ささやかな俳人

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俳句集2

食パンに植物性の朧月 観覧車長し亀鳴く二人きり スポンジの指かたどりて春惜む 廃校に組まれし足場チューリップ 信号の青に変わりて笹起きる 永き日の慣れし足取り宮詣で 贅肉を手ぐさに春の終わりかな フラれたら桜隠しの積もる積もる 春愁を拭える赤きタオルかな

    • 俳句集1

      キャラメルの角やわらかき春の風 チョコレート無くともバレンタインの日 啓蟄や授乳室へと急ぐ人 たんぽぽの絮心から笑えた日 呼名の音割れ卒業式は晴れ 三叉路の急ブレーキに散る桜 猟名残いつもの顔と電気風呂 シューズが「キュッ」と春雷のシャトルラン 会心の当たりはライトゴロの春 春塵や出生数は過去最少 左目の開かぬボクサー蜆汁 ダブルベッド選ぶ遅日のニトリかな 物臭に回る水車や蝶の昼 ブランコを漕ぐ生きている生きている