【飲食店経営・年商600万への道①】
飲食店で年商600万って……年収いくらだよ。経営者ならそう思うだろう。いや、経営者じゃなくてもそう思うぐらい極めてミニマムな数字。それなら地道に就職した方が効率良い、そう思うのは間違いではなく正論というか正解だし正確に数字を計算できてると思うし正攻法だ。でもそこから目指してみよう。
まずは色んな数字を並べて考えてみる。飲食店の3年生存率は30%程度と言われている。つまり70%の飲食店が3年で潰れるということだ。
年商3億だろうと、年商10億だろうと、年商600万だろうと、5年なら20%、10年なら10%しか生き残れない、それは実際にほぼそうらしい。そして年商が高い方が生存率が高くなるかと言えば、それはそうではなく、逆に年商が高いと潰れた時の負債やリスクは当たり前に大きくなる。
ここで大事なのは冒頭の、『年収いくらだよ』の部分になってくる。
大袈裟な話だが、年商600万で経費がゼロなら年収は600万だ。いや、それはあり得ないじゃないかと思うのが当然だし、実際にそうだ、あり得ない。
自分以外にそこを目指している人すら見たことはない。もちろん試してはみたがそれを成し得たことはない。
アホなのかな?って思ったろ。
でも、あり得ないことや当たり前のことすら思考から外さないのも大事なこと。
そこをただただ数字を並べて少し濁してみる。例えばそう、酒屋から新発売のワインをサンプルで1本貰った。これは飲食店ではよくあることだから不可能ではない。それを4800円で売った。仕入れ原価はゼロ、売上は4800円だ。
これが月に100本なら売上は480,000円、仕入れ原価はゼロ、年商5,760,000円。仕入れ原価はゼロ。
もちろんこれは不可能だし、そんな羽振の良い酒屋はない。テナント料や光熱費、広告料、他にも色々とお金がかかるから経費ゼロでは全くないし、そう上手くはいかない。
けど、逆に言えばそういうことなんだよ。想像することは可能だし、想像が可能なのであれば可能性はある。
いきなり年商1億を目指すより、年商600万でどう年収を増やすかを考えた方がより現実的だし、生存率も高くなるし失敗した時のリスクも少ない。
ミニマムなビジネスならでは、ミニマムだから成り立つ方法や理論ってのが意外とあったりして、同じように大きなビジネスにも方法や理論があるようにね。
年商600万の飲食店であればオーナーひとりで人件費ゼロってのは全然可能で、飲食店の人件費は売上の20%〜30%が相場と言われているから、年間120万をカットできるって考えると、それだけで103万の壁はもう超えちゃっている。年間103万以下で働かなきゃって人も多いだろ。
年商600万、月売り50万、25日営業だと1日に必要な売上は2万円。どんどん数字に変えていく。
こいいう計算って飲食店をオープンさせる時によくやるよね、所詮は机上の空論や取らぬ狸のなんとかだけどさ、この時間が好きなんだ。
実際にじゃあ架空の飲食店でシミュレーションしてみようよ。
開業資金は100%事業ローン、300万円を5年で返済するとして、返済額は月に5万円、金利などについては今は面倒なので省く。細かい人は計算したら良い。
テナント料は5万円が良いな。地元旭川ぐらいの規模の街で探すなら5万円でもいくつかの物件はヒットするから現実的ではある。
仕入れ原価は25%〜30%を基本としよう。これで家賃10%、返済10%、光熱費は8%ってとこかな、広告費も8%、これで……61%〜66%ってとこで、残るのは39%〜34%ってことだから月収17万〜19.5万って感じか、すでにキツっ。
さらに他にも消耗品とかの経費も色々あるからもっと低くなるからね。
でもまだ挫けないで。
将来はこぢんまりとしたカフェを経営してのんびりしたいとか言ってたろ?まだ諦めるのは早いって。
のんびりこぢんまりとしたカフェでもやりながら生活したいなんて語る人をたくさん見てきた。
ビール片手に夢を語るんじゃなくて、現実的にそれがどんなもんか一緒に考えてみようよ。
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