかりますよ。

【買い物】
スーパーやドラッグストア、コンビニは十分にありますので、普段の買い物に不便はありません。衣料品、雑貨、家電、子供用品などは店舗数が多くないため、ネットで購入する習慣がある方は不便なく暮らせます。

ネットスーパーで対応します!という、シニアの方の代理の方からのお問合せがたまにありますが・・・本当に大丈夫ですか?確かに、うちのマンションには80代で楽天市場をバリバリ使いこなすおばあちゃんがいますが、彼女みたいな方がどれだけいるんでしょう。電話で問合せをしてくる時点で、疑ってしまいます。

【医療】
高度医療は十分ではないため、健康に心配がある方にはお勧めしていません。内科や歯科などの基本的な医療は地域で受けられ、浦佐地区の魚沼基幹病院は診療科目が多く対応しています。
都会に比べるとどうしても病院の数は限られてしまいます。

記述の通りです。ガンとか、心疾患とかは、湯沢病院では対応できません。「今は」健康でいいかもしれませんが、そうなったときに独居で大丈夫ですか?ほんとに。

【交通手段】
買い物や病院、通学・通勤などは車で移動するのが当たり前。車なしでの生活もすることができますが、越後湯沢駅周辺、六日町駅周辺、浦佐駅周辺などの駅徒歩圏が中心です。湯沢のマンションではスーパーへのバス運行をしていることも。

いつまで車を運転できるつもりでしょうか?もしくは、家族がいるならともかく、独居で公共交通機関オンリーで対応していくと結構大変ですよ。

シニア移住の理想と現実(マンション編)

さきほど、マンションが10万円とかで売られているという話はしましたが、管理費・修繕積立金が毎月かかります。1Rの小さいお部屋で1万〜2万くらいのところが多いです。マンションによって変わります。あとは、水光熱費も雪国なので、冬場で最低2〜3万円は見とくといいんじゃないでしょうか。

あとは固定資産税も、田舎の古い一軒家でしたら年額1万円もいかないところが多いですが、湯沢のマンションは1Rの小さいお部屋でも4万円くらいはします。

まずは「安いから」という理由で湯沢のリゾートマンションを検討している方がいらっしゃったら、不動産屋さんのWebサイトを見てみてください。基本的には、こういった費用を「出し続けられる」だけの蓄えやベーシックインカムがある方向けの物件になります。

あと、狭いお部屋だと、
・洗濯機置き場が部屋にない(洗濯物は館内のコインランドリー、1回100〜300円とマンションにより価格はバラバラ)
・設備は基本的に古いので自炊の場合はキッチンリフォームなどが必要
・リフォームしなければ、水光熱費も高いまま
そもそもリゾート利用向けなので、バリアフリーではない
など課題はたくさんありますよ。

若くて体が動くうちはいいと思います。
ですが老後の終の住処にと考えているならば、そこまで考えていますか?

正直、お話をしていて目先のマンションの価格のことばかりで、そこまで検討ができていなかったり、デメリットをお伝えすると逆上されたりというケースが散見されます(苦笑)

シニア移住の理想と現実(仕事編)

あと、多いのが下記のようなお問合せ。

66歳です!終の住処に湯沢のマンションをと考えていますが、仕事はありますか?

仕事の物量が多い首都圏でも、シニア歓迎の職場ってそんなにありますでしょうか?

仕事はありますが、何ができますか?

ホテルやマンション等の清掃ですと、シニアの方でも活躍されていたりします。あとは調理場など。

何がありますか?と言いつつ、現場仕事は嫌がる人が多いです(特に男性)。じゃあ、何ができますか?

こういった場合、下記のようにご対応いただくとスムーズです。

66歳です。
終の住処に湯沢のマンションをと考えています。
今までは●●業界で▼▼や**ということを〜〜年やっていました。パソコンもオフィスソフトの利用も問題なくできますし、体力もあります。パートタイムで職種は選ばず、現場仕事でも冬季のリゾートバイトでも良いのですが、仕事はありますか?

例のように事前情報があると、まだなんとかなるかなあという気はします。

まとめ

もちろん、シニア移住をされる方でも、計画的に・ご自身のキャパ等を知った上で・お問合せいただく方に関しては懇切丁寧にメリットデメリットをお話した上でご判断いただけるように情報提供させていただきますが。

中には、話が通じなかったり、高圧的な態度だったり、とんでもな方もいらっしゃったりする確率が高いです。あとは姥捨山的に、老親を入れようというようなお子さんからの問合せなんかも正直あったりします。

人間関係が比較的都会的で薄いリゾートマンションではありますが、そこは小さな社会。小さな社会の和を乱しそうな方は、正直、ここには向かないので、いったんプランを見直しされることをお勧めします。

こういうところを参考にしながら、終の住処探しは計画的にお願いしたいと思います。


「魅力的なまちで溢れかえっている世界を」作り「地方で暮らす人を増やし消滅可能性都市をなくす」ことをミッションに動くまちづくり会社社長。湯沢町で暮らす2児の母でもある。