出雲大社の神主と私

ブラタモリを観ていたつい先ほど突然昔の記憶がちらりとよぎりました。もう30年以上前高校の修学旅行で出雲大社を訪ねたときです。おみくじをみんながお金を払って引いていたので私も引いてみました。おみくじ売場になぜか偉そうな神主さんがいて「何が当たった?何て書いてある?」とおみくじを引いた人たちにしつこく聞いているのです。変な人と思っていると私のところへきて「何て書いてあるの?早く開きなよ。」と図々しいしうるさい。金はらって引いたのは俺なんだからと無視してると「早く開きなよ」とうるさいので畳んだおみくじを開くことになりました。開いてみるとなんと「大凶」!
えぇぇっとおみくじを見つめてると先程の神主がどれどれとのぞき込み「おおっ!ここにあったか!こりゃすごい。みんな大凶がでたぞ!」と大声で叫ぶと神主仲間をトランシーバーで呼び出すは参拝の道行く人たちを呼び止め「すごいもんが出たぞ!あんたたちもみてきなさい!」と僕の大凶のおみくじを見せびらかします。変な神主のあまりの喜びようと彼のおかげで集まってしまった数百人の人々にトランシーバーで集まった神主さん数十人がかわるがわる私の「大凶」のおみくじを眺めて「おー!これはこれは!」などと言っています。
あまりのおかしな光景に私が「だから大凶のおみくじがなんなんだよう?バカじゃねーの」とその神主に怒鳴りました。するとその神主が「おーごめんごめん。あんたはいみはわからんだろうな」「実はな、大凶のおみくじは数百万枚に一枚なんじゃ」「十年に一度出るかでないかでそろそろかなと思い毎日見に来てるんじゃよ。」「あんたは実に運がいい。すごい運命を持った人間だよ」と言って神主数十人と記念写真を撮りました。その上「このおみくじは実に貴重だからあんたが持っていてもしょうがない」と持って行ってしまいました。その数十年後の今もあれは何だったのか実に失礼な神主だと全く腑に落ちないのです。

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