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「ヌメ革」に記憶にない汚れがあああ〜な時に

そういえばnoteもやってたな!と思うほどのご無沙汰っぷりでもはや物理的にも記憶的にも埋もれていましたが無事発掘に成功しました。
という事で、久しぶりのnoteです。

ナチュラル色の革はやはり育て甲斐があることもあり、お好きな方も多いと思います。

画像、上の財布が新品で下の財布が1年ほど使用した経年変化サンプルです。
全体的に色濃くなって艶やか。
そしてよく触る部分はさらに濃くなって自分と財布の過ごした歴史がそこにあってそれはいいもんですよね♪

しかしそんなナチュラルの革に大敵なのが汚れです。
普通に使用してる中での汚れなんかだと気にしなくても全然いいんやけど、え?なにこれ?こんなん記憶にもないしどこから来たこの汚れ!
自分の手を見てもなにも汚れる様なものついてないのに表面には黒ずんだ明らかな何かがついてるやん〜ということもあろうかと。
特に使い初めの初々しい肌色の頃なんかだと目立つし気になるし、何より気分的に嫌やわ〜と。
↓こんなん。

なんか指紋やし。
この画像は意図的にこのnoteを書くためにつけた汚れなんですが、思いっきり指紋やし笑
まぁこんな感じの指紋じゃなくても、同じ様な感じの黒い汚れがついちゃう事あると思います。
触った瞬間表面に黒い汚れが付着して、あれしまった!と自分の手を見てもなにも汚れらしきものは着いてないのに革は汚れてる!という場合では特にあるものを使用すれば一瞬です。(前提で話しておきますが、インクや通常の?汚れは対象にならないです。)
もう一瞬で汚れが綺麗さっぱり。

↓指紋ちょっと拡大。

この感じのはクリーナー的なものでは全然汚れが落ちないんですが、落とし方の前に原因的なものを少しお話ししておくと、
先ほど、わざとこの汚れを作ったと話しましたが、これは鉄とタンニンの反応で黒くなっています。

手に汗をかいたりなどで水分がついている時に、何か金属を触ったとします。
すると手に金属の成分が付着して水分で酸化鉄になります。
で、水分を介して革に酸化鉄が移ると化学反応してそこが黒くなってしまうという寸法です。
革に鉄粉を吹きかけたり、鉄の棒をすりすりするだけでは何の反応もないので日常生活では特に気にしなくても大丈夫なんやけど、
鉄棒めっちゃやった後にヌメ革のアイテムを触るときは最高に注意が必要!とかそんな具合でしょうか。

m.rippleでも少し展開していたりする奄美大島で泥染した革を用いることがありますが、この泥染の染色方法も鉄とタンニン(革をなめす時に使うあれです)の化学反応を利用した伝統的な染色技法です。

さて本題のこの汚れの取り方です。
なにを使うかと言えば、、、、
その前にレモンハイでも飲んじゃおっかな、、、、、
のレモンです。(ま、このレモンはお酒では使わんだろうけど)

おいおいマジかよ!って声が聞こえてくるような、こないような。
シミになるんっちゃうん?とか
色々心配もあろうかと思いますが、全部ひっくるめて大丈夫です。
この液状のレモンをティッシュなど染み込ませ、

それを汚れてるところにトントンとすればなんと!
もう濡れた時点で黒さは消えてるんやけどちょっと放置して、まだ頑固なんがいたら追加でまたトントンと。
まだ消えないのがあったらもう直接かけちゃったりなんかしてね。
この時に気をつけて欲しいのが、絶対に擦らない!
レモンの水を染み込ませるだけでいいから、絶対に擦らない。
擦るとそこが磨かれる状態になって光っちゃうから。

黒くなった反応を戻す様なイメージなので染み込ませるだけでいいんやけど、乾いた時にシミにならんか気になるだろうから、目立たないところで一回試してみると安全安心よね。
で、水分が飛んで乾けばあら綺麗!
↓こんな感じにシミもなく、黒いのんも跡形もなく綺麗になると。

もちろんあれですよ、酸化鉄での黒い汚れ以外には全く効果ないけど
基本的に乾いたらシミにもなりにくいのでとりあえず一回試してみるとかでもいいかも。
これはどちらかといえば同業のヌメ革を扱う制作現場で重宝される技で、革包丁やミシンのハンドル、その他諸々金属物の道具はいっぱいあるし、手汗かきやすい人はこれやりやすいから、そんな時のために是非どんなんでも大丈夫なのでポッカ的なレモンを傍に今宵も作業を進めてみてはいかがでしょうかと♪

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