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診断メーカーを使ったソロジャーナル作成のすゝめ

診断メーカーって何?

おもしろ診断投稿サイトを自称するWEBサービスです。
公式には以下のように説明されています。

診断メーカーは、オリジナルの診断・占いをだれでも投稿できるウェブサイトです。

https://shindanmaker.com/

こういうの見たことないですか? こういうのです。

神谷涼先生による自作TRPGのセルフ二次創作診断の結果の一例

こういう感じで、事前に用意しておいたパターンからランダムに結果を表示する診断を簡単に作ることができるのが、診断メーカーです。

ソロジャーナルって何?

Alpha(@_a_lpha)さんによる定義を引用します。

"ソロジャーナル"とは
決められたシチュエーションの中で、トランプやダイスによるランダムなお題に沿って物語を紡いでいく一人用のゲームです

https://twitter.com/_a_lpha/status/1559754321759473664

ゲームのルールによって定められたシチュエーションランダマイザを使って物語を作っていくゲームということですね。

ランダマイザとは、ランダムな結果を生成するもののことを指します。
例えば、ダイスとかルーレットとかですね。マジシャンではない人がよくシャッフルしたトランプの山札から一番上のカードをめくったとき、そこにはランダムなカードがあるはずです。

ん? ランダムな結果……?
それってこのページのどこかで見たような……?

ここだ!

ということで、診断メーカーをランダマイザとして利用するソロジャーナルを作りましょうぜ。というのが本稿の趣旨になります。

え!! 診断メーカーでソロジャーナルを!?

できらあっ!
と言いますか、以前にもう作りました。
幼児を育てていて、ボードゲームやTRPGで遊ぶ時間は勿論、ソロジャーナルを遊ぶ時間の捻出も厳しく、5分あれば遊べるソロジャーナルを作りたい! というモチベーションで作成したのがこちらです。

診断メーカーでランダムな結果を出力し、その結果自体がシチュエーションの指定になっている。という非常にシンプルなソロジャーナルです。
診断メーカーはSNSと相性が非常に良好なので、結果がSNSに蓄積することで世界観が広がっていくように意図しています。
本当に5分で遊べるので、気になる方は是非。

ソロジャーナルにおけるランダマイザの役割

少し話を巻き戻して、ソロジャーナルにおけるランダマイザの役割を整理しておきます。私見です。

①展開の多様化

ゲームの展開が同じにならないようにし、遊んだ人によって、遊んだ日によって、異なる体験を提供します。

②射幸性を煽る

ダイスを振るのって楽しいですよね!
大した労力もかけずにある種の結果を得られます。これが気持ち良くないはずがありません。

この2つがソロジャーナルにおけるランダマイザの大きな役割だと思っています。
TRPG寄りのソロジャーナルでは難易度の調整にランダマイザを使っていることもありますし、上手い作者はランダマイザを作品のシチュエーションと結び付けて雰囲気作りに利用している場合もあります。
ただまあ、重要なのは上の2つかな、という認識です。

そのうえで、何故ランダマイザに診断メーカーを用いるのか、を論じていきます。

ランダマイザに診断メーカーを用いるメリット

手軽さ

これは説明が容易ですね。
ダイスを振って出目を合計したり、トランプをよくシャッフルしたり、ジェンガの塔からブロックを引き抜いたりするのに比べて、診断メーカーで判定をするのは明らかに手軽です。
しかも、診断メーカーならダイスやトランプのカードと表を見比べて、どういう結果が出たのかを調べる必要がありません。結果は既に画面に表示されています。

手軽であるということは、先のランダマイザの役割の①②の両方の効果を高めます。

結果を素早く取り出せれば、リプレイ性が高くなります。
手軽に遊べるということは何度も繰り返し遊べるということでもあります。
何度も遊ぶことで展開の多様化の恩恵をより多く受けることができます。

射幸性とは「努力によらず、偶然によって結果を得ること。または、それを望む欲心」を言います。
努力によらず、です。
手軽であるということは、それだけで射幸心を高めます。

複雑さ

診断メーカーで診断を作成したことのない人は、ほとんど知らないんじゃないかと思いますが、
診断メーカーには多様な結果を出力するための、あるいは出力結果をコントロールするための様々な関数が存在します。

診断メーカーには、関数だけをまとめたページが何故か存在しないため、紹介がしづらいのですが、Excelでもお馴染みのIF関数MAX関数/MIN関数SUMIF関数などが用意されています。

これらの関数を利用することで複雑で矛盾のない結果を出力することができますし、完全なランダムではないレアリティの高い結果を用意することも可能です。

こうした複雑さが展開の多様性に寄与することは明らかです。
また、通常であれば、ランダムな結果を複雑にしようとすると、結果を求めて参照する表が複雑になってしまい、見やすさや簡単さが犠牲になってしまいかねませんが、診断メーカーであればその心配も無用です。

そして、レアリティを操作できるということは、射幸性をコントロール可能ということでもあります。

ランダマイザに診断メーカーを用いるデメリット

デメリットもあります。
前述のように、ソロジャーナルにはそのランダマイザ自体がゲームの雰囲気作りを担っている場合があります。
例えば、The Wretchedという有名なシステムはトランプの他に、ジェンガ(tumbling block tower)を用いるところが特徴的です。

ジェンガの塔が崩壊しかねないというスリルが、宇宙で死を目前にしているキャラクタの状況と重なる素晴らしいデザインです。

診断メーカーでは、こういうことはできません。
トランプをテーブルに広げて地図に見立てたり、袋の中からダイスを取り出すことでお宝を得るかのような体験をさせたり、といった工夫は物理的な媒体の強みだと思います。

時系列的な展開に欠けることも欠点です。
特定の条件をクリアすると次のステージに移る、ようなことは単一の診断メーカーで実装することは困難です。

映えないとか、BoothとかTALTOで販売できないとかもデメリットです。

まとめ

最後に少しデメリットにも触れましたが、ソロジャーナルと診断メーカーは好相性なので、もっとみんなも診断メーカーでソロジャーナル作ろうぜ! という呼び掛けでした。

余裕があったら、実際に診断メーカーを使ったソロジャーナルを作る様子を記事にしたり、診断メーカーの関数の解説をしたりもしたいと思っています。

以上!

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