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乳がん経験後に変わった恋愛・結婚観

実体験を出すのは結構勇気が必要でした。でも、とても大切なことなので本音を書きます。

患者はパートナーとの関係に不安がある


乳がんの経験を経て、体が変わったと感じること、少なからずあると思います。
私は部分切除で割と狭い範囲だったので、目立って大きく変形はしていませんが、それでも、左右差がある胸と7cmほどの傷口を見るたびに、自分が乳がん経験者であることを痛感させられます。

特に、パートナーとの関係に関する不安は、多くの方が抱えること。
・こんな自分でも愛されるのだろうか
・今まで通り性生活が楽しめるのだろうか
・自分の体を見て拒絶されないだろうか
・病気のことや気持ちをうまく伝えられるだろうか  
・離れていかないだろうか 
…等々、なかなか周りに言えず、言っても望むように共感してもらいにくいことも多々。
私も経験しています。

私は乳がん発覚時にパートナーがいました。
相手のことを考え、背負わせたくなくて別れる決断をしようとしましたが、「何があっても君を支える」と言ってくれて関係を続ける選択をしました。その時の言葉がとても励みになり、今も心から感謝しています。

子どもを望むかどうかの話題は特にデリケート

術後も変わりなくお付き合いしていましたが、”子どもを産めるかどうか分からない体になるから卵子凍結するかも”ということは、どうしても彼に相談できませんでした。
がん告知前に「子どもはできれば欲しいね」と2人で話していたことがあったからです。

妊孕性温存のための卵子凍結は、婚姻関係がなくてもパートナーとの受精卵の凍結が可能なことを知っていました。
その彼とはがん告知前は結婚の可能性がかなり高かったのですが、聞くのがどうしても恐く、何も言わずに2回の卵子凍結を終わらせました。

その後、自然な形で方向性の違いがありお別れしてしまいましたが、今も友人付き合いをしていて関係は良好。とても良い思い出です。

「こんな私を愛してくれる人なんていないんじゃないか」と自暴自棄になっていた時期もありましたが、PNTを受講した今は「私に合うパートナーは絶対いる」と思えるようになりました。

出会った男性に早めに自分の病気のこと、体のことを言うと決めていますが、好かれたいと思うと言葉が出てこないことも…。
また、「子どもが絶対欲しい」と言われてしまうと何も言えず、引くしかなくなり切なくなることもあります。(とはいえ、誰と結婚しても子どもができるとは限らないですが)
自分からその人を求める前に、「子どもができてもできなくて、君と一緒にいたい」と言われることを望んでいて相手次第な思考があり、何のためにそう思うのか、引き続き自分の心との対話が必要だと思っています。

私が子どもを作る準備をすること=治療のホルモン剤をやめること
にあたるので、すぐには判断ができないですが、そういう話がパートナーと出たら、作る努力はしてみたいし、誰かを愛したいと思っています。

乳がん患者のパートナーや男性側に伝えたいこと

乳がんの手術で胸が変形したりなくなる事は、散々悩んで考えた上のことで「生きる選択をした証」です。
ですが胸は女性の象徴のひとつで、分かりやすく目に見えるがゆえに、多かれ少なかれプライドが傷つきます。

『胸なんかなくてもいいよ』とか『傷跡なんか気にならないよ』という気遣いに思える言葉は、私は言われて嬉しかったですが人によっては傷付くくらい、個人差があり非常にデリケートです。
どうか、ただただパートナーの決断を認めて、傷跡を讃えてあげてください。
どんな胸になっても、その人自身をみて抱きしめてあげて欲しいのです。
いち経験者としては、自分が好きな相手には、決めたことに寄り添って話を聞いてくれてそばに居てもらえることが何よりも力になります。
手術後の痛みや覚悟が全て男性に分からないことは当然なので、そこは気にせずに。
これができると女性からものすごく信頼を得られ、良好なパートナーシップ関係でいられます。よろしくお願いしますね!

術後の性生活についてもいろいろ思うところがありますが、これこそ最もセンシティブな話題。いつか患者同士でシークレットのお話会もしたいと思っています。(興味ある人いたら教えてください!)


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