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「考えられた構造」や「仕立てのいい財布」とは

財布はお札・小銭・カードとそれぞれ大きさの決まった3種のモノを収納しますが、その制限がとても面白い世界を作っていると作る側の立場から思います。

このとても小さな世界の中に、何をどう収納して、動線を考え、使い込んだ未来の姿を考え、デザイン・設計します。


そんな中、世の中にはちょっと作り込みがイマイチよろしくないなと思える商品があるのも事実です。

例えばこんな感じの財布で、カードを入れただけでこの状態だとちょっと構造的にはアレですよね。

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この後収納を済ませて蓋閉めようとしたらこうなっちゃいますし、、、。

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この財布も決して粗悪品なポジションではなく、いい価格で売っていて名前も知れたメーカーの財布ですらこの状態なので財布ってこういうもんや!と世間で思われてしまったらよろしくないと個人的に危機感を持っていたり、いなかったり。


二つ折財布でよくあるケースだと、収納して閉じた時に財布の角辺りが上側にめくれてしまったりした場合は容量の設計ミスや組み立て技術の甘さだったりします。

作り手側の事情などで仕方がないやん、で済ませてしまっているというか使い手と財布の未来の姿をイメージしてないというか。

出し入れのしやすさや収納後の収まり具合、使い込んだ未来の美しい姿はデザインの段階で考慮されるべきで、それを具現化するのが設計・型紙製作となります。


商品を製作する段階でのクオリティの高さに関しては、目につきやすいステッチやコバ磨きの美しさがありますが、本質的に最も大事なのが各パーツの貼り合わせや組み立ての技術力です。

しかしながらこの部分はとてもわかりにくいので、確認しにくいポイントではあるので悩ましいですが顕著に現れるのがラウンドジップのファスナータイプの財布です。

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横から見てこの画像の部分の高さが左右で違っていたら歪んだ組み立てをしていることとなります。

内装の構造によっては例外な商品もありますが、一般的にはみるべきポイントです。

あとはファスナーがセンターからずれてたり、まっすぐピシッと貼れていなかったりなどがあります。

ずれてるとそこに負荷がかかり、ファスナーの寿命が短くなったりします。

またファスナーの開け始め、閉め始めがスムーズでないのもいただけないですし。

もちろんステッチの美しさやコバ磨きのクオリティは、その商品が一級品である為には必要な項目だし、それぞれブランドのアピールポイントであったりアイデンティティであったりします。

今は色々なブランドからたくさんの財布が世の中に生み出されていますので、お気に入りの逸品をそれぞれ皆さんが手にできることが財布業界にとっても大事なことだと思います。

コンパクトさを追求したアイテムやオリジナル構造の財布は考え抜かれた構造とスキルが高ければ最高なアイテムなのは間違いないですが、落とし穴も結構潜んでいるのでそこは厳しく見極めていただければと。

素敵な財布に是非とも出会ってください♪

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