見出し画像

強風吹き荒れる中の野鳥たち

2月下旬の東京は雨続き。
天気予報で、久しぶりに明日は晴れと告げていた。
3連休は仕事に研修で忙しく、明日午前中は久々のお休み。
強風が気になるが、むしろ風の強い日に野鳥たちはどうしているんだろうと気になる。
早朝風が吹き付ける音に起こされ、いつもの公園へ出かけた。

モコモコなアオサギが迎えてくれた

7時過ぎに公園に到着。
晴天だが、この日の平均風速は15m/s。
強風が吹き荒れ、時折突風が吹き抜ける。

木の枝が風に流されている
水面は大荒れ。水鳥たちが波に翻弄されている。
ユリカモメもバランスを取るのに一苦労
キンクロハジロの冠羽がなびいている

水面が荒れる中、渡り鳥たちは極力体力を温存したいのか、いつものように陸で水面で、休んでいる。
飛び立つ鳥たちは、風に押さえつけられてなかなか高度を上げられなかったり、逆に風に流され風下へピューっと飛ばされたりしている。
強風の中を飛ぶのはやはり難しそうだ。

園内を歩いていると、草むらに何かが落ちている。

キジバトが落ちていました。

落ちていました、じゃなくて。
余りに無防備すぎる姿で微動だにしないキジバト。
もしやけがをしているのかと心配し近づいてみる。

赤い目がジロリ。生きてた。

風を避けるようにうずくまっている。
この格好、上空からタカに狙ってくださいと言っているようなもの。
寒いのは分かるけど、大丈夫かな。
心配しつつその場を去る。

他にも園内あちこちにキジバトが「落ちていた」。

ここにも
ここにも

普段は地面で元気に餌を探しているキジバト。
彼らは風が苦手なのかな。

風を歓迎しない鳥がいる一方で、強風が吹くたびに元気に飛び立つ鳥たちがいた。
カラスとカワウだ。

カラス達は風に乗って遊んでいるように見えた

「風乗り」を楽しむように上空を流れていくカラス。
彼らの遊びの一つなんだろうか。
風に乗って1秒に15m以上移動できるなんて、スリル満点なんだろうな。
肝試しをしているのかもしれない。

カワウもあちこちで飛んでいる
身体に似合わずコバルトブルーの眼。カワウ

カワウは風に歯向かう労力をいとわず、強風が吹くたびに水面から飛び立つ。
風を利用して遠くに行こうとしているのかな。
それとも、単に羽を乾かしたいだけなのだろうか。

時折吹く突風は20m/s以上。
立っているのも辛く、構えるカメラも風に持っていかれる。
そんな中小鳥達はいつも通り姿を見せてくれた。
身体が小さい方が風の影響も少ないんだろうね。

風で地面に落ちた種を食べるシジュウカラ
あちこちにシジュウカラ11羽。通り抜けるのに気を使うんだけど。
逃げたいのに強風で動けないハクセキレイ。吹き上げられるお腹の羽根。
強風で枝にしがみついていたカワラヒワ。動く枝にいる彼らを撮るのは難しい。
定番ツグミは地面で餌探し
ツグミの横にシメがいた
アオジも葦の根本で餌探し
木陰で風を避けるモズ子さん
エナガもいつものように群れで移動していた
このあたりが縄張りのジョビ子さん
別の所でジョビ男さんもみつけました

ジョウビタキ♂は今年初めて。
もっとゆっくり見ていたかったが、突風が吹いた瞬間プィッといなくなった。
さらに歩いていると、遠くの枝に赤い鳥が留まるのが見える。

アカハラだ

初めまして、アカハラ。
シロハラと同じツグミ科。よく似ているが、暗い林でガサゴソするのが好きなシロハラに比べ、開けた場所を好むという。
「アカハラ」ときくと、「アカデミック・ハラスメント」が反射的に頭に浮かぶ私。
昨今の「ハラスメント」ブームに心が少々疲れているようだ。

冬鳥たちはそろそろ北へ旅立つ準備を始める頃。
もう少し帰るのを待って欲しいなと思いながら彼らを見送る。

水面を眺めながら、温かいお茶で身体を温める

この日の東京は、最高26m/sの風が吹いたらしい。
こんな天気に鳥を見に来る物好きは少ないようで、静かに野鳥観察ができた。
風に負けずに生きている野鳥たちの姿にホッとする。

翌朝の私を起こしたのは風の音ではなく「全身筋肉痛」。
強風相手に4時間。無意識に全身の筋肉を酷使していたようだ。
やっぱり風の無い日に鳥を見に行こうと、心に決める。

アオサギ「風強くて目開けてられへんわ。花粉も飛んでるし。」

この記事が参加している募集

散歩日記