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さよポニの話(番外編)「おはようツインテールをご存知?」

 3ヶ月ぶりですね。毎日暑いです。今回はさよならポニーテールの派生ユニット,「おはようツインテール」の1stアルバム「綺羅星」についての記事です。さよポニとはひと味違う,ちょっと大人なサウンドと共に夏の夜を過ごしませんか?

そもそも「おはツイ」とは

  このサイトを引用すると,

さよならポニーテールの楽曲制作メンバーが関わる新たな音楽プロジェクト。ボーカルメンバーはさよポニとは全く別の女性3人組のボーカルグループ。

とされています。今回のアルバムに関しては,プロデュースはクロネコ,作詞作曲はふっくん,アレンジはマウマウといった,さよポニすこすこ侍にはおなじみのメンバーが関わっています。一方,ボーカルはりぃこ,よっちゃん,まぁみんの3人。こちらは全くしっくりこない。

 おはツイに関しては,さよポニ公式のツイッターも

こんな感じなので安心しました。安心したところで何も解決はしていませんが。そんな彼女たちは2014年3月に「余命365日のポニー」をYouTubeに投稿。それ以来7年越し(!)で今回の1stアルバムでデビューとなっています。

1stアルバム「綺羅星」

 そんなおはようツインテールの記念すべき1stアルバム「綺羅星」について。全9曲,先ほど書いたように1曲を除いて作詞作曲はふっくんですが,全曲をアレンジしているマウマウの手によってさよポニとはひと味違うメロウでシティポップな印象に仕上がっています。さよポニには夕暮れが似合いますが「綺羅星」は完全に夜です。

 1曲目は「世界にチャイムが鳴り響く」。こちらはYouTubeにMVも上がっています。

 アルバム1曲目にふさわしいテンションの上がる曲。マウマウアレンジの傾向なのかベースがぐいぐい引っ張っていきます。エフェクトのかかったコーラスや多用されるシンセなどさよポニとは一線を画したメロディーです。

きみのななめな笑い顔 まっすぐに見つめたら
心はもう どこへでも行ける

のフレーズがすごく好きです。

 勢いそのままに2曲目の「素敵なウィークエンド」はノリノリのパーティ賛歌。「渋谷ハンズ前」や「オルガン坂」といった固有名詞が出てくるのが印象的。そして3曲目は聴いた人の間では名曲と話題になっていた「また恋におち」。歌詞はさよポニ的な別れを振り返るような内容ですが,アレンジの妙でぐっと大人っぽく仕上がっています。よく知らないけど90年代のアイドル感を感じてしまいます。ベースがどっしりサウンドを支えているからサビの透明感が引き立つんだろうな,と思ったり。いい意味で起伏がないのでずっと聴いていられます。

 4曲目の「きっと,みつけて」は上がったテンションをすっと落ち着かせる3分足らずの短い曲。

遠い昨日 ハーバーでまた出逢う
遠い明日のメビウスの輪の先で
つながっている
きっと,みつけて
光の庭で

という歌詞,「どこかで聞き覚えが…」と数日悶々としていましたがさよポニイラスト集「ひみつの時間」に載っていた詩でした。このイラスト集は当時まだ未発表の歌詞があったり,用語集もついていたりしているのでさよポニすこすこ侍の方はぜひお手に取っていただきたい1冊です。

 5曲目は「ラブシック・ジェラート」。イチオシです。この曲は実はカバー曲でオリジナルはゆゆのソロユニット,「ゆゆとマジシャン」です。この曲が出たときは「ふっくんあたりが書いているのかな」なんて思っていましたが,みぃなとルーチの例を見るとゆゆ本人が書いているのかな,なんて思ったり。もっと聴きたい。この曲はゆゆマジ版とおはツイ版どちらもYouTubeに上がっているのでぜひ聴き比べてみましょう。

 ゆゆマジ版は透明感と疾走感を前面に出したアイドル感あふれる正統派。ベースをブイブイいわせてぐいぐいグルーブしているおはツイ版は気だるさも相まってちょっと大人びた印象。歌詞もとっても甘酸っぱくてたまらないです。

 6曲目は「ふたりぼっち」。こちらはさよポニのカバーとなっています。こちらもYouTubeで聴き比べできます。

 さよポニ版はボーカルに岸田メルを迎え混声となっています。この曲は「お彼岸ソング」と位置付けられていたこともあり,切なめの曲調となっています。音数も少なめで混声ボーカルの掛け合いを最大限に活かした仕上がり。一方のおはツイ版は,エフェクトがかったコーラスやシンセを多用したエレクトリカルな曲調でロマンチックな仕上がり。こうして聴き比べてみるとおはツイの目指した立ち位置が何となく見えてきたり?

 7曲目はデビュー曲(?)の「余命365日のポニー」。こうやってまじまじと聴いてみると最初から個性が図抜けてるなぁと。テーマ的にはさよポニ最初の曲,「思い出がカナしくなる前に」に近い印象。暗いです。一方サウンドはとってもポップなエレクトロサウンドというギャップ。

 さよポニの「思い出がカナしくなる前に」とおはツイの「余命日の365日のポニー」,それぞれ同じようなテーマの真逆の曲調の曲をグループ最初の曲としているのはそれなりに意図がありそうですね。クロネコ氏はこういうことするの好きそう。

 8曲目の「夜の宝石」もしれっと名曲。シンセの出だしからボンゴ(?)が入ってボサノバチックな曲調。そこに滔々と,しっとりと歌い上げるのはおはツイならではの世界観。めちゃくちゃ沁みる。この後のラスト曲,「また恋におち」のベルのインストとのつながりも素晴らしく「あぁ,いい1枚だった…。」で終われます。インスト版の曲名に「reprise」ってついているのもなんだか粋でいいですね。

おわりに

 というわけで今回はおはツイ1stアルバム「綺羅星」についてでした。ぐっと大人っぽく,メロウなサウンドは夏の夜にピッタリではないでしょうか。クロネコ氏は今後のリリースも考えているみたいなので次作にも期待大ですね。

 個人的には「夜間飛行」や「あの星」といったメグサウンドとの親和性高そうだなーなんて思っているのでメグ曲のカバーとか期待しています。おはツイ版の「フローティング・シティ」とかめちゃくちゃ聴いてみたい。まあ直近は今年のさよポニのリリース関係に注目ですかね。

 以上,お納めください。

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