見出し画像

音楽#3「さよならポニーテール ~みぃなとふっくんのシーズン~」

 前回の続きです。今回は第1シーズン,神さまが「ゆりたん」から「ちぃたん」に代わるまでについてつらつらと書いていきます。このシーズンは一言にすると「みぃなとふっくんのシーズン」と言えると思います。そして,「別れ」,「魔法」,「放課後」といった今のさよポニに通ずるキーワードが出てきて今のさよポニのベースができたシーズンです。

このシーズンの概要など

 このシーズンに発売されたアルバムは「モミュの木の向こう側」と「魔法のメロディ」,「青春ファンタジア」の3枚です。ミニアルバム「なんだかキミが恋しくて」もあります。これらのアルバムでは,みぃながリードボーカル,あゆみんとなっちゃんがコーラス等のサポートといった編成がメインです。ちなみに前半2枚のアルバム時点ではゆゆ,しゅかは加入していません。

 このシーズンの代表曲といえば前回の「遠い日の花火」や「ナタリー」,「ぼくらの季節」といったところでしょうか。

 いずれも学生時代に体験できなかった青春の追体験や,儚い片思い,別れの寂しさのようなものの印象の曲が多いです。特に,切なさや寂しさを歌いあげた心に迫る曲たちは唯一無二と言ってよいほどのパワーがあります。そしてそれを支えているのが「みぃなの拙いながらも心を掴む歌声」と「ふっくんの心をなぞるような歌詞」なんだと思います。

みぃなの拙いながらも心を掴む歌声

 「拙い」といっても別に下手とかそういう意味ではないんです。「あどけない」といってもいいかもしれません。とはいっても大きめのブレスや低音スローテンポ時の鼻濁音といった癖は強めで,良くも悪くも等身大の女の子感のある歌声であるとは思うんです。この歌声がさよポニの世界観とかなりマッチして切なさを増しています。さらにそこにあゆみんやなっちゃんのコーラスが入るとそれはもう魔法の域に到達します。初期2枚のアルバムは特にこの傾向が強いです。

 初期のアルバム「モミュの木の向こう側」の中の一曲「思い出がカナしくなる前に」です。さよポニのバラードのなかでも特にみぃなのらしさが際立っている一曲です。最近のみぃなはゆゆやしゅかの加入もあってほとんどの曲をメインで参加していたこのシーズンほどの印象の強さはないですが,依然としてエースの座に就いていると思います。

ふっくんの心をなぞるような歌詞

 ふっくんの歌詞は何というか説明がなかなか難しいです。新しさとかよりはどちらかというと懐かしさに寄ってていて,シチュエーションも青春モノとしてはありふれていてシンプルです。それなのにどうしてこんなにも心を掴むのか,それは先述したみぃなの歌声が貢献しているのもありますが,当然メロディーや歌詞といったところにも理由はあると思います。

 そしていろいろ悶々と考えていると,ふっくんの歌詞は世界観を投影したものであると同時に「自分の思い出を振り返るトリガー」になっているんじゃないか,という結論に至りました。ありふれているから,シンプルであるが故に誰もの心にひっかかり,そしてなぞるようにさよポニの世界観と重なっていく,そんな体験ができるのがふっくんの歌詞なんじゃないかなと思うようになりました。懐かしさもそういったところからきているのでしょう。

つまりは

 みぃなの等身大の歌声とふっくんの自分の思い出を振り返るトリガーによって自分の青春時代が再現され,そこにさよポニの世界観が重なります。その状態はまさに魔法です。心動かされずにはいれません。これがこのシーズンの最大の魅力なんじゃないかと思います。

おわりに

 今回はみぃなとふっくんのシーズンだ!ということで書いていきました。自分の中では特に初期2枚のアルバムの印象が強いのでこういった見方になっています。このシーズンの終盤にかけては先述の要素に加えて,「アイドルらしさ」が目立つようになり,第2シーズンへと突入します。それはまた次回に。

 以上,お納めください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?