NHKの番組『空港ピアノ』がお洒落過ぎて思春期の十代くらい楽器ひけたら格好いいなと思った

 どうもMr_noiseです。
最近腹を下し気味だわ、仕事で失敗するわで、ストレスを抱え気味で、眠れずに平日夜更かしをかましていた日にたまたまNHKを観ていました。そのときにやっていたのが『駅ピアノ』と『空港ピアノ』という番組です。

 そのまんま駅と空港に置いてあるピアノにカメラを取り付け、演奏した人にインタビューをするという番組なのですが、まず『駅ピアノ』第一回の場所がチェコのプラハ。音楽知識の薄い僕でも知っている音楽の都です。

 駅にあるピアノに通りすがりで座り、弾く演奏の上手いこと上手いこと。演奏者の人は社長さんだったり保育士さんだったり歌手の息子だったりと本業で音楽しているわけではないのに聞き惚れるレベル。正直、これを駅で無料で聴いていいの?周りの人たちは演奏をスルーしているけど、プラハではこのレベルが普通なのかと驚きました。演奏者の人たち曰く、プラハの人たちはみんな楽器が弾けるのだとのこと。日本人みんな空手・柔道・忍術できるレベルのデマじゃないんだそれと思いました。

 この番組では演奏が開始されると、曲名と作曲者が表示され、演奏中は演奏者の人となりやいつ頃ピアノを始めたかや音楽との向き合い方がテロップとして流れます。純粋な音楽の楽しみ方からは逸れるのかもしれませんが、それがまた演奏の意味を推し量れていいんですよ。この人は今過去を振り返って弾いているんだなとか、今日はダンス教室が休みだから音楽を楽しむ手段として弾いているんだとか。駅でピアノ弾いている人ってこんなことを考えてるのかとたまに日本でも見かけるけど、演奏だけでは知れない一面を垣間見えることができる構成になっていました。

 そして僕が痺れたのが『駅ピアノ』の直後にあった姉妹番組『空港ピアノ』のノルウェー・オスロ空港の回でした。正直、チェコのプラハを観た直後に他のを観ても見劣りすんじゃないかなと思っていました。

 しかして、僕はお洒落過ぎて戦慄します。ルーマニアのそり競技オリンピック選手がピアノの前に座り、演奏を始めました。彼はそりの前にピアノをはじめ、13歳のころにピアノではなくてそり競技のリュージュを続けることを選択したそうです。この時点で演奏の上手さからピアノにも本気の姿勢を向けていただろう過去の熱意が感じられ、この人が人生で重ねてきた選択の推移が察せられました。今は次のオリンピックでメダルを狙っているけど、最近ピアノが弾きたくなってきて、家で弾いたりしているとのこと。この人にとってピアノをやっていたことは今の力にもなってんだな。そして、そり競技とピアノってなんだよ、そのずるいギャップ。同性でも格好良すぎて、若干この人のことを好きになりそうでした。

 そのイケメンそり競技選手の演奏が終わると拍手が起き、一人のおばちゃんが握手を求め、「いい演奏だったわ。すばらしいテクニックね」と声をかけていました。今まで観衆の反応はあまり映されていなかったので、カメラがあるのを知ってての野次馬的な行動をカットできなかったのかなと僕は邪推していました。しかし、そのおばちゃんもピアノの前に座り、演奏を始めます。曲の題名が出ないのでなんだこれと思っていたら、彼女が今感じたことを演奏している即興曲とのこと。やさしくてかわいい音色でした。彼女は世界中で展覧会をしている画家さんだとのこと。そり競技+ピアノの後に画家+ピアノ+即興曲だと。出会うはずのない二人が片方の演奏に惹かれ、続けて演奏をして新しい音楽が生まれただと。フィクションだったら盛りすぎな設定がノルウェーのオスロ空港では起こるらしい。

 この後もクラシックの有名曲をジャズに自己アレンジして弾く大学教授とか、単身赴任しているお父さんが娘と別れた後に弾くポップスとかあったのですが、格好いいとおしゃれしか言葉が出ません。

 十代に思い、大人になって思う凡百な願望、ピアノ弾けたら格好いいよなを具現化したような番組でした。再放送だったようなのですがいい番組だったので毎回見たいです。

ああもしもピアノが弾けたなら駅でラグタイムとか弾いてドヤりたいMr_noiseの番組感想でした。

#コラム #エッセイ #テレビ番組感想 #駅ピアノ #空港ピアノ

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